一度でいいから、誰かに妬まれてみたいわ
そう言った彼女をその場で止めておけばよかったかなぁ と考えなくもない
けれどその時は、正直に言っていい傾向だとばっかり思ってた
なんせ、いっつも彼女は何かを妬んでいたからさ
たまには自分が妬まれる対象になりたいって思ったってだけでも僥倖だって思ったんだよ

パルスィ「どうして誰も私達を妬まないの? こんなに素敵な恋人同士なのに」
○○「そりゃ妬まれて俺が狙われないようにって、この家からちっとも出してもらえないからじゃないか?」

……あと、俺もたまには外に出してもらいたかったから、なんでも新しいことをやろうとするのは大歓迎だったのだ
いや、誤解しないように言っとくけど、そんな状況だけども俺はパルスィを愛してるぞ
その点は誤解しないようにな


パルスィ「と、いうわけで皆が何かにつけて妬ましく思うようにしてきたわ」
○○「わぁーお。俺の嫁すげー」
パルスィ「……まだ手もロクに握ったことないのに私を嫁だなんて言うあなたが妬ましい………」
○○「今日はパルスィが妬ましく思われる日なんだろ。それなのに俺を妬んでどうする」
パルスィ「本能よ。それにもう慣れたでしょ?」
○○「そりゃそうだが。で、どうやったんだ?」
パルスィ「簡単よ。私が今まで溜めに溜めてきた妬みの入った壷をあちこちに置いて来たの。今頃はもう気化してばら撒かれてるはずね」
○○「俺はむしろ妬みってものが物質だってことにビックリだよ」
パルスィ「でもそうしたらきっと、地上のみんなは貴方の魅力に気がつく。そして私を捨てる貴方が妬ましい……」
○○「勝手に捨てさせるな」
パルスィ「でも、自宅に監禁していつもいつもくっついてる私がうざったいと思ってる貴方が妬ましい……」
○○「いや、パルスィって体温低いし、くっつかれてると気持ちいいんだよね……やわらかいし」
パルスィ「……そういうちょっとえっちな○○が妬ましい……」
○○「ごめん、今のは反省」

俺の彼女、ヤンデレ、って言うんだろうか?
自分以外を見てほしくない、離れずにいてほしいってずーっと俺は監禁されてきた
けど、考え方によっては可愛い彼女とずっと一緒なんだぜ? 別に嫌がる理由もないだろ?

みんな「妬ましい妬ましい……素敵な恋人がいるあの妬み屋が妬ましい………」

まあ、目下嫉妬に狂ったみんなに追い回される日々なんだけどさ
走るゾンビに追い掛け回される映画あるだろ? あんなもんだと思っておけばほぼ間違いない
つまり………逃げるんだよォーーーッ!!




《おまけ》

さとり「パルパライザー(妬み壷命名)は妬みを繰り返すことにより、その感染者のデータを蓄積し永久に事故増殖を繰り返す妬みよ
   あれを止めるにはその統括機構である水橋パルスィを撃つしかない
   この作戦が成功しなければ、もはや幻想郷の地上に住む女はみんな○○に惚れてしまうわ
   すべてはこの時のためにあった。最強と呼ばれるその力で、地上を救ってちょうだい」
お空「うにゅ? わたしが?」
お燐「わたしもですか?」
さとり「ええ。以来は完遂。それがレイヴンとリンクスでしょ?」
お燐「わたしは山猫じゃないですよ」
お空「おー! それじゃこのヘルズレイヴンにおまかせくださいです!」
お燐「ヘルズレイヴン? ああ、地獄烏ね……」
さとり「それじゃ行ってらっしゃい。でも、○○だけはくれぐれも生かして戻すのよ」
お燐「どうしてですか?」
さとり「私がほしいからよ」
お燐「は?」
さとり「○○をずっと欲しいままにしてたあの妬み姫がまったくもって妬ましい……」
お空「そうですそうです! ○○さんを取り戻すのです!」

お燐「えー……まともなのってわたしだけなの………?」

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最終更新:2011年03月04日 01:35