射名丸文の場合。

○○。
愛しの彼を手に入れたい、独占したい。
そういった恋慕の情から、彼女は彼を手に入れる為の行動を起こした。

風を操る彼女は、風の噂も操ることが出来る。
敢えて彼の悪評を流し、人里内で孤立させ、新聞をバラまく。
後は自分の元に訪れてきた彼を捉え、自分無しでは正解出来ないように依存させる。
悪くはない計画だった。
ただ一つの誤差があったとすれば、彼の女性関係を把握していなかったことだ。


「――ガッ!?」

全身に容赦なく弾幕を浴びせられた彼女は、受け身も取れずに地面へ叩きつけられた。
頭上には聖白蓮と、上白沢慧音。
予想外の組み合わせに、困惑しながら血反吐を吐く。


命蓮寺の魔法使い聖白蓮と里の守護者上白沢慧音。
普段は憎い恋敵同士だが、○○を守るためなら話は別である。

○○の悪評が里に広がっていると知った時、慧音は能力でその悪評を『無かったこと』にした。
そして元凶が射名丸であることを突き止めた慧音は、自分一人では彼女に適わないと判断して白蓮に協力を要請。
後は新聞を配りに来た射名丸を待ち伏せて捕縛、博麗の巫女も真っ青な詰みゲーの出来上がりである。


「流石に今回は許容出来ないな」
「ええ、彼に危害を加えるものは――南無三」


過剰なおさわり厳禁。あくまで彼の意志を尊重すること。
それが、彼女たちのルールだった。

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最終更新:2011年03月04日 01:54