私は比較物理学の教授だが、何故か生物学の○○教授と仲が良い。彼曰く、「趣味で考古学や物理学を研究している」らしい。それで彼は比較物理学に興味を持って私の講義を聞きに来たようだ。驚くべき事は助教授並の知識を蓄えているのだ。
そこで私は自分の教授室に彼を呼び出して話を聞く事にしたのだが、彼の話を聞きたかったのだが、熱くなってお互いの仮説を展開していっての大議論だった。

それ以来、何かと彼を部屋に招いて熱く語り合うという日々が続いた。
そんな日々が一ケ月ほど続いたある日、何を思ったのか私は魔力について彼に聞いてみることにした。

「…という仮説を私は立てたんだがどうだろうか?」しかし、学会では笑い飛ばされた物だったので不安だった。
「非現実的だな。」
ある意味予想通りの返答だった。
「しかし研究するに値する物かもしれんな。」
今度は期待した返答だった。

その日以来、私は自らの仮説を証明する為に走り回った。
そして幻想郷という場所に行き着いた。
しかし、そこで私は違和感に気付いた。○○に会わないと何とも言えない物に襲われるのだ。
なんだろう、この未知の感覚は。
幻想郷にいる間には、その感覚が離れなかった。
私は必要なデータを持ち帰ってきた。まずは彼に会うことにした。



再び彼に論文とデータを見せることにした。
彼の姿を見るだけで安心した。何故かは分からない。
論文とデータについての出来を聞くことにした。
「まず非科学的なデータが多いな。あと宗教に結びついてる点も察すると、駄目だな。」
私はその結果を聞いても特に何も言う気になれなかった。彼以外だったら徹底的に問い詰めるはずなのに。
私は意を決して自分の心境はおかしくないか聞くことにした。今度は声を聞くだけで胸の鼓動が早くなっていくのを感じた。

「なあ、○○教授。」
「どうした、岡崎教授。」
少しドキドキしながら自分の心境の変化を伝えた。
「さあ、産まれてこの方研究一筋の私には全く分からん。」
「そもそも人の感情とは…」
また彼はいつもの態度になったが、私にはそれが輝いて見えた。
結局2時間ほど彼の話を聞かされたが、不思議なことに退屈しなかった。


私はその論文とデータを学会に発表したが、結果は追放。しかし、今は学会よりも彼の隣の方が素晴らしいものに思える。
しかし彼へのこの気持ちがよく分からない。女には女にしか分からない物もあるらしい、と彼が語っていた事を思い出した。とりあえず駄目元でちゆりに聞いてみる。
わかりやすくちゆりに伝えた。するとちゆりは
「教授が普段より変な感じがしたのは、それが原因だったんですね。」
「で、ちゆり。この感じの正体は何なんだ?」
「教授。それは恋ですね。」
十秒ぐらい時ば止まったかと思った。
「コイとは魚の鯉ではなくて…」
「好いている方の恋ですね。教授。」
私はその正体を聞かされた時、文字どおり体が石の様になった。
「ちゃんと自分の気持ち伝えないといけませんよ?教授。」
「あ…あぁ…」
私はある意味強いショックを受けた。辞書ぐらいでしか知らない感情が今の自分にあると思うと。

その日を境に私は彼を直視出来なくなった。彼が他の女性と話しているのを見ると、嫉妬するようになった。彼を見るだけで幸せな気分になった。
彼をもっと知りたいという欲求がでてきた。


私はそれ以来、徹底的に彼の事について調べた。彼の身長、体重、スリーサイズ、各部位の長さまで調べた。年齢は私と同い年だったのは驚きだが。更には食の嗜好、趣味、特技、挙げたらきりがない程調べた。
何より気になったのは、彼は資金さえあれば、教授職などどうでも、と思っているとの噂を耳に挟んだ。
しかし、良い噂だけではなかった。彼は親のコネだろうか、お見合いをしたらしい。相手は大金持ちで教授職ときている。このままでは彼は寝取られてしまうかもしれない。
しかしながら、私には勝算はちゃんとある。さながらジョーカーの札を持ってる。しかも幸運にも彼はお見合いの相手の事など歯牙にも掛けていないのだ。

私は着々と準備を始めた。わざわざちゆりにも協力させたのだ。


準備を始めてから二週間、彼はお見合いの相手と無理矢理結婚させられる事になった。それも三日後。しかし、私は地道な努力によりなんとか二週間にまで、引き延ばすことができた。全ては私の計画の内。

その噂を聞いた日の夜、予想外の出来事に見舞われた。そのお見合いの相手に呼び出されたのだ。そこで私はそいつに、今回の事は全て知っている。黙っておく代わりにもう邪魔をするな。と言われた。

「お前みたいな気違い染みた論文を発表した女、彼が寄り付く筈もないわ。消えて。」


クックッ…笑わせてくれる雌豚だわ。そんな幻惑で私と○○を引き離すつもりね。いい?私には○○がいて○○には私がいるんだ!
お互いがお互いを必要としている。素晴らしい関係ではないか!ん?そんな妄言聞きたくもない?黙れ。貴様に発言権はないわ!私の目の前から消え失せろ!
バシュン!バシュン!


さて、ついでがてらに邪魔な奴も消した。計画実行は明日。楽しみでしょうがないわね。
フフフ…フフ…




その日の岡崎夢美の日記
あの雌豚の血が服にこべりついてしまった。確か○○が服に付いた血の落とし方を語っていた筈だ。それを思い出しながらやろう。
血は時間がたつと黒くなる。○○は言ってなかった。今度教えてあげようかな。

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最終更新:2011年03月04日 01:46