○○の葬式が行われた。
どうやら妖怪同士の抗争に巻き込まれ、流れ弾で命を落としたという。
しかし、今、出棺の時点で我々は集会場から出る事が出来ない。
霊力が僅かでもある里人や外来の仲間は、全員失神してしまっている。
俺は、震えながらもそっと外を覗く。
猫車を手にし、血走った目で身構えている地獄猫が居た。
三途の川どころか現世に舟を乗り付けてきた死に神が、鎌を構えて待っていた。
冥界の姫が、無数の蝶を侍らせて棺を凝視している。
貴方までさぼって現世に何をしに来ているのですか閻魔様……も、既に判決書と『契約書』を手に出棺を待っていた。
「っ…………んな状態で死出の旅へ赴けるかぁぁぁぁぁぁ!!」
あ、棺を粉砕しつつ○○が蘇った。
ちなみに、彼の死因は彼女らの争奪戦に巻き込まれたからだと言う。
最終更新:2011年03月04日 02:04