実はさ、俺って昔から色々と視えるんだよね。幽霊とか人の気とか地脈の流れとか・・・みんな怖がるから人には言えないんだけどさ。
それがこの前仲の良い友達の後ろに、視えたんだよ。青白い霊がそいつの背後にピッタリとくっついて離れない様を。
これはヤバイと思ってそいつに冗談っぽく
「最近ツイてないらしいね。もしかしたら悪い物憑いてるかもしれないから神社かお寺行って祓ってもらいなよ。開運願いがてらにでもさ。」
と言ったんだけど、やっぱり冗談にしか取られなかった。
あまり強く言うと、気味悪がられるんじゃないかと思ってそれ以上は何も出来なかったんだ。
案の定、そいつはその一週間後に交通事故で死んじまった。
まさかとは思った、だってあいつの後ろに憑いてた霊は悪霊なんて雰囲気じゃなかったから。
だけど交通事故で死んだのに、死体が綺麗すぎるんだよ。それと車の助手席に落ちてたらしい煙管と桜柄の扇子。
大の煙草嫌いで女嫌いのあいつがそんなもの持ち歩いてるわけなかった。
でも、一番、気になったのは、友の死でも煙管と扇子そのものでもなくて、
それに憑いてる念が俺に向いているということ
最終更新:2011年02月11日 17:19