有名な古典落語の「まんじゅう怖い」を聞きながら冒頭を参考にして書いてみました。




〇〇「俺が怖いモノ?あ~…狐ですね。」

ある日、里の集会場で宴会をしていた人里の若い衆。その時、ふとした事から「自分が怖いモノ」の話になった。
ある者は「蟻」、ある者は「蛙」、またある者は「蛇」と話していた。
ふと、一人がある青年にも同じ質問を聞いた。

里人A「おい〇〇、さっきから『へぇ~』とか『ほぉ~』とか『ふぅ~ん』と生返事みたいな反応するが、お前さんの怖いモノって何だよ?」
この〇〇と言う名前の青年は一年ほど前に趣味のサイクリングで山に登っている最中に外界から想郷へ迷い込んで来た。
森で妖怪に襲われそうになったが乗っていた自転車で必死で逃げきり、命からがら人里へたどり着いた。
そこで偶然居た博麗の巫女から幻想郷の説明を受けた。
驚きと不安などが入り混じった顔をしていたが、何となく興味も湧いて来て少しの間だけ、移住してみることにした。
仕事は自転車があったから、雑貨屋の配達で生計も立て外来長屋に住んでいた。
さて話は戻して、自分が怖いモノの質問に「狐」と答えた〇〇に里の若い衆は困惑な顔をした。

里人B「おいおいおい、そりゃあ無いぞ〇〇。」

里人C「そうだぞ!いくら何でも大切にしてやらないと罰が当たるぞ?」

里人D「冗談が過ぎるぞ?」と喧々囂々と言われ訳がわからない〇〇

里人A「あ~…〇〇、お前さん今日は飲み過ぎだ。今日はもう帰りな?な?」

納得ができないで外来長屋の自分の部屋に帰って来て早々と布団を敷き寝床に着く〇〇。

〇〇(小さい頃に家の近所にあった神社のお稲荷さんが恐くった今だに苦手なんだよなぁ……何でみんな、あんなこと言ったんだ?)そう考えるも酒が入っているから瞼がすぐに重くなり夢の中へ落ちた。

藍「〇〇?もう寝たのか?」
しばらくして彼が寝静まって入って来たのは幻想郷の管理人で妖怪の賢者である八雲紫の式で九本の尾を持つ妖狐、八雲藍だった。
彼女は博麗神社の宴会に呼ばれた〇〇の人にも妖怪にも気さくで大らかな優しい性格に惹かれ、里人に〇〇の住む外来長屋の部屋を聞いたり、今みたいに夜な夜な〇〇の部屋に入って行くのが見られており周囲は「そんな関係」と解釈していた。

藍「狐が怖いなんて少しショックだったが、大丈夫だ。すぐに好きになるさ…いや、私を愛するようになるさ。」
そう言って濁った目と歪んだ笑顔で〇〇の隣に寝そべり九本の尾で包みこんだ。
藍「ふふ…おやすみなさい〇〇」

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最終更新:2011年02月11日 17:25