「いってらっしゃい。」
「行ってきます。館の掃除場所は渡した紙に書いてあるから。あと・・・」
「わかってるって。大丈夫大丈夫。」
紅魔館の主な面々が館を出発する。
なんでも博麗神社で二日通しで宴会があるらしい。
自分こと○○は酒に弱いから不参加だが、○○の恋人である
咲夜(レミリア公認)はレミリアについて行かなくてはならない。
「○○も来ればいいのにー。」
「いやいや・・・自分から死に行くアホはいませんよ。」
フランおはしきりに来るように勧めてくるがさすがに頷けない。
幻想郷に来る前は「○○には酒は飲ますな。」と友人たちの間での取り決めがあったほど
酒に弱いのだ。
「じゃ、行ってくるわ。館に残るのは○○と美鈴の二人だけなのだからしっかりね。」
「はい。」
そう言うと一行は出かけて行った。
「美鈴は行かなくて良かったのか?」
「門番ですし館を離れるわけには行きませんからね。」
女性だらけの職場において美鈴の存在は○○にとって非常に有難かった。
咲夜に告白するときも色々相談もしたし手伝ってもらったりもした。
男友達の様に接することが出来る者がいるのといないのでは大分違う。
「ま、二日間だけど二人で頑張ろうぜ。」
「・・・そうですね。あと、咲夜さんにナイフを投げられませんし!」
「居眠りしてたら報告するように言われてるから。」
「そんな~」

その晩・・・
館の仕事も一通り終え部屋で読書をし、さて寝るかというときに扉を叩く音がした。
「私です・・・美鈴です。入ってもいいですか?」
「どうぞ、どうしたのさ?美鈴が俺の部屋に来るなんて珍しい。」
大抵美鈴と話すときは立ち話が基本だ。部屋で話すことなんてなかったかもしれない。
「どうです?軽く一杯?」
「いやいや、宴会に行かなかった意味ねーじゃん。」
「飲まなくてもいいですから付き合ってくださいよ。」
「まぁ・・・そういうことなら・・・」
自分は紅茶で美鈴は酒を飲み、色々と語った。
やれ黒白が迷惑だのナイフが危ないだの、それはもう色々だ。
そんななか、美鈴がふと呟いた。
「○○さんが紅魔館に来てどれ位になりますかね・・・」
「あー、もうすぐで3年か?大分経つな。」
「門の前で倒れてた○○さんを見つけたのが懐かしいです。」
美鈴に拾われた○○は紅魔館で働くこととなった。
そんななか咲夜と愛し合いレミリアを説得し要約ここまでこぎ着けたのだ。
「ハハハ!美鈴に助けられなくちゃ咲夜と恋人になれなかっただろうな。感謝してるよ、ホント。」
「・・・咲夜さんって全部盗っていちゃうんですよ。」
「?」
美鈴が愚痴るなど珍しいと○○は思った。だが仕事でストレスが溜まっているのだろう。
酒の席だし聞こうと思い○○は訪ねた。
「魔理沙みたいになんか盗るのか?そんなイメージないけどな。」
「白黒より質が悪いですよ。ずっとお嬢様に仕えていたら突然来て、あっという間に上司ですからね。
でもそんなことはいいんです。適材適所ってのがありますし。でも・・・これだけは我慢できません!!」
そういうと美鈴は急に立ち上がり○○をベットに押し倒した。
「ぐぇ!め、美鈴・・・何を?」
「わ、私がずっと○○さんを見てきたんです!あなたと恋人になれたならと何度も思いました。
でも私は妖怪です。人間の咲夜さんと結ばれた方がいいと思いました。でも!だめです!!
やっぱり駄目です!!私が!私の方が私と恋人になってください!!」
「・・・だ、駄目だ。俺は咲夜を裏切れない。」
○○が拒絶すると美鈴の目の色が変わった。
綺麗な目が泥水の様に濁り、その目は焦点があっておらず遥か遠くを見ているようだった。
「○○は私と恋人にならなくちゃいけないんです!!だって、私がこんなにも愛しているんです!
気を流し込みながらまぐわったら分かってもらえるはずです。」
「ま、待て!駄目だって!俺には咲夜が、ぐっ・・・」
○○が咲夜の名を出したら美鈴は○○がの首を絞めてきた。
「そんなに咲夜さんがいいですか!?私じゃなんで駄目なんですか!
こんなに!こんなに愛しているのに!!」
その時、ボキッと鈍い音がした。○○がの首が折れたのだ。妖怪の力に人間が耐えられるはずもなく、
○○の骨は無残にも握り潰されてしまったのだ。
「・・・?ま、○○さん?え?わ、私がこ、ここ殺して?あ、え・・・?
いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
最終更新:2011年02月11日 21:13