幻想郷にある人里のメインストリート。
天気は晴れで今日も今日とて周辺は賑わっていた。
そこを歩く青年〇〇。
その〇〇の前に長い金髪でグラマラスな女性が少し俯き「困ったわ…ふふふ…」と呟きながら獲物を狩るような目でチラチラと〇〇を見ていた。
〇〇(ええええ~~~~な…何だ!?何かヤバイ雰囲気がいつも以上にする紫さんーーー!!)
紫「ふふふふ…困ったわぁ~…。」
〇〇(いや、困ったのはこっちだよ…どうしよう…とりあえず気付かないフリをしていよう。)
そう考えた〇〇は紫の側を何気ない素振りで通り過ぎた。
〇〇(あれ…?行けた?よかった、普通に行けてよかったなぁぁ~~…。)
そう安堵して歩い行こうとすると
紫「…って、無視して行くのは酷いわよ〇〇?」
スキマを使い目の前に現れた紫。
〇〇「ゆ…紫さん、すみません急いでいたし何時もと雰囲気が違っていたので。」
紫「何時もと違う?」
〇〇「い…いや、何時もは凜とした雰囲気の大人の女性ですが、今日はまだあどけなさが残る可憐な少女に見えまして。」
紫「ふふ…馬鹿ね。」
〇〇(ヤバイ…嘘っぽかったか!?)
慌てて弁解する〇〇の発言に喜び微笑んだ紫だが、その微笑みが〇〇にはより一層、怪しく見えた。
紫「まぁとりあえず私、今困っているのよ。」
〇〇「どうしたんですか?」
紫「靴擦れをしちゃったのよ。」
足元を見ると、紫が左足の靴を脱いでおり小指は擦れて皮膚がめくれ赤くなっていた。
〇〇「あらら…そりゃあ大変で。そうだ向こうに茶屋で休みましょう。」
そう言って〇〇が指差した先には茶屋があり軒先には座れる竹簀があった。
紫「じゃあ連れて行って〇〇」
〇〇「いや、紫さんの能力ならすぐd紫「お願い〇〇?」
〇〇「はい!すぐに!」
紫の威圧感に圧されすぐに紫の前で背を向けて屈んだ〇〇。
紫は満足げに〇〇に茶屋の軒先まで負ぶさせて貰った。
〇〇は茶屋で団子とお茶を二人分頼み紫の足を見た。
〇〇「ちょっと失礼しますよ紫さん。」
紫「あら、〇〇が応急処置してくれるの?」
紫が〇〇にそう言うと、〇〇は茶屋の店員から注文する時に頼んだ包帯と消毒液を受け取り処置を始めた。
紫(はっ…!!この体勢は、〇〇が私の胸の谷間を見放題!?やだ、とてつもないお宝を目の前に〇〇がケダモノになったら私…私…。もう好きにしなさい、〇〇のケダモノ!!)
〇〇「これでよし。団子とお茶も来ましたし食べましょうか?」
紫「……このケダモノ!!」
〇〇(ええ~~…応急処置してあげたのにまさかのケダモノ呼ばわり!?何で罵られるの!?意味が分からない。)
困惑する〇〇を余所に紫は団子を食べていた。
それを見た〇〇も団子を食べる。
紫(そうだわ、もっと官能的で妖艶に食べてみましょう。)「美味しいわね、ここの団子。」
紫が団子を上目遣いをしながら嘗めるように食べている光景を見る〇〇。
〇〇(こ…怖ぇぇ…帰りてぇ……。もう何がしたいのこの人【妖怪】は!?)
紫「美味しかったわ。今度、素敵な『お礼』をしてあ・げ・る。(はぁと)」
〇〇「は…はぁ…」(正直、遠慮します。今日ほど胡散臭く見えた日はないよ。)
団子を食べ終えた紫はスキマを作って入り振り返って〇〇に向かいウインクをするも気の無い返事をする〇〇。
紫「それじゃあ、またね〇〇。」
そう言うと紫はスキマに消えた。
〇〇「全っ然、意味が分からなかった。…勘定はここに置いておきます。」
竹簀にお金を置き立ち上がり茶屋をあとにして、歩こうとした〇〇の前に…。
永琳「困ったわ…ふふふ…。」
神奈子「いやいや、私がかなり困っているわ…ふふふふ…。」
慧音「誰よりも私が困っている…ふふふふふふ…。」
幻想郷で知り合った、屈指の実力者である女性達がさっきの八雲紫のように少し俯きながら獲物を狩るような目でチラチラと〇〇を見ていた。
最終更新:2021年01月28日 20:30