幻想郷で忌々しい連中は誰か?と聞くと大体の奴は、溶解とか言うんだろうが俺は違う。それは、間違いなく
ドンっ
「あ、すいま・・・」
俺の顔を見ると、その男は舌打ちをした。おれは、住んでを逃さずその男の髪を掴み
腹を蹴飛ばした。
「げぇ・・・・」
男は、げぇげぇと吐きながらこちらを睨んだ。
「人前で吐くなよ、田舎者が・・・」
里人が、よそ者の外来人が、と悪態をついた。
外来人。幻想郷で使われる名だ。俺は、屑どもがそれを言うたびに暴力を振るってきた。
そひそ。
その背に無数の囁きと侮蔑を感じた。
「何ぶつぶつ喋ってるんだ?妖怪の家畜ども」
家に嫌がらせをする癖に、俺の視線に合うと途端に卑屈な態度を取る。餓鬼が石を投げつけてきた。
笑みを浮かべた里人どもの前で、蹴飛ばした。非難がましい眼で見る里人に唾を飛ばし、スプレーを巻くとほうほうのていで逃げていった。足は外にあるテントへ向かう。
別に、俺は別段自分を偉いなどと思っているわけではない。のうのうと生きて、それを当然と思うこいつらが
嫌いなだけだ。この前、妖精をいじめていた里人を咎めると、襲い掛かってきた。一人を除いて骨折させ長老が文句を言ってきたのを思い出した。(テープレコーダーで記録していたおかげで、慧音さんは非難しながらも事情を理解してくれた。爺のほうは影で殴っておいた)外界の道具を使ってる泥棒どもは、外来人を人間扱いしていないのだろう。まあ、それに冠して鼻にも言うまい。
人里の連中は、何故俺に危害を加えられないか。第一に、俺は里人どもよりも長身で筋力ももある。明治の日本人と、現代人では
結構な差がある。第一に、外界の道具を大量に保持している。複数で掛かってきてもスプレーを巻けば逃げられるし、里人どもも外の品は好きらしい。俺が修理する時だけ、ニコニコと笑う。俺がいなくなれば仕えなくなるからだ。そして何よりも・・・
「探したわよ、○○」
美しい青髪をたなびかせ、白いブラウスを着た美しい女が立っていた。比那名居天子。天人のお偉方の、娘らしい。
「こんな汚い所へようこそ、天人様」
おれはこの物好きのおかげで、妖怪からも安全に暮らせるのだ。
「そんな他人行儀に話さないでよ、恋人でしょう?」
なぜか彼女は薄汚い人間の俺を恋人、と言う。彼女は手を取り、半獣と長老が呼んでいるから一緒に言ってあげると俺の手を握り
引っ張る。抵抗しても無駄なので、俺はため息をついて慧音さんとくそジジィのところへ向かうのだった。
最終更新:2011年02月11日 22:16