「はい、持ってきたよ咲夜」


自分、○○は幻想郷という異世界に居る。
この世界は自分の居た世界とは異なり、
妖怪やら人外やらがウジャウジャいる為、自分の様な外来人は相当危険らしい。
しかし、自分は紅魔館という館の主、レミリア・スカーレットに保護され、
安全を保障され、此処で働きながら快適な生活を過ごしていた。

「はぁ… 持ってきてくれたのはいいけど、呼び捨てはやめてくれないかしら…」
「あっ、すいません、自分の癖で…」


「……出来れば…ずっとそう呼んでほしいけど…」


ここに住んでる人たちはみんないい人ばかりだ、オマケに可愛いし。

門番さんは元気で強く、ちょっとうっかり者だし、
図書館にいるインドア派な魔法使いさんも、数少ない面白い本を教えてくれるし、
仕えている悪魔さんは悪魔なのか分からないぐらい優しい、
メイド長さんは凄いしっかりしてる人で、怖い時もあるけど本当に良い人だ、

そして、この館の主は幼い風貌だが、
吸血鬼で相当強いらしい。少し子供っぽい一面もあるけど。
妹さんはちょっとくるっ…変わり者だけど本当は寂しがりやの無邪気な少女なのだ。


「ん?咲夜さん何か言いました?」
「えっ!べっ別になんでもないわよ!」

「? そうですか」
「いいから早く!仕事しなさい!」
「えっ、ああ分かりました」

「………もう…」














今日も良い日だった。
門番さんとちょっとした話で盛り上がり、
魔法使いさんと悪魔さんと一緒に面白い本を探したり、
咲夜さんの役に立つことが出来た。

そしてもう夜になろうとしていた、
そろそろレミリアも起きる頃だろう。


にしても、みんな今日は機嫌が良かったけど何かあったのだろうか。
















「○○」


突然後ろから声がした。


「ん?おはようレミリア…?」

咄嗟に振り向くとレミリアが居た、しかし様子がおかしい。

後ろにはレミリアだけではなく、
門番のはずの美鈴さん、いつも図書館にいるパチュリーさんと小悪魔さん、
メイドの咲夜さん、そして、いつもは地下に居るはずのフランまでが居た。


「や、やあレミリア、どうしたのみんな揃いに揃って…」


「○○さん」


美鈴が僕に笑顔で近づいてくる。


「ちょっとすいませんね」




ドガッ



何かに殴られたような音がした途端、僕の意識はみるみる消えていった。














「んっ…?」

僕が起きた部屋は何もない殺風景な部屋だった。

「んっ…身体が動かない…?」

床を見てみると紅く光る魔方陣の様なものが罹っていた。



「どう○○…動けないでしょ?これ、私が創ったのよ」

声のした方を向くと闇の中からパチュリーさんと他の皆が出てきた。


「パ、パチュリー…皆…一体何をしてるんだ…?」


すると、魔方陣の光が一層増し、僕に電撃のような痛みが伝わる。


「うわぁぁぁ!」


必死に抵抗するものの身体が動かない。
しばらくすると、ナイフを持った咲夜さんが近づいてくる。


「駄目よ○○暴れないの」


咲夜さんが僕の腹部にナイフを突き立てる。

そして




「うがぁぁぁ!あぎぃ!があああああ!!」





露わになった自分のナカミ。

しかし、僕は痛みに屈することはなく、さらに抵抗は増した。



「○○さん、駄目ですよそんなに暴れちゃ」


美鈴が僕の腕を掴み、異常なまでの力を入れ、鈍い音がした。


「―――! ―――!!」


声すら出せなくなる程の痛みが僕を襲う。
自分の頭が色々なモノを拒絶しようとしている。



「ダメだよメーリン…おててをいじめたら○○がかわいそうだよ……」


フランがそう言って手に力を込めると、僕の両腕が吹き飛んだ。
もう、抵抗どころか考える事さえも出来ない状態だった。
いや、もう何も考えたくなかったのかもしれない。



奥の方からレミリアのついに姿が現れた。
何か喋ってるようだ。








「どう?こんな事をしても分からない?皆こんなに○○が大好きだったのよ?
 それでも気づかないなんて…酷いじゃないの……



 だからね、もう、絶対に離さないから」








よく聞こえなかったが、最後の言葉だけは僕の頭にしっかりと響いた。
ああ、僕が悪かったのか。





そして、レミリアが僕の首筋に歯を立てる。
一瞬何かが刺さる感覚がして、どんどんぼくからいしきとがなにかがぬけて

































ある館のある部屋に、大きなベッドが置いてある
そこには一人の男と六人の少女が寝ていた。



男の腰には抱きつくように紫髪の少女が
そして彼女の使い魔は男の足を掴んで眠っていた

男の右手には銀髪の女性が腕を組み寄り添うように眠っていた
男の左手には赤毛の女性が腕を抱くようにして眠っていた

男の胸部には抱きつくように金髪の幼き少女が
そして青髪の幼き少女は男と熱いベーゼを交わしながら幸せそうに眠っていた



そして、男はどこか嬉しそうな表情を浮かべながら深い眠りについていた。

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最終更新:2022年05月22日 01:13