エヴァ見たらついムラムラっと来た、今では反省している。


[こんな私にも]

「こんなレベルの実験も満足にできないの? 屑ね、貴女は」
「す、すいません。 すいません」
「謝る暇があったら早く作業に戻りなさい、鈴仙」
「すいません……すいません……」

「あれ、どうしたの鈴仙?」
「えへへ、また失敗しちゃって……。」
「あぁー、そういう時はね。 甘いものでも食べるのが一番だよ、ほら」
「ありがと、てゐ。 ……っ!」
「アハハっ! 泥饅頭の味はどうかしら鈴仙!?」
「うぐっ、げほげほっ!」
「汚いわねぇ」
ごすっ!
「吐いてんじゃ」
がすっ!
「無い」
がつっ!
「わよっ!」
どごっ!
「う、ううぅっ……」
「あー泣いちゃった泣いちゃった。 似合ってるじゃないの、クズウサギ」
「う、うううう。ううううっ」
「そうやって惨めったらしく泣いてなさい」
「ぐすっ、ひぐっ、うううっ…………」

夜遅く、私は彼の部屋を訪ねていた。
薬品で朽ち、血で汚れきった服のままでも彼はいつもと変わらずに迎えてくれる。
「……、…………!」
彼の胸で声を殺して泣いた。 暖かくて大きい掌が私をそっと撫ででくれる。

それだけなのに、私は―――。



それから一年、彼は私を支え続けてくれた。
ただあの掌が、あの声が、あの温もりが私の心の支えだった。
あの瞳が、口が、その脳髄が私の為に動いてくれるのが嬉しかった。

「プロポーズ、されたんだ」
やめて、
「受けてくれないと、もう治療薬は作ってくれないって。」
言わないで、
「だから、受けてみようって思う」
嫌ァァァアァアアァァァァァアアァァアァアァァァァアアアアアアアアアァアァアッ!!


いつもの様に夜遅く、彼の部屋を訪ねた。
いつもの様に振り向く彼に。

いつもと違うものを突き刺した。

その愛しい顔が茫然とした表情へ変わる
その愛しい血液が私を濡らす
その愛しい瞳が血まみれの私を映す
その愛しい口元がそっと微笑む
その愛しい手が、
「あ」
大きくて、暖かい手が
「あ、ああ」
私の血に塗れた頬を
「あああぁ。あぁぁあぁあああ」
そっと撫でて、落ちた。
「ああああぁぁぁああぁああああぁぁぁあッ!! 嫌あぁあぁぁああああぁああぁぁあっぁああぁぁぁぁっ!!」


薄暗い地下室の中、兎は笑っていた。
現実を映さぬ瞳は硝子のように澄み切り、その手は幻影を追い続けた。
「えへへ、上手くできたでしょう? 褒めてくださいよぉ……」
其処では、彼女だけが幸せだった。

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最終更新:2013年01月28日 21:47