リグルの失敗




今宵も今宵、集いましたるはバカルテット。
4人が4人気になる男が居て、しかも束縛してでも独占したい状態。
各々自分の持てる限りの力と無い知恵を絞って意中の男を独り占め出来るか病んだ頭で考えている。

その内、4人の中で競争意識が出来ていた。
誰が、どれだけ、自分の病んだ愛を高める事が出来るかという事に。


「うふふ、私はねー、何時だって○○についていけるのだ。○○の行動は24時間お見通しなのだー」

どうやって? との他の三人の問いに、ルーミアは胸を張って答えた。

「当然、暗闇の中に居るから○○は私の事は解らない、これって完璧よねっ」

……いやいや、真っ昼間に黒い闇が後ろから付いてきたら否が応でも妖しいでしょ。


「ふんっ、ダメダメね。あたいなんてさいきょーね。○○にばれないよう氷で盾を作ってそれに隠れて追い掛けてるんだからっ」

しかも、ちゃんと濁った氷で姿が見えないように念を凝らした仕様。
これを構えながら追尾すれば、問題が無いと胸を張る氷精。


だがしかし待って欲しい。妖精サイズの氷の盾で隠せる範囲なんてたかが知れている。
加えて氷の小さな壁が後ろから追い掛けて来たら激しく妖しい事に⑨は全く気付いてない。


「ふふん、あんたら駄目ねぇ。アタシなんてもっと効率的に気付かれないように出来るんだから」

ミスティアの手は確かに確実だった。
思い人に夜な夜な歌を聴かせて彼を鳥目にしていたのである。
これならば、確かに視力が低下してストーキングがばれにくくなるのは事実だろう。

……毎晩歌を聴かせてるのが、誰であるかバレバレな点を除けば。
後日、思い人にコッテリと説教と拳固を喰らう事になるのを、ミスティアは知らない。



「ふん、ダメダメ駄目ぇ、あんたら三人なっちゃいないよぉ」

振り下ろしていた前髪と触手をばっと振り上げ、嫌味な顔付きでリグルが嘲笑う。
どこぞの不漁漫画に出て来る三下悪党の如き仕草で、リグルは言う。

「私は確実かつ絶対にばれない方法で○○を監視出来ているんだ」

自信満々と言った感じでリグルは悦に浸った笑みを浮かべる。

「何せ場所が場所だからね。一方的に、ばれる事なく、媒体を中継して○○が何処に居て何をしているか解るんだ」
「これは私が蟲マスターだから出来る事さ。ドジな常闇や⑨なお転婆ガール、歌に挫折して八目鰻屋やってる奴には至れない領域だよ」

あっはっはっ、と胸を張っていたリグルの顔色が、突如として真っ青になった。

「ちょ、ちょっと○○、何してるのさ。あ、そんなもの入れたら薬効が私にまでフィードバック……ひ、ひ、あ、アッー!!」

ガクガクと痙攣して絶叫したかと思うと、リグルは泡を吹いて倒れてしまった。




ごぽごぽごぽ……ざ~。

「ふー、どうも腹の調子が悪いと思ったら、でっかいサナダムシが出て来たな」
「俺の腹の中にあんなのがとぐろを巻いて棲んでただなんてな。いやはや、永遠亭の虫下しは良く効くぜ」
「ったく、リグルがナマモノ料理食わせるからだぞ。今度会ったらちゃんと加熱した料理食わすように言わないと」







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最終更新:2019年02月10日 00:02