殺したい程好き。
クレイジーケンバンドの歌じゃないけど、リアルでこうなったらみんなどう思うだろう。

「○○、大好きよ、だから、殺してあげる」

僕に対する、彼女の愛の告白がこれだ。
直後、僕は紫色の蝶々に包まれた。そして、僕は死んだ。彼女に殺された。
愛するが為に殺したい、殺す。小説の中ではよくある事だ。
しかし、その先はない。殺した側は犯罪者となり残される側となる。
殺される側は自分の意志を伝える事無く死に、あの世へと旅立たされる。
それは人間同士の愛だから。死は生者と死者を分かつから。

だけど、亡者となるならどうなる? 彼女は亡者だ。
僕と一緒になりたいなら、殺して同じ亡者にしてしまえばいい。
その逆が出来たらそれでも良かったかもしれないけど、僕はただの人間だったので幽霊を蘇生させる力なんてない。
となれば、幽々子さんが僕を殺して同じ亡者にし、添い遂げようと考えたのは自然な事かも知れない。
元より、彼女はそう言う人だったから。友達にしたいって考えた場合、死に誘っちゃった人なんだから。
そうして得た友人も居れば、絶交どころか敵対してしまった人も居たらしい。
何とも無茶をする、と思ったけどそれも「幽々子さんだからなぁ」と納得してしまう僕は病気だろうか。

事実、死んでしまい、遺体を幽々子さんが埋められてるらしい巨大な桜の下に埋められた時も意外な程精神は平静だった。
「これで遺体の寝床は同じよね、あ、妖夢、今日から○○は私の部屋で寝るからお布団移動させておいて。
 遺体も幽体も一緒だなんてなかなか無いわよねぇ」何て言う彼女に呆れてた位だ。

繰り返し言うが、殺されても僕は幽々子さんが好きだった。正直、一目惚れだった。
彼女の美貌もその有り様も好きだった。死を操るという生者にとって恐るべき能力も気にならなかった。

今でも自分が死んだという事に悲観的な思いは不思議とない。幽々子さんを恨んでもいない。
寧ろ、今僕の上で揺れている幽々子さんのおっぱいの方が大事だ。
艶やかな桜色の唇も好きだ。幽体なのに僕の精を絞り尽くす女の部分も好きだ。
幽霊になってまでエッチ出来るとは思わなかったけどね。

そんな事を考えていると、自分がおかしくなったんじゃないかと思う。
自分を殺してでも現世から奪い取ると言った女性を、殺されても尚好きだと思っているからだ。
幾ら好きな女性が出来たとしても、その女性に殺意を向けられて、それでも好きで居られ続ける男性は多いだろうか?
普通は恐怖か怒りに駆られるだろう。でも、殺されて、冥界に半ば閉じ込められてもそんな感情を抱いた事は一度もない。

幽々子さんにどうしてかなと聞いてみた所、抱き付かれて濃厚な接吻をされた後こう言われた。

「それは、私と○○が相思相愛だからよ。愛は死をも凌駕するのねぇ」

ああ、そーなのか。
僕が幽々子さんの事が好き。どれ程好きなのかは知らないが、多分殺されても平気な位には好き。
そうであれば、例え強引に幽霊にされようが、冥界に閉じ込められればどうって事はないかも知れない。
幽々子さんは正直異常かも知れないけど、僕も充分異常みたいだ。少なくとも、幽々子さんへの愛情に関しては。

だったら、それでいいじゃないか。

「どうしたの○○?」
「あ、うん、幽々子さんのおっぱいは相変わらず最高だなって」
「もう、スケベねぇ」

それでいいじゃないか。おっぱいが気持ち良ければ。

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最終更新:2011年05月06日 01:58