指きりというのは、一般的には約束事に使われる。

      • 指きりげんまん嘘ついたら針千本飲ます・・・

この歌をご存知の方は多いだろう。

しかし、これは意外と残酷な歌だったりするのをご存知だろうか?

ことに風見幽香の場合は、その『残酷』なことを実際にやったりする。


僕の目を彼女はまっすぐに見つめていた。

表情は微笑をたたえていたが、その目は笑っていなかった。

      • どうしたの?・・・

僕は聞く。

『自分で分からないかしら?』

彼女は優しく、しかし重苦しく僕に語り掛ける。

分からないから、聞いてるんだけど・・・

『いいわ。なら教えてあげる・・・』

そう言うと、彼女はぽつりぽつり言った。

『あなた、今日誰と話してた?』

えっ・・・

『誰と話してたのかしら?』

そりゃ、村の人とか・・・いろいろじゃないかな?

『へぇ・・・その中に、女の子はいなかった?』

そりゃ・・・多分いたんじゃないかな?

『居たわよね・・・私貴方の後尾けて見てたもん。貴方は里の娘と12分30秒話してたし、あの紅魔館のメイドとは14分も話してたわ』

見てたって・・・しかもそんな時間まで。


『ねぇ、なんで他の女の子とそんなに長く話すの?』


え・・・別に他愛ない話だよ?今日の天気とか、そういう程度の・・・

『どんな話をしたかは関係ないわ。私は怒ってるのよ。貴方が私以外の女の子と10分以上話していたのが、我慢できなかったのよ・・・』

えっ・・・・

『約束したでしょ?私だけしか見ないって。他の女の子と10分以上話さないって・・・・』

あぁ、約束はしたよ。確か、向日葵畑で佇んでいた君と仲良くなって、それで僕が好きだって言ったときに・・・OKしてくれて『好きならこれだけは守って』って言われて約束したような・・・

『そうよね?本当は他の女の子とは1秒たりとも話してほしくはなかったんだけど、それは貴方も困るでしょう?だから10分以内ってしてあげたのに・・・貴方、約束破ったわね。私とした約束、破った・・・・』

彼女の声は震えている。

『だから、貴方に、罰を与えようと思うの。私を裏切った罰を、与えようと思うの』

そう聞いた後、僕はすぐに押し倒された。彼女といつも共に寝ているベッドに・・・
そして彼女は僕に馬乗りになった。

えっ、何をす―

バキッ!!

一瞬何が起こったのかわからなかった。
しかし、頬に走る激痛で、僕は彼女に殴られたのだと理解した。

な・・・なんでなぐ―

ドカッ!!

そう言う間もなく、彼女の拳が振り下ろされる。
再び激痛が走る。

『なんで?貴方私約束するとき指きりしたでしょう?その中にこんな歌詞なかった?』

♪指きりげんまん 嘘ついたら針千本飲ます 指切った♪

あぁ、確かにそんな歌詞があるね・・・でもそれで・・・なぜ殴る必要が・・・?

『だって、指きりげんまんの げんまんっていうのは【拳骨で1万回殴る】っていうことなのよ。針千本飲ますのは勘弁してあげるとして、拳骨はしないとね。貴方に約束を守らせるために、心にも体にも分からせてあげないといけないじゃない?』

彼女は相変わらず微笑をたたえ、僕を見つめる。
僕は殴られた激痛で、彼女を見る目が涙目になっているだろう。
彼女はそんな僕の表情を知ってか知らずか。顔を少し上気させているのを感じた。

『でも、いくら人間の貴方のために手加減してるとは言え、1万回も殴ったらあなた死んじゃうでしょうねぇ?だから100回で勘弁してあげる。その代わり、1発1発に想いはこめるから、ちゃんと受け取ってね?』

そういうと、彼女は再び殴る姿勢に入る。
あぁ、僕が悪いのか。いくら自分勝手な彼女の愛でも、裏切ったから僕が悪いのか
これが惚れた男の心理というものなのだろうか?彼は感じていた。
僕は、自分の過ちを後悔するとともに、これから訪れる拷問にも等しい彼女の愛のムチを受け入れようと、目を閉じた。

どうも、325のレティヤンデレを書いた者です。
この幽香様のヤンデレは既出の作品である萃香ヤンデレのある作品に影響を受けてますね。分かる人は分かるでしょうか?
暇つぶしにでも読んでやってください。

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最終更新:2011年05月06日 02:36