「……行ったか?」
「みたいだ」
「そっか。いつも助かるよ、慧音ちゃん」
「……ちゃんづけは止めろと何度言えばわかるんだ。私の方が歳上なんだぞ?
いくら幼馴染でもそればっかりは認めない。
あと、玄関まで出ろとは言わないが寝室まで逃げ込むな、ここは私の家だぞ」
「俺よりでかくなったら止めると誓うよ。
……それにしても魔理沙の奴、しつこいったらないぜ」
「君達は相変わらずだな。そろそろ付き合ってやったらどうだ?」
「……始めの頃はそれもありかと考えたが、今は無理だよ。
家に仕事場、昼夜問わず押し掛けてくるんだ。俺の気がもたん」
「そうか。で、今日はどうするつもりだ?もうすぐ日も沈むが……」
「家に帰……っても張り込んでそうだな。いいや、野宿で」
「この時期に野宿なんて風邪を引いてしまうじゃないか!」
「やむなしだ。恐怖に怯えるよりはいい」
「……それならうちに泊まっていけばいいだろう?」
「いやいや、仮にも女の子の家に」
「寝室まで上がり込んで何を言うか。
それに部屋なら幾つか空きがあるし、君のことは信頼している。
何も問題はないさ」
「……そこまで言うなら、一泊だけ」
「了解した。先に居間で待っていてくれるか?
戸締まりしたら案内しよう」
「おっけ、助かる」
カチャリ
「戸締まりはこれでよし――ふふ、ふ。容易いな」
「一泊といわず、ずっと"留めて"あげるよ、○○」
最終更新:2011年05月06日 02:57