「もうどうやっても俺しかいないってなったら貰ってやるよ」

 軽い笑いと共に放たれた冗談。しかしその言葉は一人の少女に火を付けた!
 それから暫くの間、少女は幻想郷中でちょっとした――下手したらどんな異変よりも危険かもしれない――騒動を巻き起こし続け、ついには己の目的を達成したのであった。

「というわけで、幻想郷中の人妖にあますことなく求婚して振られたり即破局になったりしてきたわ!」
「…………は?」
「おお、凄い驚きっぷり。軽く腹八分目はあるわねぇ。
 あ、安心してね。誰にも一度足りとも指一本触れさせてないから。やらしい目で見てきた奴も“お話”して、穏便かつ自主的に別れて貰ったから」
「いや、というか、ええと、……なんだってそんなこと」
「これでもう私は貴方以外に相手がいなくなったの。言ってたよね? 俺しかいなくなったらって。
 だから、ね」


――結婚、しよ?

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最終更新:2011年05月06日 03:06