―博麗神社行方不明事件―
■発生
2XXX年 X月 XX日 正午頃
■概要
某県XX町へと旅行へ出かけていた○○氏と、恋人のマエリベリー・ハーンさんが旅館での目撃証言を最後に姿を消した事件。
両名ともに首都京都の大学に通う大学生。
二人はお互いに相対性精神学を専行しており、それをきっかけに知り合い、交際を始めたのだという。
マエリベリーさんは
秘封倶楽部というオカルトサークルに所属していたが、大学側の調べではまともな活動をした事のないサークルという証言しか得られず、
サークルメンバーからも有力な情報は得られなかったため、事件との関連性は薄いと思われた。
なお、秘封倶楽部とはマエリベリーさんともう一人の女性のみで構成されたサークルであった。
■捜査内容
最後の目撃者である旅館の従業員が「博麗神社のある入口を見にいく」というマエリベリーさんの言葉を聞いており、
当初は神社の近くの山で遭難しているのではないかと思われ、2週間にわたって山間部で大捜索が行われたが、ついに二人を見つけることはできなかった。
捜査が早期に打ち切られた背景には、季節が冬に移り変わり二次遭難の危険が高いと判断されたことも理由である。
(この周辺の山岳地帯には昔から神隠しに関する伝承が多く残されており、過去にも多くの遭難による行方不明者が神隠しという形で残ったと推測されている)
なお、マエリベリーさんの言った“博麗神社”は100年以上前に巫女も神主もいなくなっており、現在では訪れる者もいない廃墟となっている。
このことから『オカルトサークルとしてならともかく、恋人と訪れるには不自然な場所である』として、別の神社の名前と間違えたという説もあり、
現在でもこの事件を語る際の焦点の一つとなっている。
県警は「マエリベリーさんが事件にまきこまれたケースもありうる」として、
恋人の○○氏との痴情のもつれによるトラブルがあったのではないかとの仮説による捜査も平行して行っていたが、
結局、有力な手掛かりや事件解決に繋がるモノは得られなかった。
進展もなく、このまま事件は迷宮入りするのではないかと思われた。
しかし1ヵ月後、○○氏の自宅のパソコンと彼の友人の証言により、新たな仮説が浮上した。
○○氏は何者かによるストーカー被害を受けていたのだという。
彼は自分が男であるという理由から真面目に取り合ってもらえないかもしれないと警察には相談していなかったが、
高校時代からの友人数名にそのことを打ち明けていた。
後に○○氏の遺品を整理していた家族が○○氏のパソコン内に残された日記形式のメモを発見。
友人に話した相談内容と同じ悩みがそこに綴られていたことを確認。
ストーカー被害自体は半年ほどで収まったそうだが、後に驚くべき情報が判明する。
■新たな情報
○○氏の恋人であるマエリベリー・ハーンさんの自宅から、○○さんの部屋の合い鍵が大量に見つかった。
……無論、恋人関係にあったマエリベリーさんが○○さん宅の合い鍵を所持していること自体はおかしいことではない。
しかしそれと同時に、○○さんの物と思われる私物が大量に発見されたのだ。
中には買い物のレシートや公共料金の支払い請求書がファイルに整頓されたもの、捨てられた歯ブラシや割り箸を回収したとおぼしき物。
複数のチャック付きのビニール袋にはティッシュペーパーの塊や**入りのコンドームが入れられていた。
これらは後のDNA鑑定より○○氏本人のものと断定され、○○さんへのストーカー被害が収まった時期とマエリベリーさんが交際を始めた時期が同じことや、
その他の状況証拠からマエリベリーさんが○○氏との交際以前にストーカー行為を行っていたと判断された。
これ等の情報から捜査当局は方針を転換。
現在も新たな情報提供を呼びかけている。
――今日でも「博麗神社行方不明事件」の真相は、暴かれていない。
最終更新:2011年05月18日 00:45