■アクトトレーラー
いつもと同じ一日だった。
いつもと同じように、路地裏に死体が転がっていた。
死んだのは娼婦で、殺したのはヤクザ。
別に珍しくもない、2秒に一度はある話だ。
災厄の都市の、いつもと同じ一日。
けれど、その日は雨だった。
ひどく冷たい雨で――だからかもしれない
ひどく寂しい雨で――だからかもしれない
復讐なんて、その程度の理由で始まるのだろう。
娼婦が死んだ。優しい女だった。
別に珍しくもない、2秒に一度はある話だ。
けれど、その日は雨で、
クロームの心も、少しだけウェットになったのかもしれない。
トーキョーN◎VA The Detonation
「Raining Chrome」
雨の中、かくて運命の扉は開かれる。
■シナリオハンドアウト
①カタナ/殺し屋、元殺し屋など
シナリオコネ:リタ 推奨スート:クラブ
別に恋ってわけじゃない。
キミが行き倒れていたとき、リタは何も聞かずにキミを家に連れ帰って、手当や食事を与えてくれた。
そこには捨てられたドロイドやクローンペットが山のようにいて、キミもそれと同じようなものなのだろう。
だから――
別に恋ってわけじゃない。
キミはただ、他に行くところがなくて、その娼婦の部屋にいただけだ。ただ、それだけのことだ。
だから、リタという娼婦が殺されて。キミが復讐を誓ったのは、ただの義理だ。ただ――それだけのことなのだ。
②イヌ/ブラックハウンド機動捜査課
シナリオコネ:『カタナ』 推奨スート:クラブ
くだらない事件だ。レッドエリアに住む娼婦が殺された。ゲップが出るほどありふれた事件。ホシはサイコかヤクザか……どちらに してもブラックハウンドが出張るような事件じゃない。
しかし、娼婦のヤサにいた人物――『カタナ』に、キミの嗅覚が反応した。コイツは、ヤバイ。
これまでにキミが噛んできた最悪の殺し屋どもと同じ匂いが、そして、そいつらの誰とも違う匂いがする。
『カタナ』。こいつは絶対に何かやらかすはずだ。
③トーキー/フリーランス
シナリオコネ:ルイス・リムリック 推奨スート:クラブ
キミはベテランのトーキー、ルイスと組んで、ここ数ヶ月、河渡連合系ナンバー2の梨矢会(なしやかい)傘下、鬼梨組(きなしぐみ)の主催する殺人ショーのネタを追っていた。トーキョーN◎VAの“ネオン菊の息子たち”は強大かつ狡猾だ。相棒のルイスはヤクザの脅迫に屈し、この件から降りるという。
ストリートに君臨するヤクザに逆らおうとしたのが間違いだったのか……このままでは、連中の防壁を崩せそうにはない。何か、きっかけが必要だった。
■レギュレーション
- キャスト全員で、最低で1発、最高で12発の防御系神業が必要
- 《腹心》の神業? 使えませんよ
- 一応、RLの想定では全員で2~3発あればOKなはず
- 入手することで、敵の必殺神業が5発減るアイテムがある。あとがんばると中立になる敵がいる、かも
- ゲストの達成値はおおむね20台中盤~後半(自力で出せる範囲)
- ひとりだけ、ズバっと30を超えるゲストがいる
- キャストの経験点制限は特にありません。常時30overの達成値が出る、とかだと手応えがないかも、くらい
- 新規キャストの場合、このアクトでのみ有効な経験点100点を使用して作成してよいです。キャスト作成時に使い切ってください
- 作中の時間は「03年(D時代)」ですが、あまり気にしないでいい&装備の使用制限はありません
■特記事項
本シナリオには、性的、暴力的な、“ひどい”描写が含まれる。
15歳未満のプレイヤー、および、そういった描写に過度の不快感を覚えるプレイヤー、また、まったく不快感を覚えないキャストには向いていない。
▼各キャストについて
- カタナ :トレーラーを見れば分かるとおり、主役。カゲやカブトワリ、チャクラなどでも構わない。
野暮な注釈だが、別に恋でもいいですよ。
- イヌ :御堂茜や稲垣光平の忠実な部下、といった設定はお薦めしない。『カタナ』とは面識がなくてもよい。
- トーキー :リサーチ能力は高い方が望ましい。『カタナ』とは面識がなくてもよい。
■RLからの一言
はるか昔2004年に、『D』で最初に作った、プライベート用のシナリオです。
色々やりたい放題で、三人用だし、読み上げ部分は異様に長いし、しかも何度もあるし、でも「こんなシーンかっこいいよね!」という勢いが溢れていて、大好きなシナリオです。
自分以外でもけっこうRLしてくれた人がいたり、こんな風に「遊びたい」と言っていただけたり、幸運なシナリオだとも思います。
あとヒロインがかわいい。死んでるけど。
雨の日に始まる、ストリートの復讐譚。一緒に楽しめたらなによりです。
最終更新:2013年04月03日 22:53