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*安藤崇&ライダー ◆CKro7V0jEc  ──池袋。  この街には、悪い奴がいる。  悪い奴がいるから、悪い奴のせいで悲劇が生まれる。  その悲劇から、被害者の亡霊が想像され、今度は嫌な都市伝説が生まれる。  だから、悪い奴がいる事と都市伝説が生まれる事は最終的に直結する。  今回はその一例を話してみよう。  道路にピアノ線を張って事故を起こして楽しもうとする悪い若者たちがいて、それに引っかかって怪我をするライダーがいた。  ライダーの怪我は頻発した。  これはギロチンワイヤートラップというらしい。  怪我だけで済んだならまだ良い話で、中には運が悪くて、ギロチンみたいに首と命を吹っ飛ばしてしまうライダーがいる。  それがまた、最悪に運が悪い条件が重なっていないと発生しない。  バイクのスピードを出しすぎていた事、ピアノ線が丁度首のあたりに仕掛けられていた事、ハンドルをかなり強く握っていた事、首を鋼のように鍛えていなかった事。  そして、そんな悪条件での死亡に加え、もう一つの不幸を付け加えてできるのが都市伝説。  この場合、「首が吹っ飛んでも気づかなかった事」。  そのせいで、首のないライダーが走り続けてしまう事があるというのだ。  その亡霊が、今も池袋を走り続けている。  それが世に言う、首なしライダーで、今現在、この池袋にも頻出する都市伝説らしい。  なんでも、住民にとっては運の良い事に、それは、一部の人間の間では北欧人のようにナイスバディな女性だと騒がれているとか……。 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 【池袋ウエストゲートパーク×デュラララ!! in 聖杯戦争】  ……私、セルティ・ストゥルルソンは、まずある提案をしたい。  もし、誰か、私の今の心境をくみ取ってくれる人間がいるなら、この提案をぜひ受けてほしい。 「──フォォォォォォォォォォォォォォゥッッッ!!!!!!!!!!」  今日の今日まで、池袋で敵に回してはいけない人間のリストが住民たちに浸透していたと思う。  そこに、また約一名、別の人間の名前を付け加えたいと。  私は今、そう、提案したい。 「ん~っ♪ いいよ、いいよ、ライダーちゃん、乗ってるぬぇ~♪ もっと、ぶっ飛ばーしてー♪」  そいつは、首なし馬(シューター)で池袋の街を走っている私の真後ろに乗っている。  私は辛うじて、こいつの味方である為に、一緒にこうして楽しく二人乗りができるのだ。  そして、そいつは現在進行形で、一般の公道を130kmのスピードで走らせている私に、もっとぶっ飛ばせと歌っている。  周囲の人間が鳴らすクラクションも、随分と遠くを過ぎ去っていく。  万が一、手元が狂って不幸な事故が起きたら、即死亡。  私はともかく、彼は間違いなく、一歩間違えば死ぬ体だ。平和島静雄のように頑丈な体をしているわけじゃないし、私のような非人でもない。  彼は私の体に密着せず、上半身は空を掴んでいる。捕まらずに、上半身いっぱいに手を広げて風を感じて笑っている。  その声には、全く恐怖という物が籠っていない。震えてもいないし、調子がいつもと比べておかしいわけでもない。  自然に会話している時と全く同じに、こいつは風を感じ続けている。  ……ああ、このマスターがもし不慮の事故で死んでしまえば、私も消えてしまうのに。  だいたい、こいつは本心で聖杯を欲しているのだろうか。 「吾輩、仮面ライダーなり~♪ へん~しんっ!」  ……わからない。この男が、本物のバカなのか、それとも、これしきの事を恐怖と捉えない百戦錬磨の鉄の人間なのか。  正直、こいつと出会って、サーヴァントの私の方が混乱している。  冒頭で結構な尺を食って説明された「首なしライダー」の恐怖が、こうもあっさりと打ち破られてしまうなんて。  聞きたい。  こいつは、本当に昨日まで、魔術も幻獣もない世界に生きていた人間なのか……?  池袋で首なしライダーと恐れられた私を見て、あろう事か「バイクに乗せてほしいだっちゃ♪」と陳情するこの若者が、今日まで非現実のない世界に生きていた事を──それを私は、今も全く信じられない。 「ライダーパーンチ! アチョー! ほわたたたたたたたたたっ!! あたっ!!」 『コラッ、暴れるな!!』  車体が大きく傾いた。  こいつが後部で暴れているのだ。まるで子供のように、虚空を殴り続けていたらしい。  どうやら、こいつの目の前にはショッカーの戦闘員が山ほど湧いていたようだ。  ライダーキックをしなかったのは不幸中の幸いだ。 「はーい、すぅいましぇーん。吾輩、大人しく反省するナリ~♪」  ……こいつは、私たちがいたあの池袋の人間ではない。  私たちのいる池袋とは、また、≪別の時代の池袋≫の人間であり、また、こいつは私のマスターであり、また、こいつはその池袋においてキングだった男だ。  そこには≪黄巾賊≫はいなかったらしく、その池袋における黄色のカラーギャングは≪G-Boys≫と呼ばれているらしい。  彼は、その中のキング。  名前は安藤崇。年齢は二十代前半ほど。  私が出会った人間の中では一番平凡な名前だ。しかし、その人間性は平凡じゃない。  折原臨也と平和島静雄とサイモン・ブレジネフとこいつが並んだら、池袋は戦場になる。泣く子も、大人も、すたこら逃げるだろう。  ……デュラハンの私が言うのも何だが。  ちなみに、彼は、別に先述の三人のように、人間のそれを遥かに凌駕する戦闘能力があるわけではないらしい。  まあ、人間の中でも上位であるのは確かだが、「若者たちの喧嘩では負けない」という非常に泥臭い物で、臨也や静雄のように圧倒的な能力値を叩きだすのは不可能だ。  それでも、どうしても、彼は池袋の誰よりも狂っている人間な気がしてならない。  言動の中から感じる妙な余裕と幼さと狂気。それが全てを指し示している。  危険だ。────私も、そう感じる。  こういう奴は、敵にしたくない。 『キング。もう約束の二十分は経ったぞ』  私は、こういう約束で彼をこのシューターに乗せたのだ。  はっきり言って、何の理由もなく魔力を使用するなんてバカげていると思う。  まして、こいつは目を見張るほど強い魔力の持ち主じゃない。魔術師でも何でもないただの人間なのだ。  こうして、シューターに二十分も載せた理由は、「令呪使っちゃおうかな~」と言われたからだ。 「……あーーーー」  なんだ、その間は。延長するつもりか。 「……おっけーおっけー。そのままゆーっくりIWGPまで行って、降ろしてチョ~♪」  未練を断ち切るまでの時間も早い。  シューターは、この時点で既に140kmほど出していた。可哀想に、私の相棒。今回は体も心も疲れただろう。それは私もだ。  とにかく、私は、指示通り、ゆっくりと池袋西口公園に止まってキングを下ろした。彼は池袋西口公園の周囲を走っていたのだ。  結局、これが肝試しだというなら、私の方が肝が冷えていた。 『どういうつもりだ、キング。微々たるものとはいえ、宝具をこれだけ派手に使ったからには魔力が消費される』  こうして、マスターとの会話に限って、念話で手軽に意思疎通できるのは、やはり在り難い。  今まで、パソコンや携帯やPDAを使って他人に意思を伝えてきたが、そういう面倒さとは主従間においてだけは、全く無縁になっている。  まあ、サーヴァントがPDAで、「お前が私のマスターか」と聞いてマスターとファーストコンタクトを取るのは恰好がつかないせいもあるだろう。 「だってぇ、バイクでブッ飛ばしたかったんだむぉん」 『やっぱり、それだけの理由か……』  呆れる。 「それに、やっぱり首なしライダーと2ケツして伝説になりたいでしょ~♪ それでこそ池袋のKINGでしょ、俺たちの世界にはそんなのいないし~」 『……』  私は、「絶句」を覚えた。  そういえば、「絶句」するのは久々だ。普段は口を利けないんだから、絶句もできない。 「で、ライダーちゃん。聖杯ってさぁ、やっぱり人を殺さないと手に入らないのぉ?」  いきなりここまで核心の話題に戻るか。 『……ああ。聖杯を得るには、他のサーヴァントを抹殺していく必要がある』 「じゃあ、パス」  キングは即答する。  こいつ、なれなれしくも興味本位で私のシューターを触って、こっちを向きもせずに興味なさそうに答えている。  しかし、こいつの考えている事はわからない。何故、聖杯を得ようとしないのか。  私は、すぐにシューターを消して、言った。 『……お前たちは、悪い事をする奴らじゃないのか』 「俺たちは悪い事はするけど、カッコ悪い事はしないの~」  シューターが消えて、つまらなそうに、小石を蹴っていじけるふりをしながらそう言う。 『カッコ悪い事っていうのは誰が決めるんだ』 「オ・レ♪ まあ、カッコ悪い事する奴らは、こっちがついブッ殺しちゃうかもしれないけど」  やはり、ただの善良な市民というわけでもなさそうなのが感じられる。  不良の番長なだけあって、やはり考え方は物騒だ。 『サーヴァントは英霊だ。私のように生きたまま連れて来られる奴もいるが、多くは死を経験している。また召喚される事もある』 「あのさ~、ここにいる英霊のライダーちゃんは別にカッコ悪い奴じゃないでしょ~。ライダーみたいな奴を殺すのはイヤ~ンなの~、走っててそう思ったのよ~ん」 『……』  今度は、つい感動の絶句をしてしまった。  ……いけない。  このまま絶句に慣れていくと、マスターに対してもまた口が利けなくなってしまう。 「ん? つーか、ライダー、首ないっ!! ヘルメットの中、首入ってないじゃんっ!! なんだ、怖ぇっ!! 超怖ぇっ!!!!」  今更?  ……っていうか、さっき首なしライダーって言ってたじゃないか! 「……なーんて、嘘ぴょーん。ライダー、全然怖くなーいよーん」  屈託のない笑顔をこちらに向けてくるキング。  こいつの一番怖いのはこの屈託のない笑顔だ。まるで、幼児のように邪心がないが、だからこそ、裏がありそうな気がしてしまう。  ……まあいい。  私も、このマスターをどうすればいいのか、正直言えば持て余すのではないかと心配だったが、そこはこのキングの方が調整できるのではないかと思い始めていた。  彼は身体は「普通」であっても、精神的に、もはや「異常」ともいえる領域に入っている。  私は対象的に、精神的には「普通」、身体的には「異常」だ。  双方で双方の何かを補える関係というのは、いかにも良質なコンビとなりえるだろう。  物怖じせずに私に話しかけてくる人間というのも、実に好意的に受け取れる。……色んな人に恐れられてきた私には。 『なあ、キング。……一つだけ、聞きたい事がある』 「なぁにぃ~?」 『呼び方だが、どうしても「キング」でなければ駄目なのか?』 「ダメェ~」 【クラス】 ライダー 【真名】 セルティ・ストゥルルソン@デュラララ! 【パラメーター】 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具D 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 対魔力:E  魔術に対する守り。  無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。 騎乗:A+  騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし、竜種は該当しない。 【保有スキル】 神性:D  神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。  「粛清防御」と呼ばれる特殊な防御値をランク分だけ削減する効果がある。また、「菩提樹の悟り」「信仰の加護」といったスキルを打ち破る。 【宝具】 『首なし馬(シューター)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大補足:1人  ライダーが騎乗している「コシュタ・バワー」と呼ばれる首なし馬。  本来は馬車の姿をしているが、現代日本に順応させる為にその姿をバイクに変身させている。馬車の姿や馬の姿に戻す事も可能。  壁を走る事もできる。 『変幻自在の影(スパイダー・シルク・シャドウ)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大補足:1~99人  ライダーを覆っている黒い影。変幻自在であり、鎌や盾に変形させて運用させる事ができる。  糸として発現した際には、数十キロメートルまで伸びており、規模や強度も含めて変幻自在である。 【weapon】   PDA 【人物背景】  池袋の都市伝説「首なしライダー」。猫耳のヘルメットに、漆黒のライダースーツを纏っており、ヘルメットを脱ぐと首がない。  その正体は、デュラハンと呼ばれる欧州の妖精の一種である。しかし、20年前、アイルランドで自分の頭部を盗まれた為、記憶の所々が欠落している。  性格は至って常識人であり、お人よしで礼儀正しい現代っ子。インターネットやDVD鑑賞が趣味で、ホラーや宇宙人が苦手。  首がないため言葉を発する事はできず、普段はPDAを使って会話するが、今回はマスターとの間だけは念話で会話可能。 【サーヴァントとしての願い】  不明。 【方針】  マスターに従う。 【マスター】 安藤崇(キング)@ドラマ版池袋ウエストゲートパーク 【マスターとしての願い】  不明。 【weapon】  なし 【能力・技能】  池袋の若者では最強の男。  カラーギャング「G-Boys」をまとめ上げる高いカリスマ性を持っており、残忍かつ強力な暴力を容赦なく振るう。 【人物背景】  池袋を騒がせるカラーギャング集団「G-Boys」のキング。  飄々としてトリッキーな言動が多く、時には語尾に「~ナリ」や「~だっちゃ」といった言葉をつける。  一見すると幼く純粋で素直なようだが、実際は凶暴で猟奇的でサディスティックな性格でもある。  仲間や子供に対してはおおよそ優しく接しているので、余程の事がない限りは、彼の機嫌を保つ事ができるだろう。  しかし、裏切り者や「カッコ悪い事をする奴」、自分にとって気に食わない相手には、指をハサミで裁断する、ナイフで鼻の中心を切り裂いて鼻の穴をつなげる…といった拷問を行っており、その狂気が現れている。  また、仲間が殺された際には普段の余裕をなくして冷徹で凶暴な口調になった事もある。  主人公・真島誠の高校時代の同級生であり、今も親しい。高校までは気弱な少年だったらしい。  原作小説や漫画に出てくるキングとは全くの別人。 【方針】  不明(基本的には気まぐれ)。

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