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三者択二のプレギエーラ ◆T9Gw6qZZpg


 相対的判断などどうでも良かった。紅莉栖もまゆりも、死なせたくなかった。
 紅莉栖だけが生き残るα世界線。まゆりだけが生き残るβ世界線。終着点は片方のみの、二者択一。
 どちらも嫌だった。片方だけでも切り捨てるべきなんて認めたくなかった。
 既に二人とも、岡部倫太郎にとってかけがえのない存在となっていたから。

 だから、再び足掻き始めた。β世界線に行くことなく二人を死なせない可能性は無いかと探し求めて。
 たとえ馬鹿だと見放されても構わずに、時間を何回も何十回も何百回も繰り返して。
 そして、その悉くは無駄に終わった。まゆりは何回も何十回も何百回も、死んだ。
 それでも立ち止まれはしなかった。

 いつしか、自分の中から欠落が始まっていた。
 ふと気が付けば、まゆりが死んだ瞬間に「さて次はどんな方法を試そうか」などと理性が冷静に判断するようになっていた。
 あれほど大切に想っていたまゆりの死を何回も目の当たりにしておきながら、否、辟易するほど経験しているからこそ、死さえも機械的に受け止めるようになっていたのだ。
 抜け落ちていく、欠けていく……狂っていく。人としてのまともな感覚が失われていく。
 それを自覚してなお、諦めるなんて道を選べなかった。

 足掻き続けて。繰り返し続けて。決断の責任から逃げ続けて。
 無意味と分かり切っている旅路を往き続け、ひたすらに精神を摩耗させるだけ。
 「偶然」は、そんな岡部にまたも転機を、第三の可能性を齎した。
 0から永く不変であり続けた、ダイバージェンスメーターの示す世界線変動率の一桁目。
 ある時それが示したのは0ではなく、しかし1でもなく――6。

 此度の「偶然」が引き起こしたのは、求めた覚えの無い全く以て未知の世界線。
 何がどうしてこうなったか。そんなことはどうでもいい。
 とにかく、紅莉栖とまゆりの安否だけが重要だった。彼女達のどちらが生きどちらが死ぬか、どちらも生きるかどちらも死ぬか。
 せめてその事実だけでも速やかに確かめねばと、この世界線では何をどうやり直せばいいのかと岡部は駆け出した。

 そして幾ばくかの時を経て、ふと彼の視界に収められたのは紅。
 何十何百と見慣れた死の証明としての紅ではない。色だけは同じ、闇一辺倒の空に毒々しく輝く紅の月。
 決して有り得ないはずの鮮血色の満月を、この時の彼の瞳は「偶然」捉えてしまったのだ。

 長い長い世界線漂流の中で、願いを叶える紅い月の噂を聞いたことならあった。
 その時は根も葉もない妄言だと感じ、しかし万に一つの可能性を考え、藁にも縋る思いで噂を真実に出来ないかと動き、当然無駄骨に終わった。
 それきり、紅い月の件は無意味な選択肢としてとうの昔に切り捨てた。

 なのに、今になってあの輝きは眼前に放たれている。
 α世界線では決して拝むことの出来なかった奇跡が、未知の世界線の空の中で顕在している。

 まさか。まさか、この世界線が――



 秋葉原という街は、たとえ夜を迎えても静謐さを見せない。
 昼夜を問わず営業する雑貨店やら飲食店が看板を光らせ、巷を騒がすアニメの絵面が電光掲示板の中で自己主張をする。
 秋葉原の夜景の中で氾濫する虹色の光は、彼か彼女が少し目線を下げさえすればその瞳に暴力的に突き刺さる。
 しかし、彼も彼女も見下ろさない。
 雑居ビルの屋上で冷えたコンクリートの上に立ち、静かに各々の視線の先のただ一つに集中していた。
 彼女が見上げる視線の先は夜空。
 彼が見つめる視線の先には彼女。
 二人はただただ、見続けていた。

「お前が俺のサーヴァント……ということで、合っているのか?」

 意を決したように語りかけた岡部の声は、少女の耳には届かなかったようだ。
 いや、届いてはいるのだろうが、相応しい返答が無いのでは聞こえなかったのと同じだ。
 何事も無かったかのように空を注視する少女の身体を、弱く柔らかい風が撫でた。
 靡いた桃色の長髪の隙間から見えたのは、首筋に刻まれた小さな赤い紋章。
 それは一見ごく普通のうら若い乙女でしかない少女が、阿修羅の如く戦乱を勝ち抜いた舞姫である証明であった。
 少女の顔つきに残されたあどけなさはまゆりを思わせて、さらさらと柔らかく揺れている伸びやかな長髪は紅莉栖を想起させて。
 しかし英霊たる少女は庇護されるべきあの二人と違い、心を狂気に染めたバーサーカーである。

「……なあ」

 彼女は英霊として何を望むのか。
 なぜ夜空を、満月をずっと見上げているのか。
 今も輝き続けるあの星の紅に、輪郭に、何を思っているのか。
 バーサーカーは、何も語らない。
 声の無いバーサーカーの代わりとばかりに、みゅー、とその両腕の中で鳴いたのは、猫とも狐ともつかない小動物だ。
 彼……と呼んで良いのか不明だが。優しく抱かれ身を縮こまらせる彼ならば、バーサーカーの胸の内を理解できているのだろうか。
 結局、それさえ岡部は理解できていなかった。

「……俺には、救いたい人間が二人いる。一人だけなんて選びたくない、両方を救いたいんだ」

 一方的に、岡部は語り始める。胸の中に溜め込んだ物を吐き出し始める
 耳を傾けられないとしても、岡部はバーサーカーに伝えなければならなかった。

「そのためだったら、俺は他の第三者の願いだって踏み超える。いや、今に至るまでとっくに何人も切り捨ててきた……今更、引き下がれない」

 積み重ねた思い出を消し去った。家族との幸せも奪った。一生の恋心だって無下にした。
 そして今岡部は他者の抱く願いを、それだけでなく命さえ手に掛ける。
 これまでと全く毛色の異なる行為であっても、手を染める覚悟なら、既に、

「お前はどう思う? 俺が、ここで誰かを討てと言ったら、お前は……っ」

 バーサーカーは、やはり応えてくれなかった。
 ただ、岡部の姿をまじまじと見つめ始めるだけ。


 彼女の有様にいよいよ痺れを切らした岡部は、つかつかと歩み寄りバーサーカーの両肩を掴む。
 そのままぐいぐいと揺らせば、バーサーカーの首は前後に揺れる。
 か弱い少女に乱暴するなどと、この場に紅莉栖かまゆりが居れば間違いなく声を上げて怒るだろう。
 構わなかった。誰の非難を浴びようと、今は声が聴きたかった
 女の子二人救えない無力な岡部に、最後の一線を越えるための一押しが為されるか否か確かめなければならないから。

「応えてくれよ」

 岡部倫太郎は、紛れもなく弱者だ。此度の戦争で勝ち残るためには、バーサーカーに何もかも負担させねばならないほどに。
 英霊でありサーヴァントであるならば彼女が最前線に身を投じるのは当然。しかしその常識を前にしながら、岡部の心は軋む。
 バーサーカーの姿が畜生の如き異形ではなく、ただの少女であるがために。
 目の前で佇んでいるのが、まゆりのような紅莉栖のような少女。
 今から岡部は、その彼女に浴びるほどの血を流させるのだ。
 魔力の提供をするとは言えど、当の自分自身には極力危険が及ばぬようにしながら、である。
 自己嫌悪で反吐が出そうになるような真似を、しかし為さねば何も勝ち取れやしない。

「お前は、俺と戦えるのか……!?」

 バーサーカーは物言わず岡部の従者たるのか、有無も言わさず岡部を愚かと断ずるのか。
 バーサーカーは岡部の味方なのか、真の意味では敵なのか。
 岡部には、彼女を知らねばならない責務がある。

 そして。もしもバーサーカーが岡部の願望を嫌い、悲しむようであったなら。
 その時岡部は、岡部の何に代えても叶えたい願いは、祈りは――

「俺はっ……どうするんだよ……!?」

 絞り出すように、岡部は少女へと詰問する。
 怒るように。縋るように。嘆くように。
 これが決断する最初のステップにして、撤回する最後のチャンス。
 彼女の一言で、全てが決まるのに。

――お兄ちゃん。

 その瞬間のことだった。
 バーサーカーの口が、いよいよ開かれた。
 兄、と確かに誰か呼んだ。岡部のことを呼んだのか。はたまた此処にいない誰かを想ってか。
 その真相を確かめられないかと、吐息がかかりそうな距離まで顔を覗き込む。

――お父さん。
――碧ちゃん。
――舞衣ちゃん。

 次々と唱えられた名は、きっとバーサーカーのかつての知人なのだろう。
 父は彼女の親であり、それ以外の名前が指すのは姉妹か、あるいは友人か。
 先程呼ばれた兄の名は、やはり彼女にとっての知己の人物だったのだろう。
 ぼそぼそと動いていたバーサーカーの口は、一度ぴたりと止まる。
 岡部の瞳と、空虚なバーサーカーの瞳が今また交錯した。

――ごめんなさい。

 瞳を仄かに潤ませ、揺らしながら。
 今にも途切れてしまいそうなほど小さく、か細い声で。
 バーサーカーは、謝罪の言葉を吐き出した。

「――……お前は、」

――私、頑張るから。

 そして紡がれたのは。弱々しくも、強い決意の表明。



 嗚呼。そうか。そういうことか。
 だから、岡部の下へ召喚されたのはバーサーカーだったのか。

 想う人々の名前。零された贖罪。決意。
 一つ一つを連ねたところで、理論的に解答を導くには情報量が到底足りない。
 それでも、岡部は確信すら持てる気がした。

 誰かを切り捨てざるを得なかった悔恨。取り戻したい過去。
 他者の望みをまた切り捨て、自らの正気すら捨ててまで、再び戦う覚悟を固めてしまった彼女。
 それ故の狂気。大切な人々のためだけの、狂気。
 儚げな顔は、どうしようもなく似ていると思えた。

 きっと彼女は、ほんの少しだけ未来の彼だから。

「……ふっ、ふフッ」

 直感する。今こそ、仮面の狂人の出番なのだと。

「…………フウゥウウーーーハハッハハハハハァッ!!」

 大仰に両腕を振りかぶり、馬鹿みたいな大声で高らかに笑う。
 可笑しくて自然に笑えてくるのではない、彼女に意思を示すために自ら笑うのだ。

「バーサーカーよ、今理解したぞ。貴様はこの俺、狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真と覇道を共に往くに値する存在だ! 故に! 聖杯に至るまでの旅路、貴様にも同行を命じる、拒否は認めん!」

 びし、とバーサーカーを指差す時も、極めて尊大な自分を演出する。
 本来の性分を覆い隠した鳳凰院凶真として、名乗りを上げてみせる。
 勿論、こんなものは妄想だ。ただの設定だ。
 それでも、あの雨の日から今この瞬間までの岡部倫太郎を培ってきた、紛れも無い自己の一部。
 そして聖杯戦争に臨むに相応しい人格は、狂気に満ちたこちら側。
 バーサーカーが狂気を武器とするなら、自らもまた仮初でも狂気に身を委ねるのだ。


「だが忘れるな。貴様の抱く願いが聖杯によって叶えられたとして、それはマスターたる俺から恵まれだ褒美に過ぎない。そう、全ては俺の命令。誰の祈りが摘み取られ、誰の祈りが叶えられたとしても、全てがこの俺が引き起こしたものであると心得よ……貴様の犯す罪は、まず俺の罪なのだとな!」

 鳳凰院の仮面を被り、エゴを貫くためにこれから他者を踏み台にする。
 その口でバーサーカーに人殺しを命じ、設定ではない本物の狂人の所業に手を染める。
 到底、ラボメン達には見せられないような姿。だが、構うものか。
 二人の少女を生かすと決めたのだ。そのための犠牲ならいくらでも払うし、ラボに居場所が無くなるというなら安いものだと受け止める。

 そう。真に道を外す人間など、紅莉栖にもまゆりにもラボメン達にも似つかわしくない。
 故に、バーサーカーこそ岡部の仲間。ラボメンナンバーを持たない彼女だけが、今の岡部の唯一の味方。
 たとえ口先だけでしか実現できないとしても、二人は共犯者であろうではないか。

「見せてもらうぞバーサーカー。貴様が正気と引き換えに得た実力、宝具、そしてその意志を貫く気高い雄姿を……! そして共に聖杯を掴み取り、俺達の愛する者達を奇跡に満ちた理想郷……運命石の扉(シュタインズゲート)へと誘ってやろうではないか! フゥーーハハ、ハハハハハァッッ!!」

 宣誓は済んだ。腹は括った。
 これを以て戦争が始まり、前哨代わりに天を仰いで岡部は嗤う。
 紅莉栖とまゆりのための、二人以外を切り捨てるための戦争が始まる。
 苦痛だって、困難だってあるだろう。きっと、罪悪感も抱くだろう。

 それでも。彼女達の笑顔だけは、救ってみせる。
 岡部倫太郎の、全てに代えて。



 天上に凛然と存在するのは、かの媛星にも似た紅く強く輝く月。
 彼女が此の地に召された理由は、宛らあの惨い殺し合いの儀式の再現。
 滲む、視界。

 かつて恋い焦がれた一人のために、それ以外の愛も情けも塵屑のように切り伏せた。
 そんな二者択一など、望んだわけじゃなかったのに。
 選ばなければ何もかも終わっていたからと言い訳して、片方の選択肢を選び取り残りを捨てた自分に、悔いなど無いわけがなかった。
 真っ当な生を捨て、英霊の如き存在に成り果てたのは贖罪のため。素知らぬ顔で続く未来を生き抜くなど、脆い心で耐えられるわけがなかったから。
 最後の一人となった姫巫女の逸話は貴く尊い英雄譚などではなく、紐解けばこんなもの。気弱な少女が一人、罪深さに押し潰されたというだけの話。
 狂気に呑まれながら、哀しいほどに彼女は正気だったから。

 あの日選んだ一人と選ばなかった大勢を、もしも両方とも選べていたならば。
 聖杯は、そんな我儘であり祈りである想いにも成就の機会を齎した。
 ただし代償は、再びの戦。
 かつて涙を流させた全ての人達のため、またそれ以外の誰かの想いを踏みにじらねばならない宿命。
 二者択一を嘆いたが故に、新たに示された三者択二の道。
 矛盾している。意味が無い。これこそただの二の舞だ。
 それでも、悲しませると分かっていても、彼女は奇跡に縋らずにはいられなかった。
 悲しませた親しき者達の顔が、脳裏に焼き付いてしまっていたから。

 そして彼女が不幸にして幸福だったのは、主人(マスター)となった男が彼女に近い願いを持っていたこと。
 自らの引き起こした災厄を贖うため、大切な二者のどちらも切り捨てないため。
 似た境遇は共感を呼び、そして第三者を切り捨てる覚悟を生んでしまった。
 共に堕ち往くと言ってくれた安堵は、一歩を踏み出させるに十分であったから。

 岡部倫太郎が、ひたすらに嗤い続ける。
 大袈裟で、高圧的で、それでいてどこか痛ましくもある彼の姿は、どこか似ていると。微かに残る正気で、バーサーカーは思っていた。

 誘われるように、バーサーカーの口元が薄く、儚く、哀しく――笑った。




【マスター】
岡部倫太郎@STEINS;GATE

【マスターとしての願い】
紅莉栖もまゆりも死なない世界線に到達する。

【weapon】
  • 携帯電話
ごく普通の携帯電話。「機関」について同志と話すための必須アイテム。

【能力・技能】
インドア派の大学生であり、身体能力は一般的な男性を下回る。
  • 運命探知(リーディングシュタイナー)
世界線を移動した際、移動前の世界線における過去の記憶を完全に引き継げる。
しかし、その代わりに移動後の世界線での過去の記憶は全く引き継げない。

【人物背景】
秋葉原の東京電機大学に通う大学生。常に白衣を着用している。
重度の厨二病患者で、狂気のマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」を自称している。
普段の尊大な振る舞いによって誤解を招いているが、根はお人好しかつ仲間想いでヘタレ。
とある雑居ビルに「未来ガジェット研究所」というサークルを設立し、サークルのメンバー、通称ラボメンとして迎え入れた友人達と共に発明活動に勤しんでいる。
ある日、偶然にも過去の時間に送信できるメール「Dメール」を発見し、これを研究していき時間跳躍(タイムリープ)の技術を得た。
しかし、岡部はそのDメールを切欠に世界線が幼馴染の椎名まゆりの死という運命が確定したα世界線に至っていたと知る。
その運命を覆すためにタイムリープを駆使して世界線を本来のβ世界線に戻そうとするが、到達直前になってβ世界線が仲間である牧瀬紅莉栖の死ぬ世界線であると知る。
紅莉栖とまゆりのどちらを見捨てることも出来ず、岡部はα世界線で無意味なタイプリープを繰り返し続けた。
本来ならこの後に一つの決断をするのだが、ここでは割愛する。

【方針】
聖杯を手に入れる。




【CLASS】
バーサーカー

【真名】
天河朔夜@舞-HiME 運命の系統樹

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷D 魔力C 幸運E 宝具B

【属性】
中立・狂

【クラススキル】
  • 狂化:D
身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。
Dランクでは筋力と耐久が上昇するが、言語機能が単純化し、複雑な思考を長時間続けることが困難になる。

【保有スキル】
  • 戦闘続行:C
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命的な傷を受けない限り生き延びる。
  • HiME:A
かつての星詠の舞と呼ばれる儀式における姫巫女達の戦いをスキル化したもの。
星詠の舞が擬似的に再現されたと見なされる状況に置かれる時、即ち「使い魔あるいはそれに類する存在を使役する女性」と対峙する時、ステータスが上昇する。
(例:「使い魔を使役する女性サーヴァント」「サーヴァントを従える女性マスター」等)
加えて、対峙した女性が戦いへ懸ける感情を「特定個人への愛情(恋愛に限らず、家族愛や友愛等も含む)」であると認識した時は更に上昇する。
後述の宝具が破壊された場合、このスキルは消滅する。

【宝具】
  • 『月夜の風に悲恋を詠みて(ツキヨミ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:5人
バーサーカーが星詠の舞にて召喚したチャイルド(=HiMEの想いの力によって具現化した魔獣)が宝具と化した。
巨大な狐型の獣であり、爪による斬撃や翼によって発生させる突風を主な武器とする。
バーサーカーが星詠の舞で挙げた戦果の殆どがチャイルドとの連携によるものだったこともあり、戦闘の際にはほぼ必ずこの宝具が解放される。
チャイルドの特性の再現として、スキル「HiME」が有効となった場面で相手の使役する存在を倒す度にその魔力を吸収し宝具としての性能を上昇させていく。
非戦闘時には肉体を小型化させた状態で具現化しているが、この時の魔力消費は極めて少量で事足りる。

【weapon】
  • 紅月鎌(こうげつれん)
エレメント(=HiME固有の武具)として使用する紅い大鎌。
破壊されても少量の魔力で再生成可能。ただし装備できるのは一度に一振りのみ。
宝具が破壊された場合はその時点で消滅し、再生成も不可能となる。

【人物背景】
私立風華学園高等部1年に所属する高校生。
風華町で暮らすごく普通の少女。性格は自分に素直で行動的、そしてやや天然気味。
学園の友人達や恋い慕う高村恭司に囲まれ、幸せな日々が穏やかに、楽しく過ぎゆくはずだった。
星詠の舞と呼ばれる儀式のはじまりを告げられる、その時までは。
300年に一度地球に衝突せんと迫る媛星を再び宇宙に還すために行われる、12人のHiME達の戦い。
想い人を触媒として生まれたチャイルド同士を殺し合わせ、最後の一人を決めねばならない運命。
それは、愛故の戦いの物語。
朔夜はこの運命を避けられないかと努めるも、想い人である高村の喪失への恐怖に打ち勝つ意志は持てず、かと言って愛に殉じ全てを割り切る強さを持つこともできなかった。
結局は他のHiME達を倒し、罪悪感と共に最後のHiMEとして勝ち残る結末を辿る。
そして最後に朔夜が望んだのは、媛星を還す際にHiMEを封印することで副次的に得られるエネルギーを使っての、自らが傷付けた人々への贖罪だった。
朔夜を哀れんだ想い人の高村が望んで共に封印されたことをせめてもの救いとして、天河朔夜の物語は幕を閉じた。はずだった。
聖杯戦争のはじまりを告げられる、その時までは。

【サーヴァントとしての願い】
傷付けて、死なせて、悲しませた皆への償いを。

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最終更新:2015年01月16日 10:55