上田次郎&キャスター ◆CKro7V0jEc
東京の街を、二人の若い男女がふらふら歩いている。
右脇では緑の壊れたトヨタ・パブリカが二人の歩く速度に合わせて自走している。
デカい男の名は、上田次郎。日本科学技術大学の物理学教授である。
もう一方の貧乳の女の名は、山田奈緒子。自称・天才美人マジシャンという胡散臭い肩書きの貧乳である。
二人は、今回の「聖杯戦争事件」を解決して、とぼとぼと家に帰っていた。
事件を解決しても、世間は冷たいもので、二人に見送り一つよこさない。
しかし、普段は果てしなく遠い辺境の村から東京に向かうのに対して、「聖杯戦争事件」は都内の事件なので、比較的距離が短く、いつもに比べて苦労はなかった。
その代り、上田と山田の談笑の時間も必然的に短くなった。
「いやぁ、しかし、今回の聖杯戦争事件は大変だったな……You」
「何が『大変だったな』だ……お前は何もしてないじゃないか!」
「実は、私は自分に催眠をかけて、夢世界で夢魔とこう、ハァッ!! デヤァッ!! ヘァァァァァァァッッ!!!!!!! と戦っていたんだ」
「気絶してただけじゃないか!!」
二人は、巷で噂の「紅い月」と「聖杯戦争事件」が霊能力者によるインチキであった事を暴露した後であった。
上田としても、最初から赤い月やら聖杯戦争やらはまっっっっっったく、これっぽっちも信じていないので、わざわざインチキだと証明しに行く必要もないはずだった。
しかし、上田の歴代の著書を全て読んだ人間が、「娘が聖杯戦争に行ったきり帰って来ない」と泣きついて来てしまえば断る事ができないお人よしな上田なのである。
今回もそうした経緯で、聖杯戦争サークルに乗りこみ、「聖杯戦争なんてインチキだ!これには何かトリックがある!」と高らかに叫ぶに至った。
……とはいえ、その時は珍しく、数千円の金を積んでも第6256番助手の山田奈緒子の協力を得る事ができず、困っていた。その日の山田は、まるで100万円のギャラの仕事にありつけたかのようにご機嫌だったのである。
心細く、気が重かった上田が、いざ「英霊」を呼び出す段階に来ると、そこにいたのは、「キャスター・山村貞子」と名を変えた山田だった。これで流石に上田も聖杯戦争が嘘であると気づいた。
山田は、ここでサーヴァントの短期バイトをして、インチキを手伝っていたのである。その額は、やはりと言うべきか、100万円だった。
それから、ついでのように殺人事件が発生し、矢部がそこに居合わせ、それを上田と山田で解決し、こうして帰路についている。
「フン……だいたい、100万円ぽっちでよくまあ、ああもがめつくインチキの手伝いができるものだ。そこまで困窮しているのか、Youは」
「しょ、しょうがないじゃないですか! あのままだと家賃も払えないし……」
「祟りじゃ~~~~~」
「言うな!!」
「何が『祟りじゃ~~~~~』だ! あれは貞子じゃなくて八墓村だろッ。あれじゃあこの私じゃなくても気づくのに時間はかからないだろう」
「いや、だからあれは!!」
山田は、キャスター・山村貞子として最初に現れた時、長い髪を真下に垂らしながら、「祟りじゃ~~~~~」などと奇声を発していたのである。
これが山田でなければ、光の中から現れたとしか思えないサーヴァントの姿に上田も気絶していたかもしれない。
今回の事件で実際に気絶したのはその後である。
「……あ、そうだ。上田さん。そういえば、あの時、一体私に何を言おうとしたんですか?」
唐突に、山田がそう切りだす。
今回の事件でも、二人が絶体絶命のピンチに陥った時、「この際だ……君に大切な事を言っておきたい」と上田が言いだしたのである。それを山田は唐突に思い出したのだ。
そこから先、何やかんやの機転で助かったせいで、何を言おうとしたのかは聞きそびれてしまった。
それを訊かれると、急に上田はしどろもどろになる。できればあのまま有耶無耶になってほしかったのだろう。
「あれはだな……そう、君は貧乳だ、それも超ド級の貧乳だ、とな」
「嘘をつけ! 私はその、超ド級というほどではなくてだな……」
「それよりYou、君も何か大事な事を言いそびれてるんじゃないか」
「……え? 何ですか?」
「今……9……」
「え?」
「今夜……9時……」
「ああ! そうだ! 大事な連絡って、めちゃくちゃ大事な事じゃないですか!」
「ハイ、今夜9時より、仲間由紀恵そっくりな天才美人マジシャン・山田奈緒子と」
「阿部寛そっくりな天才イケメン物理学者・上田次郎が、トリック史上最高のインチキ超能力を暴く、『トリック劇場版-ラストステージ-』がテレビ朝日系『日曜洋画劇場』で放送されます」
「地上波初登場だ……。上田、ちゃんとハンカチを用意しておくんだぞ」
「フン……今回は泣かないぞ。花京院の魂を賭けてもいい」
「そう言って毎回泣いてるじゃないか」
「それは、君の貧乳が可哀想で思わず同情して……」
お見逃しなく!!
【クラス】
キャスター
【真名】
山村貞子(山田奈緒子)@TRICK
【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具E
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
陣地作成:E
魔術師として有利な陣地を作り上げる技能。無理。
道具作成:E
魔力を帯びた道具を作成できる。だが山田には無理。
【保有スキル】
手品:E
インチキ手品を披露する。
あまり人を惹きつける事ができない。
乳:A-
このスキルのランクはAに近ければ近いほど女性的魅力が減っていく。
【宝具】
『本物の霊能力者』
ランク:? 種別:? レンジ:? 最大補足:?
散々伏線として出てきた「本物の霊能力者」とは何なのか?
その正体は今夜、明らかになる……。
【Wepon】
不明
【人物背景】
今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに!
【願い】
金ほしい(生還済)。
【マスター】
上田次郎@TRICK
【マスターとしての願い】
今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに!
【能力・技能】
今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに!
【人物背景】
今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに!
【方針】
今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに!
※この作品は2015年1月25日に投下されました。
最終更新:2015年01月25日 10:45