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バルバトス&セイバー ◆p52EXgvrnE

男が立っていた。そう、立っているだけだ。
だというのに。男が放つ途方も無い威圧感は、それだけで男が常人ではないと確信し得るものだった。
要塞の如き屈強な肉体。鋭い眼光。手に持つ禍々しき戦斧。
男は此度の聖杯戦争にて召喚されたサーヴァントだろうか? 答えは否。
男の眼前に描かれた魔法陣と、手の甲に走る令呪。
屈強なる戦士であると同時に優れた術士でもある男は、此度の聖杯戦争にはマスターとして招かれていた。

かつて英雄に比肩しうる力を持ちながら強者との戦いを求めるあまりに軍を裏切り、宿敵との戦いに敗れ。
その果てに、ついぞ男は英雄と呼ばれること叶わぬまま処刑の日を迎える。
処刑台に上がりながら、男は空を見上げた。
天に蓋をするように広がる大地、そこに空いた隙間に髑髏めいた月が笑っていた。
赤い赤い、満月だった。

かくして男は赤き月に誘われ、この地へと降り立つこととなる。
英雄集う戦争。男の望んだ舞台。しかし、聖杯の裁定は残酷であった。
男の役割、それは英霊――サーヴァントではなく魔術師――マスター。
英霊をサポートし、時には共に戦い勝利を目指す、英雄ではない存在。
それは『貴様は英雄ではない』と、聖杯にすらもそう言われているかのようで。

男には、それがただひたすらに不快だった。



詠唱を終え、魔法陣に光が満ちる。
顕現は一瞬。次の瞬間には、そこにサーヴァントが立っていた。
蛇めいた眼。油断ならぬ佇まい。セグメント状に分割された奇っ怪な剣。
サーヴァントと男の視線が交わる。
その刹那、彼らは理解した。理解しないはずがなかった。
その目、その面持ち、そのアトモスフィア。眼前の男が、疑いようも無く自身と同族であると。
闘争を好み、闘争を求め、闘争に生きる、そんな紛れもない戦闘狂であると。
男たちの顔が、喜色に染まる。

「ほう。貴様が俺のサーヴァントというわけか。悪くない」
「ドーモ、マスター=サン。セイバー……ニーズヘグです」

ニーズヘグと名乗った男はサーヴァント――即ち、英霊だ。
それはニーズヘグもまた英雄であることを意味し、男にとっては気に喰わないことである。
だが、英雄であるかどうかといった段階以前の要素で、彼らは通じ合った。

「セイバー、貴様もまた英霊と呼ばれる存在。気に入らん、気に入らんッ! ……が、今日の俺は紳士的だ。運が良かったな」
「おうおうおう、ずいぶんと威勢のいい奴じゃ。わしは今ここでやりあうのもやぶさかではないぞ?」
「フン、どうせ最後に残るのは俺たちだ。他の英霊どもを屠ったあとで存分に相手をしてやろう」

男の言動に、ニーズヘグは目を細める。
自身の力量を疑いもせず、他のサーヴァントを下すことなど当然とし、なおイクサを求める。
力が伴わぬのであればただのサンシタの寝言にすぎないだろう。だが、男の場合はそうではない。
そしてその増上慢は、ニーズヘグにとっては実際好ましいものだった。

「ハ! こりゃあわしもついておるわ! 痛快なイクサに、痛快なマスターときた! 
 いいぞ、オヌシの下ならイクサに困ることはないわい!」

ニーズヘグは呵々大笑する。
イクサの相手は英霊ばかりで、マスターにも恵まれた。
ならば、あとは存分に戦って戦って戦うだけだ。元よりイクサのみが望みである。
それの何と喜ばしいことか。

男もまた笑う。
英雄として呼ばれなかったことはたしかに不快だ。
だが、数多の英雄を相手取れることに、そして殺せることに変わりはない。
さらに、勝ち残ることで得られる聖杯の存在。その力があれば、自身もまた――。

昂ぶる心に任せるように、男は吼える。

「俺の本能が叫ぶのさ、貴様らを殺せと!」

英雄に焦がれ、英雄を憎み、英雄を殺す者。男の名は、バルバトス・ゲーティアといった。

【クラス】セイバー
【真名】ニーズヘグ@ニンジャスレイヤー

【パラメーター】
筋力:B 耐久:B 敏捷:A 魔力:C 幸運:C 宝具:C

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
対魔力:C
魔術に対する守り。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:D
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。


【保有スキル】
気配遮断:C
自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
ニーズヘグはアサシンとしての適正も持つため、ランクこそ下がるがセイバーでもこのスキルを保有している。

直感:A
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。
ザイバツ・グランドマスター位階としての高いニンジャ第六感持つ。

投擲(スリケン):B
スリケンを放つ能力。
通常のスリケンであれば生成することによってほぼ無限に投擲することができる。
また、後述のヘビ・ケンと同様の毒が塗られたアフリカ投げナイフめいた邪悪なスリケンも使用可能。

対毒:A
毒に対する耐性。常人であれば掠っただけでハレツするような猛毒をも完全に無効化する。

【weapon】


【宝具】
「蛇剣(ヘビ・ケン)」
ランク:C 種別:対人宝具
ニーズヘグの愛剣である異形の剣。
刀身が5つにセグメント化されており、それを高伸縮性のモノフィラメントワイヤ束が繋いでいる。
単なる剣としても神器ヌンチャクと撃ち合える相当の業物であり、セグメントを分割することで鞭状にもなる。
各セグメントからは銛のような逆棘が生えており捉えた獲物を逃さず、また刀身には致死性の毒が塗られている。

「邪眼(イビルアイ)」
ランク:B 種別:対人宝具
ニーズヘグの奥の手。目より対象を石化する光線を発射する。この宝具の前では対魔力は意味をなさない。
高い水準のカラテあるいは類似する武術によって打ち払うことが可能である。

【人物背景】
ザイバツ・シャドーギルドのグランドマスター位階である強力なニンジャ。
武人めいた戦闘狂であり、「死と殺戮の中にしか喜びを見出せない」と地の文に評されるように、イクサを何よりも好む。
ザイバツに在籍するのも「痛快なイクサができればトノサマが誰でも構わない」からであり、後により大きなイクサに彼を誘ったダークニンジャの元に寝返ることとなる。
戦闘狂ではあるが、グランドマスター位階において必要となる複雑怪奇な礼儀作法も心得ており、駆け引きや心理戦もお手の物である。


【サーヴァントとしての願い】
大イクサ。聖杯に望む願いはなく、召喚された時点で願いが叶っていると言ってもいい。



【マスター】バルバトス・ゲーティア@テイルズオブデスティニー2

【マスターとしての願い】
英雄を屠る。あるいは、自身もまた英雄となること。 

【weapon】
「ディアボリックファング」
バルバトスが使用する禍々しい大斧。
宿敵であるディムロスが扱うソーディアンのような特殊な機能はないが、荒々しいバルバトスの使用に耐えうるほどの業物である。

【能力・技能】
「晶術」
テイルズオブデスティニー2の世界において、レンズと呼ばれる物質を用いて発動する魔術のようなもの。
バルバトスは戦士でありながら、晶術の最上級である具現結晶すらも使用可能。

「カウンター」
バルバトスの代名詞。
回復アイテムを使う、ガードする、晶術を使用する、後退する……などといった行動に反応してカウンターによる攻撃を行う。

【人物背景】
テイルズオブデスティニー2におけるボス。
かつて第一次天地戦争時代に地上軍に在籍していた軍人。
有能な戦士であったが、その冷酷かつ残忍な性格によって英雄と称されることはなかった。
その後、宿敵ディムロスへの対抗心や強者との闘争を求める戦闘狂としての欲求、ある女を得るため、などの理由により軍を裏切ることになる。
結果ディムロスの手によって倒された彼は「英雄」に対する強い憎しみを抱き、それに目をつけた聖女エルレインの手によって蘇生される。
「英雄」に対する憎悪は「英雄」になりうるだけの力を持ちながらも決して「英雄」と讃えられることがなかった無念の裏返しによるもの。
今回の聖杯戦争にはディムロスによって倒され処刑される寸前に赤い月を見て連れて来られた。

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最終更新:2015年01月26日 08:54