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日向創&フォーキャスター◆ACfa2i33Dc


 ・――〈Mare Tranquillitatis〉


 遠くから潮騒の音が押し寄せてくる。
 輝く渚が氾濫して、シロエたちの足首を洗った。
 シロエはアカツキに微笑みかけた。この時間が終わるのだ。
 でもそれは再会へとつながっている。
 シロエはアカツキの頭に載せた手を少し動かして、困る。いつもならこのへんで、アカツキの飛び蹴りが来るはずだ。子ども扱いするな、とか。それが来ないうえ、アカツキは真剣な表情をしているから、やめるきっかけが見つからないのだ。
 アカツキはきょとんとした表情で何かを言いかけた。その声は水の音楽で聞こえなかったが、シロエは気にならなかった。指先にはひんやりした細い絹髪の感触が残っている。

 その柔らかさに、シロエは確かに救われて――


                             ――[データに欠落が発生しました]







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 [データ欠落部に類似データを割り当てます]

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 .................SUCCEED!!


               「きっと希望だけじゃない…絶望だってたくさんあるだろうな…」


 「どんな未来になるかなんて、わからないけど…」


         「でも、俺達の未来は俺達のものだ! もう誰にも渡さないぞ!」


 「俺は自分の未来と戦う!みんなが創ってくれた未来と戦う!」


                   「誰かのためじゃない、自分のためにだ!」




         【できっこない…アンタなんかに何もできっこない!】
                『――それは違うぞ!』



                                                                    「――ありがとう、■■」
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 [――ロードしたデータを用いてプログラムを再構築します]
 [ようこそ、聖杯戦争へ]







 ◆

[Re:load]


 ……そしてシロエは、『東京』へと降り立った。

「……ここは……!」

 秋葉原――<セルデシア>の<アキバの街>ではない、『地球』の『秋葉原』。
 <大災害>と呼ばれるなにかによって、異世界<セルデシア>へと飛ばされたMMORPG<エルダー・テイル>のプレイヤー――<冒険者>達が、切望して止まない本来の『現実』。

 ……いや、違う。
 『召喚』と同時にシロエの頭の中にインプットされた情報が、状況を正しく認識させる。

 ここはやはり『月』。
 <ムーンセル>――万能の願望機の演算上に作られた、仮想の東京なのだ。
 そして、ここで自分達に宛がわれた役割は一つ。
 聖杯戦争――聖杯を手に入れるための奪い合い、殺し合い。

 自分は――シロエは、その『サーヴァント』として召喚された。

 ……おかしい。
 これは明らかに『異常(イレギュラー)』だ。
 サーヴァントとは、死した英雄――あるいは、それだけの偉業を成した者が英霊と成った存在だ。
 確かにシロエは現在の<セルデシア>においては<円卓会議>の参謀として一部には名高いし、そうでなくとも史書にその名前は知られている。(こちらはそもそも、<セルデシア>がまだゲーム<エルダー・テイル>であった時代に長年プレイしていたプレイヤーならば大体がそうであるが)
 けれどシロエは、まだ生きている。
 いや、確かにこの東京へとやって来る直前、レイド戦闘においてシロエは死を経験した。
 しかし、<セルデシア>での死は、ゲーム時代がそうであったように、<冒険者>にとっては復活を伴うモノだ。
 経験値――そして、地球での記憶を代償に、<冒険者>は<大神殿>から復活する。

 故に、自ら死を選ぶ事ですら、<セルデシア>から逃れる事はできない。

 だというのに、シロエはここにいる。
 それが何故か――それにも、シロエは心当たりがあった。

 〈Mare Tranquillitatis〉――「静かの海」。
 死した〈冒険者〉が、復活するために地球での記憶を捧げていく場所。

 <エルダー・テイル>の14番目のサーバーであるそこは――『月』だった。
 大規模戦闘で死亡し、復活を待つシロエは、月に記憶を捧げたのだ。

 それがムーンセル――月の聖杯と混線しても、おかしくはない。

 ……だが、この推論が正しいのならば、それもまた問題となる。

 シロエは、月に記憶を――魂の一部を、捧げた。

 であるならば。
 ここにいるシロエが、<静かの海>で記憶を捧げた本人なのか、それともその『捧げられた記憶』に過ぎないのか。
 それを区別する事は、できないのではないか?

(……いや、あんまり考えるのはやめよう。今はそれどころじゃない。
 それに……)

 「静かの海」で記憶を捧げた時。シロエの隣には、アカツキがいた。自分を主君と慕う。小柄な――とても綺麗な女の子。

 ……今も、彼女が“いる”のを感じる。きっと、シロエが呼ぶことができれば、彼女は出てきてくれるだろう。
 彼女の存在は、おそらく聖杯戦争を戦う上で、大きな力となるに違いない。

(そして、もう一つ)

「……マスター、大丈夫かい?」

 シロエは振り向くと、そこにいるのだろう、自らのマスターを見据えた。
 『マスター』。彼は一見すれば、単なる男子高校生のように見えた。
 アンテナのようにハネた髪が特徴的な、どこにでもいる、ただの学生。
 彼は震えていた。一見すれば、それは殺し合いの場に投げ込まれた恐怖に見えたかもしれない。
 けれどその表情を見れば、彼を震わせていた感情はシロエにだって理解できる。


 それは怒りだった。

「こんなのが……奇跡だって言うのかよ……!」

 それも、ただ理不尽な死を目の前に翳された者の怒りではなく――理不尽な運命、それを突き付けた者への怒りだった。

「認めないぞ……これが運命、奇跡だなんて、コロシアイの先にしか未来はないだなんて、俺は絶対に諦めたりしない!
 俺の未来……聖杯にだって、好き勝手させたりはしない!」

 その怒りに。その気迫に。シロエは、一瞬気圧された。
 異世界のモンスターよりも、そのコトダマを放ったマスターが、強大であるかのようにさえ感じられた。

「……できると、思うのかい?」

 思わず、言葉が漏れ出す。
 その弱気を、彼は真正面からロンパした。

「できるさ。自分自身の未来を信じて飛び込んでいけば、きっと未来だって創れる……
 だって、これはゲームじゃない……そうだろ?」

 ……それは奇しくも。過去のシロエが言った言葉と、同等の響きを持っていた。


 ――けれど、もういい加減認識して欲しいことがあります。
 僕たちは、異世界にいるんです。
 この世界はどこかひどく奇妙で歪んでいる。
 〈エルダー・テイル〉の影響を受けているのは事実です。
 けれど、さっきの〈料理人〉の発見でも判るとおり、ただ単純にゲームの世界じゃない。もっとちゃんとした物理的な法則のある異世界です。


 シロエが11のギルドの長を説き伏せる為に使った言葉が、今シロエの胸を打っている。
 酷く奇妙な気分に襲われて、シロエは不意にくすくすと笑ってしまった。

「お……おい、大丈夫か?」
「ああ、ごめんごめん。大丈夫。
 ……わかった、信じるよ。マスター」

 いきなりの事に不安な顔を見せるマスターを、正面から見据えて、肯定の言葉を送る。
 驚いた顔を見せる彼に対して、シロエは、言葉を続けた。

「だから、マスター。君の名前を聞かせてくれないか?」

 その言葉に、彼のマスターは『そういや忘れていた』という顔をする。

「っと……そう言えば、自己紹介がまだだったな」

 そして、『聖杯と戦う』という、契約の言葉を放った。

「俺の名前は――日向創だ」



【クラス】フォーキャスター
【真名】シロエ@ログ・ホライズン
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷D 魔力A 幸運B 宝具A
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
計略:B
 事前準備による作戦遂行能力。
 相手の戦力を把握し、ある時は削ぎ落とし、ある時は相手の強みを殺し、ある時は自らの有利な陣地へ誘い込む。
 作戦・計画・戦術の成功率をアップさせ、より効率的に扱える。
陣地作成:C
 自らに有利な陣地な陣地を作成可能。
 フォーキャスターの陣地は、工房であると同時に野営地・駐屯地としての性格を持つ。
【保有スキル】
魔術:A-
 強化・弱体化・状態異常・魔力供給などの援護効果の付与魔術を非常に得意とする。
 攻撃魔術も扱えるが、威力は標準的なキャスターと比べると貧弱。
話術:D
 言論によって人を動かす才能と技術。
 交渉においては高い能力を発揮するが、反面感情の絡む会話となると鈍い面もある。
道具作成:B
 <筆写師>としての能力。
 マジック・スクロールの作成等が可能。
<口伝・契約術式>:?
 [閲覧不能データです][このスキルは既存データの仕様外にあります]
【宝具】
『夜明けの迷い子(アカツキ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
 自らの従者、暗殺者(アサシン)のアカツキを呼び出す宝具。
 アカツキは気配遮断:B、単独行動:Dのスキルを所持する。
 一回の召喚に令呪一画を必要とし、12時間経った場合一端消滅する。

『全力管制戦闘(フルコントロール・エンカウント)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:24人
 フォーキャスターの真髄、前線での高速指揮能力。
 周囲で戦闘している人員の状況を完全に把握し、700秒先までの戦況を予測する。
 多人数での戦闘に特化した宝具。

【weapon】
〈滅びたる翼の白杖〉
 所有者の支援魔法の効果範囲を拡大する効果がある長杖。
 普段は何の変哲もない古木の杖だが、起動状態では翼型の力場が先端から展開され所有者の支援魔法の効果範囲が拡張される。
〈賢人の外套〉
 装備者に、その智慧に応じた守りの加護を与えるとされる幻想級防具。
 精神的なバッドステータスへの高い耐性を誇る。
〈月桂の華護り〉
 月に咲くという伝説の華を模した幻想級護符。
 魂の移ろいを祝福するとされ、死亡からの復活時に失われる経験値を減少させる。
 精神属性の攻撃魔法や防御魔法を強化する効果がある。

 その他にも〈エルダー・テイル〉時代の装備やアイテムを多数所持しているが、今回の聖杯戦争には持ち込めていない。
【人物背景】
 20年続く老舗MMORPG「エルダー・テイル」のプレイヤー。本名は「城鐘恵(しろがねけい)」で、工学系の大学院生。
 中学生の頃から8年間プレイしている古参プレイヤーで、俗に言う「廃人」。
 周到な計画立てを好む参謀タイプのプレイヤーであり、一度決めたらどんな手でも使う実行力や、自問自答を多用して状況を分析し作戦を練る癖(そのため、周囲にはシロエの思考の過程が読めない)などから、周囲には「腹ぐろ眼鏡」とあだ名されている。
 エルダー・テイルに慣れて来た頃の厭な思い出や、人に頼るのが苦手な悪癖などから人付き合いが苦手で、目つきの悪さもあって誤解されやすいのも原因である。
 かつて存在した伝説的なプレイヤー集団「放蕩者の茶会(デボーチェリ・ティーパーティー)」の元メンバーで、プレイ動画やログを分析し、ダンジョンマップを作成したり戦闘時の作戦を練るなどもっぱら参謀役を務めていた。

 エルダー・テイルのプレイヤーが異世界に転移させられた「大災害」では、当初は自分のことでいっぱいだったが、様々な出来事を経て「このままでは取り返しが付かなくなる」と発起。
 アキバに治安維持組織「円卓会議」を発足させ、自身もその参謀役となっている。
【サーヴァントとしての願い】
 なし。


<フォーキャスター>
 『軍師』のクラス。
 多人数での戦闘を得意とし、それに纏わるスキル・宝具を所持する。
 スキル特性は『計略』。事前の準備により敵軍を陥れ、味方軍を強化する。


【マスター】日向創@スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園
【参加方法】
 [データを閲覧できません]。
【マスターとしての願い】
 未来へ。
【weapon】
 なし。
【能力・技能】
 “超高校級の[データが読み込めません][データにエラーが発生しました][データ削除]”
【人物背景】
 『スーパーダンガンロンパ2』の主人公。
 一見何の取り柄もない無個性な人物だが、『超高校級の才能を持つ者だけが入学できる』という希望ヶ峰学園の生徒として、『コロシアイ修学旅行』に巻き込まれる。
 一種の記憶喪失があり、自らの才能を全く覚えていないが、事件発生時における観察力と推理力には目を見張るモノがある。

 その本当の才能は、
 [データが存在しません]。
 だが、実は、
 [編集済]
 であり、そして、
 [強制シャットダウンされました]。

 ――その後、より参戦。

【方針】
 聖杯に抗う。

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最終更新:2015年01月26日 08:58