坂上あゆみ&エクストラクラス ◆q4eJ67HsvU
走る。走る。ただ走る。
自分の足音にさえ追いつかれないように、必死で足を動かし、体を前へ、前へ。
喉がひりつくように痛いけど、そんなことで足を止めたら、きっともっと怖いことになる。
「なんで……なんでこんなことに……?」
少女が、幾度となく繰り返した答えの出ない問い。
不安を振り切るように路地裏へ駆け込み、散乱したゴミに躓きそうになりながら走る。
土地勘なんてない。今どこを走っているのかも分からない。
この道を選んだのもただの思いつきだ。ただ少しでも、あの「怖いもの」から逃げたかっただけ。
「お母さん……っ」
この街にはいないはずの、大事な人を思う。
せっかく心を開くことが出来たのに。勇気を持って、一歩を踏み出すことが出来たのに。
いつも吠えられていた隣の犬とも仲良くなれた。学校でも、友達を作れた。
自分をのけ者にしていると思っていたあの街のことを、大好きになれた。
光になって空に溶けていった、大切な「ともだち」が見守ってくれている街を。
「それなのに……こんなところで、ひとりぼっちで……嫌だよぉ……っ」
もう、走れない。
いくら逃げたところで何処へも辿りつけない、その事実が、彼女から気力を奪っていく。
足の進みは次第に遅くなり、すぐに歩くことすらままならず、少女は膝をついた。
逃げるのをやめた自分のそばに、じわり、じわりと、嫌な気配が這い寄ってくるのが感じられる。
肩で息をしながら、少女はそれでも震えをこらえて恐る恐る振り返った。
「…………っ!!」
少女は知る由もない。
この東京を、己の固有結界にて魑魅魍魎の跋扈する魔都へと塗り替えた魔人がいることを。
社会の裏側に潜む魍魎どもは、普段は人目に付かぬ闇に潜んで息を立てずにいる。
しかし今、そのまつろわぬ者どもは、少女の魂に惹かれて集まってきていた。
その純粋なる魂……起こり得ない奇跡をも起こす、輝ける祈りの力に惹かれて。
「い、いや……来ないで……」
一度へたり込んでしまうと、もう腰が抜けて立ち上がれない。
スカートが汚れるのを気にする余裕すら無く、ただ後ろ向きにずり下がりながら少しでも距離を取ろうとする。
だけど気配は確実に近づき、そこかしこから少女を狙っているのだ。
「誰か、誰か助けて――!」
人通りの絶えたこんな裏路地で、こんなか細い声を上げたところで、誰の耳にも入らない。
分かっていた。分かっていたけれど、助けを求めずにはいられなかった。
死にたくなかったから。まだ、祈りを捨てたくなかったから――!
「――――あゆみちゃん!!」
声が聞こえた。自分の名前、坂上あゆみという名前を呼ぶ声が。
目を開けると、目の前に少女が立っていた。
自分と同じぐらいの年頃の、長い髪をポニーテールに結んだ、明るそうな印象の少女。
彼女はあゆみを見てかすかに微笑み、そして高らかに叫んだ。
「――プリキュア! くるりんミラーチェンジ!」
三枚のカードをアイテムにセットし、指先で小さなミラーボールを回転させる。
一瞬にして少女を光が包み、降臨したそのシルエットにあゆみは驚愕した。
あゆみは、その姿を知っている。
彼女のことは知らない。だけど、彼女のような少女達を知っていた。
「世界に広がるビッグな愛! キュアラブリーッ!」
世界が闇に染まる時、必ず現れるという伝説の戦士――!
「プリキュア! ピンキーラブシュート!」
キュアラブリーが叫ぶ。
ハート型の愛のエネルギーが、魑魅魍魎どもを浄化していく。
その光景に、あゆみはただ圧倒されていた。
「……私の知らないプリキュア……?」
思わず呟く。
あゆみはかつて、歴代のプリキュアたちと共に友達を助けに行ったことがある。
だけどその時に、彼女の姿を見たことはない。
「久し振りだね、あゆみちゃん。大事な友達が困ってるんだもの、ほっとけなくてさ」
それなのにそのプリキュアは、まるで自分のことを知っているかのように言うのだ。
あゆみの頭のなかを疑問符が埋め尽くした。
「あの……私、あなたと会ったことなんかなくて、でも、私のこと友達って……」
途切れ途切れにあゆみがそういうと、キュアラブリーは、全てを受け入れるように微笑んだ。
「私は愛乃めぐみ。この聖杯戦争に巻き込まれたあゆみちゃんを守るために現界した、あなたのサーヴァント」
そして――そう続けながら、めぐみは、あゆみへと手を伸ばした。
「私はあなたの、『みらいのともだち』だよ」
【クラス】
ザ・フレンド
【真名】
キュアラブリー@ハピネスチャージプリキュア!
【パラメーター】
筋力C+ 耐久C 敏捷B+ 魔力B 幸運C 宝具A
【属性】
中立・善
【クラススキル】
永遠のともだち:EX
大事な人に手を差し伸べる、ただそれだけのスキル。
このスキルはなにひとつ、目に見える効果やステータス補正をもたらさない。
あえて言うならば、このスキルによる心の繋がりは『勇気』を生む。それが全て。
【保有スキル】
伝説の戦士:A+
世界が闇に染まる時、必ず現れるという光の戦士プリキュア。
絶望へと立ち向かう時、キュアラブリーはステータス以上の力を発揮できる。
そして彼女の宝具が、このスキルから更なる力を引き出す。
対魔力:C
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
魔力放出(光/熱):B
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。
キュアラブリーの場合、ラブプリブレスを介して光や熱を放出し、あるいは武器に変化させて攻撃できる。
なお、魔力を複数の属性に変化させられる魔力放出スキルは稀少である。
変化:B
プリチェンミラーおよびプリカードにより服装をチェンジし、自身に別の能力を付加できる。
ただし非変身状態の服装にチェンジする場合は、幸運以外の全ステータスがEまで低下する。
【宝具】
『絶対無敵の愛(ハピネスチャージ・キュアラブリー)』
ランク:A 種別:対絶望宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:自身
世界を照らす永遠の愛。英霊キュアラブリー、その信念自体が宝具。
この世界中の人々の願いにより無限の愛を生み出し、自身の魔力へと変換する。
さらに彼女を信じる者がいる限り、伝説の戦士スキルはあらゆる絶望に対して更なる力を発揮する。
もっともこの東京に暮らす人々は、あくまでNPCであるため強い願いを持つことはない。
そして聖杯戦争において彼女を純粋に信じる者はマスターひとりである以上、この宝具は十全には機能しない。
しかし、もしも東京中のNPC達が彼女を信じ、奇跡を願う想いを持つことがあるならば――。
【weapon】
『プリチェンミラー』
三枚のプリカードを重ねあわせてセットすることで変身に使用するアイテム。
変化スキルで使用する。
『ラブプリプレス』
ブレスレット型のアイテム。プリキュアの想像力を具現化する力を持つ。
ラブリーは魔力放出スキルによる魔力をこのアイテムで形にし、変幻自在の攻撃を繰り出す。
【人物背景】
「ハピネスチャージプリキュア!」の主人公。
元気と笑顔があふれる愛嬌で人々から愛されているが、困っている人に節介をやくことで迷惑をかけることもある。
学業も運動も不得意だが、頭の回転は速く、力仕事が得意。また変身後は驚異的な戦闘センスを発揮する。
偶然愛の結晶をぶつけられたことでプリキュアとなり、相棒の白雪ひめと共に幻影帝国に立ち向かう。
なお、その人助けへの強迫観念めいた思いは「なにかをしてあげないと自分を好きになってもらえない」という、
メサイアコンプレックスに起因するものであることが戦いの中で明らかになる。
キュアエコーこと坂上あゆみとは「NewStage3」で出会っているが、この時点でのあゆみはそれを知らない。
【マスター】
坂上あゆみ@プリキュアオールスターズNewStageシリーズ
【マスターとしての願い】
生きて大切な人達のところに帰りたい。
【weapon】
「エコーキュアデコル」
かつて彼女の祈りが生んだ奇跡の結晶。
これ単体では彼女は変身することは出来ないが……。
【能力・技能】
「キュアエコー」
あゆみのプリキュアとしての姿。
妖精たちの世界では、過去に一度だけ姿を現した幻のプリキュアとして語られている。
パートナーの妖精を持たず、また浄化技以外に一切の攻撃を行ったことのない異例のプリキュア。
妖精のバックアップがない以上再度の変身は困難なはずだが、彼女自身の祈り次第で奇跡は再び起こるかもしれない。
【人物背景】
「プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち」の主人公。
TVシリーズには登場しない、オリジナルキャラクターである。
横浜に引っ越してきたばかりの内気な中学二年生。街に溶け込めず、学校でも友達を作れず、
ひとりぼっちでいた時に謎の生命体「フーちゃん」と出会い、ともだちになる。
しかしフーちゃんはあゆみの願いを叶えるため暴走し、歴代プリキュアと敵対。
あゆみは本当の願いをフーちゃんに伝えるためプリキュア達と協力し、そして奇跡を起こした。
プリキュア史上ただひとり、妖精の補助を受けず純粋に思いの力だけで変身した少女。
【方針】
無用な争いはせず、生きて帰るための方法を探したい。
最終更新:2015年01月26日 09:00