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東條希&キャスター(モハメド・アヴドゥル) ◆e83YoP7QSA



最近、妙な噂が立つようになった。
「紅い満月を見た者は月へ連れていかれる」という。所謂オカルトの類だ。
学校でも学生のおしゃべりにふと注意を向けるとその噂がおしゃべりのテーマに度々なっている。

「スピリチュアルやね」

女子学生の話し声が飛び交う教室の一角で、東條希は小さく呟いた。
紅い月だとか、連れていかれるだとか、話の出所が分からないにも関わらず話題になっている噂に希は興味を抱いていた。
小耳に挟む噂は様々であり、中には「月に行って城に閉じ込められる」「月の王子様が現れる」みたいなロマン溢れる内容もあったが、「紅い満月が出る」「連れていかれる」ことは共通していた。
この共通点に何かがある…希はそれを確信していた。

(もしかしたら、ツクヨミさんが何かを伝えたいのかもしれんね♪)

その噂からスピリチュアルな魅力を感じた希は、噂を調べるべきか自らを占うことにした。
そう考えながら希は常備しているタロットカードの中から1枚、カードを引く。
引かれたカードは『魔術師』の正位置。新しい出会いや発見を暗示している。

(カードもウチに進めと言うとるし)

通学カバンを肩にかけ、校舎の屋上へ向かうために教室を出る。
放課後は屋上で、スクールアイドルとしてライブに向けた練習がある。
その練習が終わったら少し調べてみよう。
カードの暗示に従うならばその噂を調べると何かあるらしい。
それは新しい出会いかな?それとも新しい発見かな?
紅い満月のような普段では聞かないようなことにワクワクしているからであろうか、シュシュで結われた髪が楽しげに揺れていた。
希には自分だけの趣味があり、パワースポット巡りなどの『スピリチュアル』なことに目がなかったのだ。




「今日の練習はここまでにしましょう。お疲れ様」

親友の絵里の声が屋上に響く。時期が冬に差し掛かっている頃だからだろうか、青かった空は夜になりかけていた。
絵里の言葉を聞いた希はすぐに帰り支度を始めた。その紅い月とやらを見られるかを調べるためだ。
普段は絵里と一緒に帰路につくのだが、適当に取り繕って皆より早く学校を出た。
紅い満月に関する噂。そこに何かが待っている。『魔術師』のカードから感じられた、スピリチュアルな魅力が希の足を早めていた。


希が向かった場所は、神田明神。パワースポット巡りで行く場所であり、巫女として手伝いに行く場所でもある。
急ぎ足で向かったが、学校を出たときに比べて辺りはすっかり暗くなってしまっていた。
なぜ神田明神に向かったか?実際のところ、単なる勘である。
希は「パワースポットに行けば何かあるかも」という根拠のない期待だけで神田明神に来たのだ。
噂の手がかりもなければ、正確な情報もない。あるのは「紅い満月を見た者は月へ連れていかれる」という言葉だけである。
とにかく、まずは月を見ることが重要だ。紅い満月というのだから、月を見れば何かがわかるはず。
希は神社の境内に立ち、もう登っているはずの月を見るために暗い夜空を見渡した。…が、何も見つからない。

(あれ?もしかして今日って新月やったっけ?)

もし今日が新月の日であるならば、あきらめた方がいいだろう。月が見えないのなら、噂が本当か確かめることすらできない。

(もし今日が新月やったら満月の日まで待つしかないかもしれんな…)

希は少しがっかりした面持ちで帰路についた。
『魔術師』の正位置は前述のように新しい出会い、そして発見を暗示する。
昔から運がよく、占いが当たることに自信を持つ希は占いが外れたことにショックを隠せなかった。

「やっぱりたまには外れることってあるんかな~…カードのお告げ通り調べてみたんやけど、まさかなにも発見できひんなんてな~」

トボトボと街灯のない暗い路地を歩いていた希だが、ふと妙な違和感を感じた。
明るいのだ。今日は新月のはずなのに。月明かりでもなければ、周囲が見えなくなるほど暗いはずが、目を凝らさなくとも見渡せる。
そして、自分の背後から紅い光が照らされていることに気づいた。その紅い光は淡く、それでいて美しく、誘惑するかのように希の後ろ姿を照らしていた。
それに呼応するように希は振り向く。

(紅い…満月…)

希の瞳には、地球よりも大きいとも思えるほどに巨大な紅い満月が映っていた。
彼女はそれに見とれているかのようにしばらくの間動くことはなかった。





「…っ!!」

意識が再び覚醒した希を襲ったのは、悪寒。今の希にはわかる。この月はとてつもなく不吉なもの。
希は無意識に走り出した。

たどり着いたのは自らが通う学校、音ノ木坂学院。希がここに3年間通い、友達をつくり、スクールアイドルになった特別な場所。
そこに行き着いても、紅い満月は動くことを拒むかのように自分と音ノ木坂学院を照らしている。
そこにあるのはいつも自分が通う音ノ木坂学院のはずなのに。
希には、紅い満月に照らされた音ノ木坂学院が、まるで作り変えられたかのように感じた。

まさか自分は作り変えられた別の東京にいる?そんな疑惑が希の心を支配する。
そんなはずはないと自分に言い聞かせながら、希はスマートフォンを取り出し、ある人物の電話番号を縋るように入力した。
綾瀬絵里。音ノ木坂でできた、人生初めての親友。

『もしもし?どうしたの希?』
「えりち、一つ聞きたいことがあるんやけど…μ'sって知ってるやんな?」



『――μ'sって何?』



この一言で希は確信した。今自分がいる場所は住み慣れた音ノ木坂でないことに。電話の向こうの人物が綾瀬絵里であって綾瀬絵里でないことに。

「……ありがと、変なこと聞いてごめんな?」
『ちょ、のぞ――』

静かに電話を切る。スマートフォンからはツー、ツーという話中音がむなしく響いていた。



「…進んだらあかんかったんかな」
希はそれから一歩も動くことができず、立ち尽くしていた。夜だというのに寒さすら感じない。
学校で引いた『魔術師』のカード。
あれが意味するものは何だったのかを自問自答していた。

そんな考えに耽っていたせいか、希が遠方から近づいてくる足音に気付いたのはかなり先であった。
その足音に気づいた希の視線にいたのは、ローブを羽織った褐色肌の男だった。
男の名は、モハメド・アヴドゥル。キャスターのサーヴァントである。
希はこの時確信した。『魔術師』の暗示が正しかったことを。


キャスターは不思議がっていた。
キャスターが見たところ、希は何も知らない様子だったため、聖杯戦争の一連のルール――予め聖杯から記憶に刷り込まれている情報――を説明した。
無論、この東京は再現された偽りの世界であり、希が殺し合いの参加者だということも。
それなのに、目の前の少女は静かに頷くだけで表情を変えることはなかった。
普通の少女ならば、突然殺し合いの世界に放り込まれようものなら絶望の表情を見せたり、泣き出したりしたっておかしくはない。
いや、むしろあまりの出来事に呆然としているのだろうか…?


「ウチはその紅い満月にさらわれてこの世界に来たんやね」
「うむ、そうなるな。紅い満月を見たものは偽りの東京へと招かれる。話を聞いてみたところ、君は巻き込まれたようだが…大丈夫かね?」
「巻き込まれた言うよりは…ウチ、誰かに呼ばれたような気がするん」

「呼ばれた?」とキャスターは聞き返す。

「うん、これって単に巻き込まれただけとは思えへん。…何かがウチをこの世界に導いたと思うんよ」
「しかし、君は魔術師ではなくただの人間。そう考えるには無理が――」
「これが何よりの証拠や」

そう言って希はタロットカードをキャスターへと向ける。
それは『魔術師』のカード。ただ、学校でなんとなく占った際に引かれた『魔術師』の正位置。

「ここに来る前、紅い満月の噂を調べるかどうか占ったんよ。そしたら出たのは『魔術師』のカード。その時に思ったん。カードが進め言うとるって」
「………」
「夜に月を探しに行ったら、新月の夜やった。でも、空には満月があったん。それは紅い満月で、気づいたら違う東京におった」

希は一時、『魔術師』の暗示を信じて行動したことに後悔してしまったことを告白する。
住み慣れた音ノ木坂から全く別の世界へ飛ばされたことへの恐怖も。

「でも、あなたに出会えて分かったんよ。運命のタロットカードのお告げは正しいって」
「なるほど…これは全て聖杯の導き、ひいては運命の導きと。そう言いたいのだね?」
「だから、ウチは知りたい。どうしてウチが聖杯戦争に呼ばれたのかを。最初は怖かったんやけど…あなたに出会えて、カードが正しいと思たら、勇気が湧いてきたんよ。あなたはただの人間言うけど、ウチってこう見えても風の中の竜の神さんとか天神さんとか、いろいろ見えるねんで♪」

希は信じることにした。『魔術師』が意味する発見と新しい出会いが聖杯戦争の先にあると。

「――いいだろう!君の意志はよくわかった!私は生前占い師をしていてね。君が運命の導きを信じるなら!私からも運命のカード、タロットで君の進むべき道を示そう!」

キャスターも希の意志を認め、所持しているタロットカードから1枚引き、希へと向ける。
引かれたカードは、星ッ!スターのカード!そして正位置ッ!明るい未来、可能性の象徴ッ!
キャスターはこの『星』のカードを見て運命を感じた。
このカードはかつてDIOを倒す旅を共にした承太郎のスタンドの命名の元になったカード。

「私のカードも進めと言っている。迷うことはない」

キャスターはDIOの姿を再び見ることなく、謎のスタンド使いの急襲から仲間を庇い、死を迎えた。
しかし、後悔はなかった。
エジプトへの旅は一度死にかけたこともあったが、
共にDIOへ立ち向かった仲間のためならば、命は惜しくなかった。
「助けない」と言ったのに自らそれを破ってでも仲間を庇うとは――どうやら私は仲間のことになると自分が見えなくなるようだ。
――だが、それもいい。
もう一度、私はサーヴァントとして生を受けた。
この命をこの少女のために使おう。
彼女が自らの運命を信じ、前に進むのなら。
私は彼女を守る『魔術師』となろう。



「あなたがウチのサーヴァント……でええねんな?」

「YES I AM!このキャスターのサーヴァント、モハメド・アヴドゥルと!」

突如、アヴドゥルの背中から逞しい猛禽類の頭がついた赤い像が姿を現す。

「この『魔術師の赤』が!君を守ろう!」



キャスターの頼もしさに希の顔は自然に明るくなった。
まさか『魔術師』のカードを引いて本当に魔術師に出会ってしまうとは。
カードのお告げは本当によく当たる。
希はそれを痛感せずにはいられなかった。


【クラス】
キャスター

【真名】
モハメド・アヴドゥル@ジョジョの奇妙な冒険

【パラメーター】
筋力D 耐久C 敏捷E 魔力A 幸運A 宝具A

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
陣地作成:D
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
ただし、キャスターは本来占い師であるため、工房を作ることは難しい。
工房が作れたとしてもそれはただの「占い屋」である。

道具作成:B
魔力を帯びた器具を作成可能。
このスキルは『魔術師の赤』の炎による作成に特化しており、炎を使って作れないものは作成できない。

【保有スキル】
心眼(真):B
スタンド使いとしての修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

博識:B
キャスターが占い師として様々な人の話を聞いてきたことや、趣味の古書集めにより身につけたあらゆる分野に通ずる知識。
持ち前の知識から、一定確率で相手のスキル・宝具の能力・真名を看破する。

かばう:C
邪悪の化身を倒す旅路で仲間を庇い死亡した逸話からくるスキル。
かばう対象の代わりにキャスターがダメージを受ける。

占い(タロット):C
タロットカードによりキャスター自身を含む対象の未来をある程度示すことができる。
その占いが的中するか否かは幸運判定により決定される。

炎の探知機:B
『魔術師の赤』の炎を応用したスキル。
炎は生命エネルギーの象徴であるため、生命に引き寄せられる炎を作り出すことで隠れている敵を見つけ出すことができる。
同ランクまでの気配遮断のスキルを無効化し、気配遮断を持つ敵が攻撃態勢に移った場合はそれを完全に無効化する。

【宝具】
『魔術師の赤(マジシャンズレッド)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:20
生命が持つ精神エネルギーが具現化した存在。所有者の意思で動かせるビジョン『スタンド』。
たくましい人間の男性のような肉体の上に鳥(猛禽類)のような頭がついた人型スタンド。
NPCはスタンドビジョンを視認することができない。
火炎や熱を自由自在に操る能力を持ち、鉄をもドロドロに溶かしてしまうほど高温。
さらに、キャスターの意思で点けたり消したりすることが可能。
『魔術師の赤』の炎は自然発火の炎ではなく、魔力にによって作り出された炎であり、
したがって、風に流されず重力に逆らえる。水をかけたり真空状態になっても消えない 。
他にも物理的な形状を持つ炎で相手を縛りあげて酸欠で気絶させたり、炎で瞬時に穴を掘って退避するなど、
様々な場面で応用が効く宝具。

『そして、集いし流るる星達(スターダストクルセイダース)』
ランク:A+ 種別:対DIО宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
固有結界を展開し、DIOを倒すためにエジプトのカイロへの旅路を共にした仲間(空条承太郎、ジョセフ・ジョースター、花京院典明、ジャン・ピエール・ポルナレフ、イギー)をサーヴァントとして召喚する。
彼らが歩んだ旅路は語り継がれており、今では全員が英霊となっている。
心象風景はエジプトの砂漠。6人のスタンド使いが揃った場所であり、エジプトは旅の終着点でもある。
キャスターは厳密には魔術師ではないが、彼ら全員で心象風景を共有し、全員で術を維持するため固有結界の展開が可能となっている。
固有結界と強力なサーヴァントを5人も召喚するという特性上、魔力の消費が重く、使用できる回数は限られる。

また、この旅に関わった『スタンド』はほとんどがタロットの大アルカナやその起源の暗示を象徴した名前と能力を持ち、
同じ名前と能力を持つスタンドは見られていないという逸話から、
結界内では同じタロットの暗示を受けた能力を持つ者は二人以上現界することができないという弱点がある。
そのため、敵にタロットの暗示を受けた者がいると、それに対応する仲間は召喚されず、結界も維持しづらくなってしまう。
ペルソナシリーズを例にとると、『愚者』に属するペルソナが敵にいればイギーが召喚されない。

【weapon】
  • 宝具『魔術師の赤』のスタンドビジョン
スタンドで格闘戦を行うことが可能。
ステータスはサーヴァント換算で、
筋力C、耐久C、敏捷C相当。
ただし、火炎を操る能力が主になるため、能力はそこそこ。

【サーヴァントとしての願い】
マスターを守る。

【人物背景】
生まれつきのスタンド使い。
生真面目で意志の強い頑固な性格をしており、ジョークの類を一切言わない上に苦手とするが、指導力と人を引っ張る魅力がある。
自らを「ギャンブルには向いておらず結構熱くなるタイプ」と評している。このような人柄から、柔軟な思考を持つ者はベストパートナーである。
一方で、敵へイタズラをするために仲間を立小便に誘ったりと、豪快な一面もある。

職業は占い師。かつて空条承太郎による邪悪の化身・DIOを討つ旅に同行した。
承太郎と出会う以前にその優れたスタンド能力に目を付けた邪悪の化身・DIOから仲間に勧誘されている。
占い師という職業柄誰かの話を聞く機会が多いためか、若しくは古書集めの趣味の賜物か、ジョースター一行の中でも特に様々な分野において博識で、敵のスタンド使いについて自分が知っている情報を仲間内に提供する事で実質的に一行のブレイン的な役割も担っていた。
しかし、最期はDIOの側近の攻撃から仲間を庇い、両腕を残して亜空間に飲み込まれ、死亡した。

マスター補正により、幸運が大きく上昇している。


【マスター】
東條希@ラブライブ!

【マスターとしての願い】
なぜ再現された東京に召喚されたのかを知りたい

【weapon】
特になし

【能力・技能】
運がいい。
タロット占いがよくあたり、過去では処世術として使っていた。
魔力面では、魔術師には劣るものの、霊感が強く、パワースポット巡りなどスピリチュアルなことに長年触れてきたのでそこそこある。

【人物背景】
国立音ノ木坂学院に通う三年生、スクールアイドルユニット『μ's』のメンバー。
基本的におっとりしており、似非関西弁を話す。

パワースポットや占いに傾倒する不思議系スピリチュアルガール。
が、メンバーに対して胸をわしわしと触るセクハラ親父な面もある。
運がいいことが自慢でくじ引きでハズレを引いたことはないらしい。
チャームポイントは大きなバスト。長所は美味しそうに物を食べられることと感動屋なところ。
占いはタロットカードを使う。
神田明神で巫女服を着て掃き掃除などの簡単なお手伝いしている。

幼い時から霊感が非常に強く、自分にしか見えない霊や霊獣が見えていた。
現在ではぼんやり見える程度らしい。

【方針】
キャスターとともに行動する

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最終更新:2015年01月25日 11:42