零崎曲識&アーチャー ◆3SNKkWKBjc
『月の出ない夜に出る紅い月が願いを叶える』
聖杯戦争の切っ掛けとなるこの噂はありとあらゆる人間に伝えられた。
幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生。
教員、教師。
警察官、刑事。
消防隊員、救急隊員、自衛隊隊員。
政治家、公務員、弁護士。
料理人、技術者、研究員、教授。
駅員、ドライバー、フリーター、主婦、サラリーマン。
何の職務にも属していない人間。
戸籍のない人間。
奴隷のような人間。
人ではないもの。
人だけども人の形を取っているだけで人ではないもの。
化物。
様々な人間の耳へ噂話は入りこんでいった。
当然、もちろんのこと。
『殺人鬼』にも噂を耳にする権利はあった。
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
『殺し名』の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
彼らは『零崎一賊』と呼ばわれている。
零崎曲識もその一人。
最も彼は、零崎の中でも異常かつ確固たる信念を以ってベジタリアンとなった殺人鬼。
そうなった原因でもあり、理由でもあり、動機でもある
ある少女のことを彼は思い出していた。
噂話と少女を重ね合わせていた。
彼女は『赤』であると表現しても過言ではない。
人類最強
人類最強の請負人
赤き征裁
死色の真紅
数々の異名の中にも、そして彼女自身も『赤』が必要不可欠であった。
曲識はもう一度『彼女』と再会するその日まで少女だけを殺すと宣言した。
そして、今日まで少女以外殺した事はない。
何故『彼女』に執着するのか?
『彼女』が曲識の初恋だった以外、理由は果たして必要なのだろうか。
零崎曲識は例の噂話に登場する『紅い月』とは彼女のことだと連想していた。
あらゆる願いを叶えられる紅い月――なんて非現実的な夢物語ではなく。
あらゆる依頼を請け負う赤い女ならば、あぁきっと『彼女』だ。納得できる。
しかし、表の世界で自棄に噂立っているのは一体どうしてだろう。
『彼女』なら仕方ないの一言で済むのは一種の法則だが
これは異常だ。
異常の中の異常であり、異常事態のなんでもない。
それとも――彼女の名を騙り、何者かがやらかしているのかもしれない。
本物でも偽物でも、彼女と再会することが叶うならば……
必要はない。
何もする必要はない。
零崎曲識は根拠もなく、いつかきっと彼女と再会できると奥底で淡い希望を抱いていた。
まるで偶然に、それでいて運命的に、しかし必然の再会があると信じていた。
だが。
だけども。
それでも。
そうだとしても。
殺人鬼は世界の片隅で想った。
「哀川潤」
彼女の名前を呟き、思う。
会いたい。
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
月が見えるはずのない空間で、紅い月が見えた。
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
『紅い月』
その正体は『英霊』だった。
聖杯戦争においてサーヴァントと称される『赤』の存在が出現し、高らかに問いかけた。
「私は『アーチャー』の英霊として馳せ参じた雑賀衆頭領・雑賀孫市だ。問おう、お前が私の契約者か」
雑賀孫市。
戦国時代に名のあった人物だが、果たして認知度としてはいかがだろうか?
少なくとも曲識は知らなかった。
それよりも、彼女もまた『赤』を彷彿とさせる英霊。
ふむ、と曲識は彼女を眺めてから口を開く。
「お前が噂の『紅い月』だったという訳か……」
「……どうにも変わった解釈をする男だな」
確かに『赤』を象徴する英霊・アーチャーだが、曲識の求めている『赤』ではなかったのである。
「人を探していたんだ。お前と間違えてしまったらしい」
「だが、私と契約する以上――お前は『聖杯戦争』の渦中にいる」
戦争。
無差別殺人をかがげる曲識にとって、いや。
すでに『戦争』を体験した曲識にとっては無縁であり続けたかったものだ。
「戦争はしたくない」
「望みがあるのにか」
「お前が戦地で活躍した英霊ならば『戦争』がいかなるものか理解し、体験しているはずだ。
僕は五年前の『大戦争』を、あの途方もない『赤』さを体験したからこそ言える」
聖杯戦争。
恐らくアレに匹敵するか、二の次になるのか、なんであれ末恐ろしい戦争となるのだ。
一見すれば『戦争』をした兵士に見えぬ曲識であるが
語る言葉の重みで『戦争』の情景を知っているとアーチャーは感じる。
「お前の意思は理解した。ならばどうする。ここは戦場だ」
「生きて帰る」
まだ『彼女』と再会できていない。
「死ぬ訳にはいかない」
『家族』を心配させる訳にもいかない。
「臆病者だと罵られようとも構わない。僕は誰も殺さないし、いざとなれば逃げる。
『逃げの曲識』の異名通りのままであり続ける。それが僕だ。だから――」
「お前が戦って欲しい。アーチャー」
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
「我らは弱い者は認めないが――高く評価するならば契約の誓いを立てよう」
アーチャーは銃を天に掲げ、三回発砲する。
その銃声は、世界の全てに響き渡った。
銃を天へ向けたまま、アーチャーは高らかに宣言した。
「我ら、誇り高き雑賀衆! 只今より契約の紅い鐘を執行する!
響け! 我らが炎の音を打ち鳴らせ!!」
瞬間。
戦場の銃声の如く数多の鐘の音がどこからともなく響き渡る。
まるで、一斉に飛び立った幾千羽の群れが空を黒く染め渡るかのように。
英霊の鳴らす鐘は曲識でさえも知らぬ神秘的な音色であった。
鐘の音が響く中、アーチャーは語る。
「これは我らが心、我らが炎、我らが命の誇り。命の炎が尽きるその瞬間まで、お前の力となろう」
「ただ、一つだけ言っておこう」
「我らは君主を持たない」
「そしてお前を君主と思うつもりもない」
「我らの君主は誰でもない、我ら自身だ。この生き様こそ、我らの誇り」
その言葉を聞いて、曲識は驚く。
別の意味で驚いた。
同じような言葉を知っている。
似たようなセリフを呟いた『少女』を知っている。
――あたしを主人と呼んでいいのはあたしだけだ!
だからアーチャーだったのだろう。
召喚されたのは『少女』を想っただけで、『少女』を思うが故にだったのか。
それを知った曲識は少しだけ笑みを浮かべた。
「あぁ、それは――悪くない」
【クラス】アーチャー
【真名】雑賀孫市@戦国BASARA
【性別】女性
【属性】秩序・中庸
【パラメーター】
筋力:E 耐久:D 敏捷:A 魔力:C 幸運:C 宝具:C
【クラススキル】
単独行動:B
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
Bランクの場合、魂に致命的損傷を受けても短期間ならば生存できる。
対魔力:C
魔術に対する抵抗力。 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
【保有スキル】
騎乗:E
乗り物を乗りこなす能力。
戦国時代に生きた英霊の為、馬くらいは乗りこなせる。
心眼(真):B
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
カリスマ:C
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
戦闘続行:B
名称通り戦闘を続行する為の能力。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
【宝具】
『煙鳥翔華』
ランク:C 種別:自身 レンジ:- 最大捕捉:-
戦闘を行いながら武器を作成し、切り替える雑賀孫市の十八番。
マグナム、ショットガン、マシンガン、手榴弾、ロケットランチャー、操作可能な導火線。
これらから選択する事が可能である。
『八咫に羽ばたけ雑賀黒鳥』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
傭兵集団雑賀衆による援護射撃。アーチャーが信号弾を発射後、宝具は展開される。
宝具展開時、また誓いの鐘の音を鳴らす時、集団の姿は見られないが
雑賀衆は一個体を雑賀衆と見るのではなく幾千の集団一つを雑賀衆と認知している為
彼らはアーチャー・雑賀孫市と共にあり続けている。
【人物背景】
傭兵集団雑賀衆の三代目頭領。
非常に用心深く、感情にも流されず、雑賀衆を高く評価する者とのみ契約を結ぶ。
誰と契約しようとも決して屈せず、己の生き様を貫く。
先代の雑賀孫市は
織田信長に殺された。
先代は彼女の恩師であり、特別な人物であった。
彼女には信長への憎しみと恨みが残り続けている。
彼女はまだここに『織田信長』がいることを知らない。
【サーヴァントとしての願い】
彼女は契約に乗っ取るだけである。
【方針】
生き残る方針の曲識を安全を優先させる。いかなる相手の戦闘も躊躇はしない。
【マスター】零崎曲識@人間シリーズ
【参加方法】
紅い月が初恋の『彼女』だと思い込み、彼女との再会を願った。
【マスターとしての願い】
生き残る。
【能力・技能】
音使い。
精神感応と衝撃波の二通りの技術を保有する。
またあるいは楽器を凶器にして殺す。
楽器がなくとも、声が『音』である以上、ある程度の会話を交わす事により相手を支配することも可能。
人間なら効果はあるが、人間ではないものには通じない。
サーヴァントにどの程度まで音の力が通じるかは不明。
殺人鬼故にスキルでいう精神汚染に匹敵する精神の持ち主。
【人物背景】
最も敵に回すのを忌避される醜悪な軍隊にして、最も味方に回すのを忌避される最悪な群体、零崎一賊の一人。
少女しか殺さない為『少女趣味』、無差別殺人を嫌う為『逃げの曲識』の異名を持つ
天然で思いこみが激しい音楽家たる殺人鬼である。
【方針】
サポートや逃げに徹底する。ただし『少女』は殺す。
最終更新:2014年12月21日 15:45