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無常矜侍&モンスター ◆ninjMGPkX6



 ――飢(かつ)えている。
 その感覚が全てだった。


 彼は没落した名家の子息としてスラムで育った。
 満足な食事もなくガラクタの中で暮らす彼は、餓えていた。
 故に欲した。自らを満たすものを。

 彼が唯一持っていたもの、それはほんの僅かな力。「根源」の間近に位置する世界へアクセスする、アルター能力と呼ばれるもの。 
 その力を引き出すため精製……人工的な強化を受けた際、彼は見た。
 向こう側の世界より溢れ出る無尽蔵の力を。

 精製されたことで彼は力を得た。だが足りない。飢えは埋まらない。
 精製で得た力など、あの無尽蔵の力に遠く及ばない。
 故に、全てを望む。

 そして彼――無常矜侍は見た。
 二人のアルター使いの激突が向こう側の世界への扉を開いた際に輝いた、紅い満月を。
 その月は、かつて東京だった地域を残す大地――ロストグラウンドを照らしていた。


   ※   ※   ※


「ここが、聖杯戦争の舞台のようですねぇ」

 首に絞めたネクタイを締めながら、無常は「東京」を見渡した。
 その視界に映るのは、何の変哲もない住宅街。彼の知る世界で言えば本土にあるような都市。富がある程度行き渡っている風景。
 この場所に餓えはほとんどない。安穏とした生活で満たされている者も多いだろう。

「――足りない。向こう側の世界へ至る道がこんな物だと笑わせる」

 だが、無常は飢えている。
 普通の生活など、彼の餓えを満たすものではない。
 無常矜侍を満たすものはなにか。全てだ。

「私は確かに見ました。
 まるで向こう側の世界を照らすように輝く紅い満月を……いえ、それだけではない。
 その奥に、全てを満たすような何かがあった。
 向こう側の世界の更に奥……まるで全ての源のような何かが」

 無常は思い返すだけで舌なめずりをした。その様子を例えるならば、蛇だ。
 腹を空かせ得物を丸呑みにせんとする蛇だ。

「この茶番もそれを目指すための第一歩、ということでよしとしましょう」

 ウフフ、と気味の悪い笑い声を無常は漏らした。
 ――いや、笑い声は彼一人のものではない。
 もう一つ、不気味な笑い声が地面から浮かび上がって来た。

「ウフフ、向こう側の世界か。俺は見たぞ。真実を」
「……モンスターですか」

 無常の笑みが消えるのと、四つん這いの怪人が現れるのはほぼ同時だった。
 エクストラクラス、モンスターのサーヴァント。その姿は魔物という呼び名が相応しい奇っ怪なものである。
 毛髪のない頭部に接続されたガラスのシリンダーは首で何重にも巻きつけられ、内部で細い何かを――脳髄のようにも見えるものを――漂わせている。
 着ているのは数えきれぬほどの円が描かれた全身タイツだ。
 不気味としか言い様がない装備を纏う顔は、焦点の合わない瞳で虚空を見つめている。

「見せてやろうか、マスター、真実を」
「やめなさい。令呪で縛り付けられたいのですか」
「ウフフフフ……」

 モンスターは首を振りながら、ぼんやりとした笑い声を返した。
 狂っているとしか言い様がない己のサーヴァントに舌打ちする無常の背後……住宅の影に潜む者が、一人。

 狙いを定めてスリケンを構えているのはアサシンのサーヴァント。
 マスターの名を受け、無常を抹殺するべく腕を振りかぶったアサシンは――自らの手から虹色のスリケンが生えてきた事に気付いた。

「…………!?」

 思わず悲鳴を漏らしかけたアサシンだが、それを必死に抑え周囲を見渡す。近くの屋根でのんびりと寛いでいる鳥が目に入る。
 だが鳥は巨大だった。先ほどまでいたはずの雀は、いつの間にか人間すら食い殺すバイオスズメに変わっていた。

「この世界にバイオスズメがいる。おかしいと思いませんか? あなた」

 振り返ったモンスターがゆっくりと歩いてくる。アサシンの方へ。
 離脱を図るアサシンだが、その体にはわらいなく:漫画家、イラストレイター。代表作は「KEYMAN」。新たなる虹色のスリケン……モンスターの武器であるエネルギー・スリケンが生えてくる。
 アサシンは必死にニューロンからゲン・ジツ対策を発掘した。怪しいオブジェの破壊。
 バイオスズメをスリケンで撃墜し、次いで光り輝くタンポポを両断。手に生えたスリケンが消えた。エルフのせんしは光った。
 「どうだ。お前にも真実が見えてきたか」モンスターが笑う。舞台はムーンセル・オートマトンと東京聖杯に再現された山手線区画内の東京です。「グワーッ!」新たに生えてきた虹色の刃がアサシンの左腿を破壊した。
 転倒しながらもアサシンは必死にスリケンを投げる。【クラス】オブジェは次々に破壊されていくが、それ以上の速度で光り輝くオブジェが生まれていく。


【アサシン(名無しのニンジャ)@ニンジャスレイヤー】
[状態]ダメージ(大)、幻惑状態
[装備]ニンジャ装束
[道具]スリケン
[所持金]なし
[思考・状況]
1.ここから離脱



 投下終了です。

 「ア……アイエエエエエエエエ!?」

 歪み続ける風景の前にパニックに陥ったアサシンはこの項目では、テレビアニメについて説明しています。漫画版については「スクライド (漫画)」をご覧ください。この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
 倒れ伏したアサシンの体から、虹色の刃が雨後の筍のように生えていく。もはや爆発四散するのを待つだけとなったその体に、無常はゆっくりと歩み寄った。

「もういいでしょう……アブソープション!」

 半ば死に絶えていたアサシンの体が分解され、無常の口内へと吸い込まれていく。咀嚼するように口を閉じた無常は、つまらなげにアサシンの体があった場所を一瞥した。

「……サーヴァントとはいえ、クズはこんなものか」

 体がサーヴァントを構成する大量の魔力で満たされたにも関わらず、無常は未だ飢えている。モンスターは首を傾げながら笑った。

「そうか。マスターにはまだ見えないか。真実が。
 じきに見えてくるぞ。聖杯を取ればマスターにも真実が見える」
「フン…………」

 無常は答えを返さない。モンスターが狂っているのは明らかだ。しかし、その力は認めざるを得ない。
 なにせモンスターと相対するだけで相手のサーヴァントは怯え戸惑い、いきなり生えてきた刃物に切り裂かれ死んでいくのだ――ゲン・ジツの範囲内にいない無常にはそう見えた――尋常な力ではない。

「モンスターが倒したサーヴァントを、私がアルターで吸収する。
 さすがにサーヴァントの能力は手に入らないようですが、勝てば勝つほど私の魔力は高まっていく……
 このアルターがある限り、モンスターの無敵は盤石です。
 聖杯を得た私は向こう側の世界へ――そして、その更に奥へと辿り着く! ウフフフフ!」

 手を広げながら無常は笑う。
 彼のサーヴァントと同じ、狂った笑顔を浮かべながら。


【クラス】
モンスター

【真名】
メンタリスト@ニンジャスレイヤー

【ステータス】
筋力C 耐久C- 敏捷A 魔力B 幸運D 宝具B

【属性】
中庸・悪

【クラス別スキル】
根源接続:E
万物の源たる「根源」と繋がった異能力者の証。
低ランクでもスキルに凄まじい補正が加えられ、Aランクともなればもはや全能者。

コトダマ空間の深奥でインクィジターの攻撃を受けたメンタリストは、真実を見た。

【保有スキル】
精神汚染:A+
精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術をほぼシャットアウトする。
ただし同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。
このサーヴァントは「根源接続」を持っている限り、このスキルを外せない。

気配遮断:B-
ステルス装束を使用した気配遮断。時間制限がある。
ただしゲン・ジツを使った状態ではBランクに留まらない。

話術:C
弁論の上手さ。相手の感知判定にマイナス補正を与える事ができる。

ゲン・ジツ:B+++
周囲に特殊な力場を形成し、範囲内の者の知覚や精神を乱す。
「根源接続」で強化されたゲン・ジツはもはや形容不可能。

【宝具】
「我が真実を見せる光(ディセンション・ダマシ・ニンジャ)」
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:無限 最大捕捉:ソウル憑依者

モンスターがその身に宿すニンジャソウル。
ディセンションによりモータル(常人)を半神存在たるニンジャに作り変える。
このニンジャソウルはダマシ・ニンジャクランのグレーターニンジャのものであり、幻や情報操作による幻惑を得意とする。

モンスターのステータス・スキルのほとんどはこの宝具由来のものである。
また別の効果として、相手マスターにステータスやスキルを視認される際に偽の情報を見せることが可能。

【Weapon】
ガラスシリンダー
ステルス装束

【人物背景】
ザイバツ・シャドーギルドのニンジャ。
白兵戦にも秀で、脳波で操るエネルギー・スリケンは攻防一体の性能を備えている。
元々は不気味ながらも落ち着いた人物だったが、転送事故でコトダマ空間の深奥に落ちた際に謎のニンジャ・インクィジターから攻撃を受け発狂した。
しかし、その後再登場した際は以前と比較にならない戦闘力を得ていた。

モンスターのクラスで召喚された彼は、発狂以後の能力・及び人格で固定されている。

【サーヴァントとしての願い】
ありとあらゆる存在に対して真実を見せる。

【方針】
発狂しているものの作戦を理解し命令を効く程度の理性は残っているため、基本的には無常に従うだろう。
もっとも、いつ無常に「真実」を見せようとしてもおかしくはないが。


【マスター】
無常矜侍

【マスターとしての願い】
聖杯を使うことで向こう側の世界、そしてその奥に見えた何かへと到達する。

【weapon】
なし

【能力・技能】
周囲の物質を分解し己のエゴに合わせた形で再構築する異能「アルター能力」の持ち主。
無常矜侍のアルターは相手のアルターを吸収して変質させる「アブソープション」である。
魔力で構成されているサーヴァントも吸収可能だが、対象が瀕死の状態でないと通用しない。
能力を得ることもできないが、自らの魔力とすることは可能である。

【人物背景】
日本本土からロストグラウンドへと送られてきたアルター使い(ただしこの無常はロストグラウンドへ向かう前に聖杯戦争へと参加している)。
「全てを手に入れること」を目標とし、作中で様々な策謀を巡らせている。陰険な性格を表すかのようなその策謀はカズマや劉鳳の怒りを買った。
最終的には向こう側の世界にたどり着いて満たされたが、その直後にカズマによって倒された。

【方針】
無常、メンタリストともに屈指の実力者であるため一対一では極めて有利だが、さすがに複数組が相手では心もとない。
そのためサーヴァントを一人ずつ確実に撃破し、倒したサーヴァントを吸収して自らの魔力とする事で長期戦に持ち込む。
同盟を結んでいると思しき相手には策略を用い、分断した上で各個撃破する。

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最終更新:2014年12月21日 15:55