ディアボロ&コマンダー ◆dM45bKjPN2
───男の話をしよう。
男は人生の中で、全てにおいて臆病だった。
己の扉は重く堅く、鉛の如き城門を。
己への道は深く長く、迷路の如き回廊を。
その姿は影の中。夜中の如き暗闇に。
しかし、闇とは何れ暴かれるもの。
邪悪な闇なら尚更だ。
臆病な男を暴いたその先は、覚めることのない、結果の無い無限地獄。
囚われ続けたその先に、あるのは光かそのまた地獄か。
『覚めない夢はない』と言われるが、さて。
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とあるビルの屋上にて───男は、月を見上げていた。
今度は紅い月。月なんて真面目に見たのは何時以来か。
「……ハァーッ!ハァーッ!」
そして。
我に戻った男は、怯えるように地に平伏す。
親と逸れた子供のようにキョロキョロと辺りを見回し、雷に怯える子犬のようにブルブルと震えている。
今の男を一言で表すなら───『惨め』。
その一言に尽きた。
「今度は何処だ……!上空から『飛行機』でも降ってくるか?
それともこのビルごと『倒壊』するかーッ!?」
不様に喚き立て、床を転がる。
コンクリートの床はとても冷たいが、男はそんなことすら気にしない。
まるで、今すぐに災厄が訪れるかのような慌てぶりで転がっている。
「わかっているぞ、どうせ次はその影から───ァ、ハッ!!!???」
機関銃のように喚き立てる男の胸に、痛みが訪れる。
具体的に言えば、熱。
胸に現れた刻印が、熱を発している。
胸を焦がす熱は、恐慌状態の男の精神を追いやるには十分だった。
「ァ、そうか、次は焼、くのか、ふざけるな、死にた、くない……!
オレはッ!オレはッ、こんなことでェーーーーーッ!!!」
───絶叫。
静かな街に男の悲鳴が轟く。
そして。
「ハァー、ハァー……」
痛みが引いた。
が、精神は未だに恐怖の中にある。
逃げなければ。
逃げなければ、逃げなければ。
逃げなければ、また殺される。
恐怖で上手く機能しないのか、足がもつれて床に激突する。
だが、そのまま男は腕を使い匍匐前進の要領で進む。
立ち上がる時間すら惜しいのか。
それとも、恐怖心に煽られた心が止まることを許さないのか。
───そこに。
「……お前が私のマスターか?」
化物が、立っていた。
肌は白く、背は高く。
身体つきからして性別は女性なのだろう。
手に持った禍々しい杖からは威圧感が。
そして一番の特徴は───その髪の毛が、蛇だったのだ。
「お前か」
男は、呟く。
ジリジリと迫る化物に、男は尻餅をつき後ずさる。
「お前がオレを殺すのか」
近寄るな、と男は呟く。
化物は意にも介さず、接近する。
男はもはや呻き声を発することしかできない。
そして。
最後の体力を込めた、絶叫が響く。
「オレのそばに近寄るなああ───ッ!!!」
ぎゅっ、と。
男が絶叫の後に感じたモノは、暖かさだった。
長らく感じていなかった、人間の温もり。
「───私はおまえを殺さぬ」
男は、抱き締められていた。
蛇の髪と青白い肌に、男は包まれていた。
化物は、語る。
「ああ、無限地獄に囚われた人間よ。
小賢しい者の手で全てを変えられた悲劇の者よ。
私には───おまえの悲しみがわかる」
漏れる声は、美しかった。
思わず聞き惚れてしまう程の、その美声。
見た目からは想像が付かぬその美しさ。
「悔しかったろう。怖かったろう。悲しかったろう。辛かったろう。
もう怯えなくても良い。
おまえの悲痛な願いは、この私が聞き遂げた」
同情ではない。
これは、共感。
光によって追いやられ、全てを変えられた───その痛みを、理解したのだ。
「私のクラスはコマンダー───マスター、おまえの名を教えてくれるか?」
男は、抱き締められたまま口を開く。
かつての威厳はもはや無く。
そこに宿るのは、1人の男としての弱さ。
「───『ディアボロ』。オレの名は、ディアボロだ」
どれほど磨耗したのだろうか。
あれ程隠し通してきた情報を、ディアボロはするりと口から発した。
「……ディアボロよ。これは私とおまえの、プライドを賭けた戦争だ。
───共に、我等の”威厳”を取り戻そう」
化物……コマンダーが囁く。
ディアボロは、ただただ頷くのみだった態度から、徐々に自我を取り戻していく。
「オレは───『結果』に辿り着くことができるのか……?」
「ああ」
「オレは、生き延びられるのか……?」
「そのための、戦いだ」
ディアボロの瞳に、活力が戻ってくる。
依然心に張り付いた恐怖心は振り払えていないものの、活動の意思が戻ってきていた。
そして。
「頼む、コマンダー───共に、闘ってくれ」
かつてのディアボロならば、想像もつかないことを零した。
『結果』に辿り着かない、死の『過程』に捕らわれたことは、彼の心を蝕んでいた。
およそ、これが最後のチャンス。
これを逃せばディアボロは、一生死に続けることだろう。
「ああ───愚かな人間ならば、私らここでおまえを殺していただろう。
しかし、おまえは違った。
おまえは私の同志だ」
答えるコマンダーも、これが最後のチャンス。
愚かな人間に仕えるつもりなどないし、そしてコマンダーが認める人間などこの男を除いて1人として存在しないだろう。
「行くぞ、ディアボロ。
───私達には、まだやり残したことがある」
そして。
男と化物は、再び死闘の渦中へと飛び込むこととなる。
願いは一つ。
───我の全てを変えた者に、天罰を。
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───女の話をしよう。
女は生まれた頃から美しかった。
つま先から頭髪まで、聖女の如きその美貌。
見惚れた者から粉々に。美しいものには棘がある。
美女にして魔女。
裁定者にて処刑執行人。
しかし、罪とは巡り帰ってくるもの。
程なくして、その悪行は己に帰ってきた。
醜き精神はその姿に。蛇の如き執拗さはその髪に。
魔の女神は変貌する。美しき姿を化物に変え。
己を醜き姿にした女神に死の報復を。
天界を揺るがした大罪人。
その名を───メデューサ、と言った。
【クラス】
コマンダー ”指揮官”のサーヴァント
【真名】
冥界女王メデューサ@新・光神話 パルテナの鏡
【パラメーター】
筋力D 耐久C 敏捷E 魔力A+ 幸運C 宝具A+
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
指令:A
指揮官としての指揮性能。
一つの世界の女王として君臨した彼女は破格の性能を誇る。
このランクならば、己の配下を手足のように自在に動かせる。
配下生成:B
指揮官としての配下生成性能。
魔力を消費することで生前従えた数々のザコ魔物を召喚することができる。
【保有スキル】
陣地作成:B
魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。
コマンダーの場合、魔力を溜め込み配下を作る「冥府界」を製作可能。
冥府:B
冥府界において君臨した彼女の持つスキル。
彼女の陣地内において、彼女の把握できない場所はない。
【宝具】
『冥府造りし我等の魔』
ランク:B 種別:- レンジ:- 最大補足:-
生前コマンダーが作り上げた冥府軍のボスを召喚する。
ただし召喚できるのは一体ずつで、その一体を自分で戻すか相手に消滅させられるかしなければ次のボスを召喚できない。
そして、召喚できるのは下記のボスのみ。
- 魔獣ツインベロス
- 三つ首竜ヒュードラー
- ビッグ死神
- 邪神パンドーラ
- 魔神タナトス
『忌むべき呪いの蛇女王』
ランク:A+ 種別:- レンジ:- 最大補足:-
己の姿を一つ目の巨大な首だけの蛇へと変貌させる。
この宝具は『冥府造りし我等の魔』を封印しなければ使うことができず、魔力消費も膨大になる代わりにパラメーターを以下のものに変貌させる。
筋力A 耐久B 敏捷A 魔力C 幸運E 宝具A+
また、元の姿に戻ることも可能。
コマンダーはこの姿を嫌っており、滅多なことがなければこの姿を見せることはない。
【weapon】
『杖』
彼女が使用する武器。
肉弾戦にも使用することができる。
【人物背景】
新・光神話 パルテナの鏡に登場する冥府軍の指導者。
顔立ちは美しい女性ながら、不気味な青白い肌とヘビになった頭髪を持つ。
これは過去にパルテナから掛けられた呪いによるものであり───それこそが、今回の聖杯戦争に参加した理由である。
元は黒髪の美女だった。
25年の時を経て復活したメデューサは、パルテナへ復讐のため天界、人間界へと進攻する。
が、メデューサが蘇ったのは己の力ではなく、冥府神ハデスの手により蘇らせられただけで彼女はそのことを知らなかった。
そして後にハデスに「用済み」と始末され、冥府界に散る。
が、しかしラストにおいてもう一度復活し、かつて敵対したピットの手助けをし、また消滅した。
彼女が聖杯戦争に参加した理由は、己を醜い姿に変えたパルテナへ復讐するため。
が、愚かな人間・魔術師などに仕えるつもりはなく召喚次第魔物にでも手足を食わせ利用する予定だったが、マスターを見て思想を変えた。
『光』の持ち主に全てを奪われ、苦しみを味わった者同士。
美しかった黒髪は醜い蛇に。絹のような柔肌は罅の入った白い肌に。
『美貌』を奪われ『醜さ』を与えられた彼女が、
『結果』を奪われ『過程』に取り残されたディアボロを認めるのはまた当然と言えた。
この戦争は、彼らの”威厳”を取り戻す物語。
『絶頂/美貌』は、再びこの手に。
【マスター】
ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険。
【マスターとしての願い】
この死の『過程』から抜け出したい。
【weapon】
スタンド 『キングクリムゾン』
しかし弱りきっているため使用できるかは不明
【能力・技能】
『時を吹き飛ばす』能力と『未来を視る』能力。
『過程』を吹き飛ばし『結果』だけが残る───が、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムによって『結果』に辿り着かず『過程』に取り残された彼にとって果たしてスタンドは発動できるのか。
【人物背景】
彼の正体や経歴、素性は全ての人間にとって謎であり、彼の正体を探ろうとする者は容赦なく、冷酷で計算されつくした残忍さを演出して警告したのち始末している。
その手腕や強力過ぎるスタンド能力に反し、自分の来歴が表に出ることを極端に恐れる小心な一面を持つ。
最終決戦においてゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに敗北し『結果に辿り着かず死に続ける』ことになった。
彼はその頃から参戦。
故に死への強大な恐怖感を抱いている。
かつての威厳は、もはや存在しない。
【方針】
コマンダーと共に生き残る。
死にたくない。
最終更新:2014年12月25日 19:07