一之瀬はじめ&セイヴァー ◆3SNKkWKBjc
あなたは噂話を信じるだろうか?
ましてやそれが、都市伝説じみた噂話を――
地域や場所や世界観によるかもしれないが、一般常識的な世界では『ありえない』の一言で済まされる。
一時、口裂け女や人面魚が実在すると新聞やニュースで取り上げられ、警察沙汰になった世界もあると聞く。
が、結局その世界もソレらを都市伝説であると認知し、平和に事なき終えたと云うのだから。
きっと、都市伝説を間に受ける人間なんて世間を知らぬ子供程度だ。
赤い月。
実際、赤い月は現実で見る事が可能である。
原理は夕日と同じく、赤色が我々の目に届くことによる現象
と、科学的な説明ができるほどだ。
しかし、新月。あるいは本来、月のない場所で赤い月を目にするのは無理があった。
さらに、月によって別世界へ導かれ、そこであらゆる願いが叶えられるなど
やはり現実的ではなかった。
だから、この話は噂話なだけで
それ以上もそれ以下もなく、話題の一つとして弄ばれているに過ぎない。
誰も信じなかった。
「なぁ、知ってる? 『紅い月』の話」
「知ってるけどさーどうしてそんな話が広がっているんだ? テレビとかで話題になった訳??」
ここでも二人の男子生徒が噂話を口にしている。
どちらも信用性もない話を弄んでいるらしい。
彼らの脇を通り、学校の屋上へ足を運んで行く女子生徒が一人。
お気に入りの手帳とお弁当を手にし、さわやかな風が吹き荒れる中。
彼女は呟く。
「うーん……『紅い月』かぁ」
芝生のある屋上に寝転がりながら、空を見上げた。
「なんだか、おもしろそうっすねぇ~」
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
かつて『紅い月』の元で二人の英雄たる者が己の理想が為に戦った。
二人の戦いは熾烈を極め、山を消し、海を裂き、大地を揺るがし、一種の天変地異を巻き起こし
壮絶な死闘はまるで神話の世界のようである。
ようやく決着がついた時にはもう、全ての結末が決定されていた。
一人は平和の礎を築いた英雄として称えられ
一人はその平和を破壊の脅威を纏った裏切り者として伝えられ
今日に至る。
だが、どちらもこの結末は納得していない。
どちらも結末よりも先の未来を、その先の夢を思い描いていたのに。
全てが奪われた。
否、それも違う。
英雄として称えられた男はそれよりも、もっと大切な事を望んでいた。
自身の手によって殺し、全てを終わらせてしまった彼と、友と平和な世を作り続けたかった。
互いに平和を望んでいた。
だからこそ、一時期であれ争いもない平和を実現しえたのである。
なのに何故。
何故、このような結末になってしまったのだろう。
やり残したことは両手では数え切れない。
やらなくてならないことが山ほどあるというのに――
全てを後の世代に任せる他ないのか……
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
「すごいっす! やっぱり『紅い月』の噂は本当だったんっすね!!」
女子生徒こと一ノ瀬はじめ。
彼女は遊園地に来た子供のように興奮していた。
はじめは『紅い月』の噂話を真に受け止めた数少ない人間であり
マスターたる資格を持ち合わせていたのである。
聖杯戦争。
マスター。
サーヴァント。
聖杯により再現された『東京』。
そして何より――『ありとあらゆる願いを叶える願望機たる聖杯』が実在する事。
「本当に何でも願いが叶っちゃうんっすか! これって超すごい事じゃないっすか!!
聖杯にお願いしちゃえば、かわいい文房具が欲しい放題で、勉強しなくてもいい点取れちゃったり
あ! 総理大臣にもなれちゃうんすか!? うひょー! すごいっす!!」
何とも底の浅い願いばかりを口にするはじめだが
彼女が選ばれた以上、聖杯に導かれない者に彼女を咎める術もないのだ。
だが、はじめはうーんと唸る。
「でも、僕って魔法使いじゃないんすけど……いいんすかね?」
本来、聖杯戦争は魔術師たちが行う聖なる戦争なのだ。
一方のはじめは、何からどう見てもたたの女子高校生。
「もしかして、魔法使いの才能あるってことっすかね?」
彼女のどうでも良い疑問に答える声はない。
ただ、誰もいないはずの空間に一つの存在が音もなく出現した。
はじめは気づく。
「僕のサーヴァントさんっすか? 僕、はじめっす!」
風貌は古典的な印象を醸し出している。
しかしながら雰囲気は決して英霊や偉人たる特徴的な重みは一切なく。
はじめでなくとも容易に話しかけられそうな、そんな印象を与えていた。
「『セイヴァー』とし召喚された千手柱間だ」
「『セイバー』さんっすか? 剣持ってないっすよ」
「ははは! 『セイバー』ではない。本来あらぬ『セイヴァー』よ」
「よく分かんないっすけど……セイヴァーさんっすね! よろしくっす!!」
本来あるべきものではないエクストラクラスと称させるもの。
『セイヴァー』とは。
はじめが勘違いした通り、『セイバー』ではない。
文字通りの「救済者」にして様々な由来が存在しえる。
この世でただひとり、生の苦しみより解脱した解答者
地上でただ一人、生命の真意に辿り着いたもの
覚者であること。
そして何より
『セイヴァー』を召喚する者は、善悪はどうあれ『人類を救う』理念に基づいた人物である事。
「俺は『セイヴァー』たる英霊ではないがの」
「何の事っすか?」
「……はじめと言ったか、聖杯に何を願うつもりぞ?」
「んーそれなんすけどねぇ~僕、願い事ありすぎて困ってるんすよ! もうちょっと考えさせて欲しいっす!!」
「おお、そうか。まだ時間はある。焦らず考えるといい」
深刻に唸るはじめ。
しかし、唐突にセイヴァーへ問いかけた。
「セイヴァーさんのお願い事ないんすか?」
望みがない、訳ではない。
「後悔はある。だが、先の未来を過去の者が物言う通りものではあるまい。夢は後の世代に託したのだ」
「そうっすかー」
短絡的に受け止めたはじめだが、しばらく唸って言う。
「でも、やっぱり願い事あるなら叶えた方が良いっすよ!」
彼女は何も考えていない訳ではない。
無論、世界のことや他人のことを真剣に考えている。
何を考えているか分からないと理解されないことも多いが、決して無鉄砲に飛びださない。
「自分の夢は自分で叶えたいからいいじゃないっすか!
それが皆の為になるってセイヴァーさんが考えているなら叶えたっていいと思うんすよ、僕は」
「……しかしだの」
「僕はセイヴァーさんの夢を信じるっすよ! 大丈夫っすよ!!」
はじめは何でもないただの女子高校生に過ぎない。
英霊の願いを『正しい』と信じたところで何も保証はなかった。
彼女は神でなければ、この世の理でもないのだから。
だが。
事情も知らずとも、巡り会ったマスターなだけでも、彼女は親身に「信じる」と声をかけた。
里の長として慕われるソレとは全く異なる想いだった。
「――そうか」
過去の身であろうとも関係はない。
聖杯戦争では、過去の身であろうとも願いを叶える英霊たちが集う。
セイヴァーもその一人。
「面白い事を言うの、マスター。そうだの、一つ考えておくとしよう」
「あ! じゃあ、僕も願い事思いついたんで聞いて貰ってもいいっすか?」
「ほお? 聞かせてくれ」
「僕、セイヴァーさんとデートしたいっす!!」
説明するまでもなく、とんでもない沈黙が流れた。
「一緒に遊園地行ったり、美味しいもの食べたり、カラオケしたり、買い物したり
色々遊んで欲しいっす! 僕、もうワクワクしてきたっす!! きっと楽しいっすよ~!」
真剣に悩んだ末のマスターの願望に、何故かセイヴァーは落ち込む。
「マスター……俺はおっさんぞ」
「だってセイヴァーさんってすごい英雄なんすよね? そんな人とデートするってすごいことっすよ!!」
「孫もおる」
「駄目っすか?」
「駄目ではないがの。もう少し考えようぞ……」
「んー駄目っすかねぇー」
【クラス】セイヴァー
【真名】千手柱間@NARUTO
【属性】秩序・善
【ステータス】
筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:C++ 幸運:C 宝具:A
【クラス別スキル】
菩提樹の悟り:C
物理、概念、次元間攻撃等をランク分軽減し、精神干渉は完全に無効化する。
【保有スキル】
カリスマ:A+
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
Aランクともなれば人として最高位のカリスマ性。A+は既に魔力・呪いの類である。
仙術:A
自然エネルギーを取り込み成り立つ能力。自然エネルギーには動きながらでは集められない。
一時的に全ステータスの1ランク上昇と魔力感知でも察知不可能な悪意を感じられる。
また『水と土に満たされし樹海浄土』と組み合わせる術が使用可能となる。
黄金律:E-
人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。
無類の賭け事好きであること、対価に無頓着の為、金銭感覚が疎い。
このランクの場合、逆に金銭に困ってしまう。
【宝具】
『水と土に満たされし樹海浄土』
ランク:A 種別:自身 レンジ:- 最大捕捉:-
特殊な能力、体質が必要とされる血継限界であり、非常に高度な精密さを求められるセイヴァー自身の能力。
基本は『木遁』という総称。その単語を調べれば十中八九セイヴァーの真名が看破される。
文字通り木を用いた術で、拘束から樹海の創造、分身、木製の巨人を操ることが可能。
この術で拘束されたバーサーカーは狂化が剥がれ落ちる危険性が高い。
『常しえの平和を愛で束ねよ』
ランク:EX 種別:? レンジ:? 最大捕捉:?
戦場を共に闘う同士が存在すれば全ステータスが1ランク上昇する。
それはサーヴァントであれ、マスターであれ誰であっても良い。
また、嫌がおうにも悪属性のサーヴァント、そのマスターを引き寄せてしまう。
悪属性のサーヴァントはセイヴァーのカリスマスキルの恩恵を受けない。
積み重ねた努力とそれを支える仲間の協力により、平和には愛が必要だと悟った
六道仙人の息子・大筒木アシュラの思想が形を成した宝具。
常時開放型宝具だが魔力消費は一切必要としない。止める術もない。因果の呪いである。
この宝具所持する英霊は大筒木アシュラ本人と千手柱間、うずまきナルトのみ。
【人物背景】
かつてうちは一族と双璧を成し、数多の忍一族から一目置かれ且つ恐れられた伝説的な忍。
「森の千手一族」の長であり、六道仙人の血筋であり、木ノ葉隠れの里の創設者の一人であり
「最強の忍」「忍の神」と謳われた初代火影である。
基本は大らかなお人よし、落ち込む癖がある。
愛情に溢れ、人々の心を掌握する壮絶なカリスマ性を持ち合わせていたが故に
もう一人の木ノ葉隠れの里の創設者・うちはマダラとの対立の切っ掛けになってしまう。
里の方針を巡り、マダラと死闘を繰り広げ、彼にトドメを刺したところで
忍とは目標の為に忍び耐える者であると悟った。これがセイヴァーとして現界した所以である。
【サーヴァントとしての願い】
過去の存在であるが故に願う事は躊躇っていたが
はじめの言葉により何か願うかもしれない。
【マスター】一ノ瀬はじめ@ガッチャマンクラウズ
【性別】女性
【マスターとしての願い】
セイヴァーとデートする
【weapon】
ハサミ
彼女のお気に入りのハサミ
【人物背景】
ごく普通の立川市に住む女子高校生。
本来はガッチャマンとしての素質があるが、彼女はガッチャマンになる前の彼女である。
口下手だが彼女なりに物事を真剣に考えている。
恐らく、この聖杯戦争についても何か色々考えている。
天才的な発想をし、あらゆる突破口を切り開くが
彼女の行動は周囲に理解される事が少なく、困惑させることが多い。
あとメンタルが強い。
どのくらい強いかといえば
人類すべてが抱く『悪意』の根源であり『悪意』そのものを受け入れても
平常心で居られ、一緒にデートをするくらい強い。
最終更新:2014年12月25日 22:35