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アドルフ・ラインハルト&キャスター ◆W91cP0oKww


雑踏の中、口元を襟長の服で隠し、金髪の男が夜闇の街を歩く。
世界は色褪せている。それは、この偽りの街も同じだ。
もっとも、後数刻も経てば、そんな戯言じみたことを考える余裕もなくなるだろう。
闘いが、始まる。血で血を洗う殺し合いの幕がいよいよ上がるのだ。

(それを望んで、オレは此処にいる)

男――アドルフ・ラインハルトは聖杯などには興味がなかった。
『サーヴァント』も連れず、投げやりに歩く彼はまるで自殺志願者のようだ。
だが、その比喩は間違いではない。
彼の願いは唯一つ。無様に死にたい。ゴミのように、誰にも顧みられずに一人で死にたい。
喪失を恐れ、真実から目を背けた自分にはお似合いの結末だ。
だから、願いを込めて言葉を紡ぐ。
紅に光る満月に吐き捨てるかのように。
酒に溺れた酔客の与太話に付き合う気軽さで、アドルフは見上げた夜空に堕ちていく。

どうか、この哀れなバケモノに死に場所を下さい、と。

結果、アドルフの切なる願いに聖杯が反応したのか、彼の身体は元いた世界から一片の欠片も残さず消失していた。
知識でしか知らない日本の街並みに、いつの間にかに転移していたのだ。

(戦って、死ぬ。此処はお誂え向きの戦場なんだろ? 願いに酔った死にたがりが集う戦争の世界なんだ。
 ならば、何の躊躇いもなく――戦える。オレは、一人で死ねるんだ)

これが、住んでいたドイツだったならば少しの葛藤が生まれただろう。
愛している『はず』の妻に二人で育んだ結晶を想起させ、アドルフの高揚を萎ませる。
そんな、もしものIFが可能性に入っていたはずだ。
しかし、実際はそうはならなかった。
アドルフに縁がないトーキョーという大都会。
小吉艦長と同じ、多くの日本人が暮らす雑多なバトルフィールド。

(どうせ、オレは道具のようなものだ、予め、定められた運命を直走る家畜に過ぎない)

知った事か。そんなどうでもいい情報、考えても意味などない。
小吉艦長が住んでいただろう街だからどうしたというのだ。
自分の願いは変わらず、無様に死ぬことである。
嘘、真実、不貞、弱さ。あらゆる負の感情を束ねてゴミ箱へと捨ててしまえ。
一個一個丁寧に開ける必要はないし、立ち向かう気力は疾うの昔に折れてしまった。
人間は、弱い。動物のような理性なき行動を平然と取り、振り返ることすらままならない。

「悔しくなんか、ない」

そして、アドルフが護れるものなんてほんの少しにも満たないだろう。
マーズランキング二位という座にありながら、仲間を導くことすら満足にできない不適合者。
自嘲し、皮肉げに頬を釣り上げた。きっと、自分がいなくなろうとも、誰も悲しまない。
此方が何を想い、何を忘れぬと誓っても――世界は今も廻り続けている。

(だから、何も期待するな)

喧騒を抜け、自宅へと帰る最中につらつらと考えたことはどれも無意味な雑音だった。
過る想い、砕けぬ世界、掴んでしまった真実。
どれもが全て、下らない。
アドルフのすることは踏み出した一歩をそのまま突き出すだけだ。
例え、誰に理解されずとも、この雷光で最後の輝きを放つことこそが、本懐である。
きっと、無様に死にたいだけだ。
バケモノでしかない自分は、それしかできないのだから。
そして、そんなクソッタレでどうでもいいバケモノにはお似合いのサーヴァントがきっと呼ばれるのだろう。
そう、思っていたはずなのに。

「お、おかえりなさい」

自宅のドアを開け、迎えてくれた少女は――無垢な金色だった。
憂いを帯びた目に、控えめな身体。
自分の後ろをおどおどとしながらついてくる彼女はとでもじゃないが、サーヴァントとは思えない。
一部の好事家から見ると、夢の様な少女ではあるが、それとこれは話が別だ。
アドルフにはそのような趣味はない為、特段に気にすることではないけれど。

(まさか、引き当てたサーヴァントが子供とはな)

この少女と出会い、共に暮らしてから数日間。
どうやら、少女は自分との距離感を縮めたいらしい。
それは、少女特有の寂しさなのか。それとも、元来人の温もりに飢えているのか。
このような子供と触れ合う機会がないアドルフにはわからないことばかりだ。
少女も願いを叶える為に呼ばれ、ヤケクソのように生きている自分とは違い、譲れぬ想いもあるのだろう。

――知ってしまったら、情を抱いてしまう。

故に、彼女とのコミュニケーションは最低限に留めている。
この戦場に余計なモノは不要だ、闘って死ぬことだけを考えていればいい。
正義無き世界で、アドルフは雷の鬼神となって、駆け抜けるのだから。








フェイト・テスタロッサには恋焦がれる願いがある。
かつて、自分に手を差し伸べてくれた少女がいた。
なまえをよんで。そう言ってくれた人達がいた。
彼女達は優しかったが、それでも尚忘れ得なかったモノは色濃く残っている。

――――母さん。

最後まで分かり合えなかった母親。どんなことがあろうとも、信じ続けた一つの愛の形。
その思いの果てに報いはなく、ただ一方的な戯言だったかもしれない。
けれど、フェイトにとっては何にも替え難い真実だった。
だって、自分は大魔導師として名を馳せる母、プレシア・テスタロッサの『実の娘』なのだから。

(戦う、マスターと共に)

フェイトは未だ自分に秘められた『真実』を知らない。
実の娘であるアリシア・テスタロッサから生まれたクローンだということも、自分を気にかけてくれていた少女達の想いも。
本来の優しさを押し込め、気丈にも戦う決意を灯しながらも――何にも知らないのだ。
名を冠する運命に縛られ、視野が狭まったフェイトはどうしようもなく無垢だった。
その様は親の後を付いて回る雛鳥だ。
力で優位に立つサーヴァントには見えない歳相応さが見て取れる。
幾ら力があろうが、フェイトは幼い少女である。
箱庭の世界で満足してしまう、お人形でしかない。

(その為には、マスターと常に一緒にいて仲良くしないと、だよね)

死が彼らに終わりを告げるまで。
願いの本質に気づくタイムリミットは、彼らには後僅かしか残されていなかった。




【クラス】
キャスター

【真名】
フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは

【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷A 魔力A 運E 宝具C

【属性】
秩序・善

【クラススキル】

陣地作成:C
ある程度の陣地作成は可能。

道具作成:C
魔導師として、自分が使うデバイスの調整程度はできる。

【保有スキル】

魔法:B
修行・鍛錬によって培った魔法の技巧は幼いながら完成されている。

電気:B
体内魔力を電気へと効率よく変換できる資質。

飛行:A
デバイスを使用して飛行することが可能。そのスピードは雷の如し。

【宝具】

『バルディッシュ』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1
母プレシアの使い魔でフェイトの師でもあるリニスが、フェイトのために製作した専用のインテリジェントデバイス。
レイジングハートと同じく祈願型。
発動すると斧型の《デバイスフォーム》を基本形態とし、状況に応じて鎌型の近接戦闘形態《サイズフォーム》、封印時に用いる槍型の《シーリングフォーム》に変形する。

【Weapon】

バルディッシュ。

【人物背景】
金の髪と『寂しげな目』をした魔法少女。
その少女は、ただ母の笑顔が見たくて戦い、母の願いの為にどんな災難辛苦を乗り越える覚悟があった。
本来であるならば、成長した姿で参戦するはずだった。
しかし、母への強い想い、マスターであるアドルフが自分自身を道具と思っているふしがあることから『真実』を知らぬ時点での召喚となった。

【サーヴァントとしての願い】
母の悲願を叶えたい。

【方針】
願いの為なら闘う覚悟はある。


【マスター】アドルフ・ラインハルト@テラフォーマーズ

【参加方法】ふと見上げた空に浮かんでいた月が、紅かった。

【マスターとしての願い】
無様に、闘いの果てで死を迎えたい。しかし、心の奥底では――?

【Weapon】

避雷針搭載の特殊手裏剣。
能力向上に繋がる特殊薬剤。

【能力・技能】
雷を操る能力。
武器である手裏剣を投げて、突き刺し、放電することで敵の急所へ的確な攻撃を行なうこともできる。
また、特殊薬剤を過剰摂取することで、数億ボルトの雷を操れるようになる。
他にも、微弱な電流を発して敵を探知することが出来る他、
皮膚もウナギ状のヌルヌル状態になるようで、作中でゴキブリの強烈なパンチを粘液で受け流したりなど多彩な戦術をこなしている。
普通ならば、自分も感電死してしまうが、内部に埋め込まれた安全装置によって事なきを得ている。

【人物背景】
襟長の服を着て常に口元を隠した27歳の金髪青年。妻子持ち。
普段は淡泊で冷酷な態度とは裏腹に、内面は優しさで満ち溢れている。
幼少時より軍に買われて実験体として扱われた為に、自分の命に価値を見出だせずにいた。
しかし、現在の妻に出会ったことで『人間』になれた。
妻に対しては、仕事で忙しい中でも電話したりするなど、深く尊敬し愛している。
だが、妻は浮気をしており、子供も間男の遺伝子を引き継いでいるので不憫である。

【方針】
嘘も真実も、闘えば忘れられる。

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最終更新:2014年12月25日 19:24