インデックス&アーチャー ◆dM45bKjPN2
親愛なるあの人を失った、その後。
ある日、空を見上げた。
二人じゃ見ることなんてなかっただろう夜空。
ああ、もう一度。
あの人に───会いたい。
その時。
月が、私達を見つめていた。
紅い、月が。
あるはずのない、紅い月が。
───でも、それだけじゃない。
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「───」
カツカツ、と足音が響く。
瞳は虚ろ。
足取りは不安定で、その目線は空中を彷徨っている。
「知っているんだよ、月。ムーンセル・オートマトン。
人類を観測する万能器」
彼女は、呟く。
意思とは関係なく、その言葉は淡々と紡がれる。
知識が勝手に掘り起こされる。
「……でも、紅い月なんて知らない。
ムーンセル・オートマトンにはそんな機能なんてないはずなんだよ」
長い美しい銀髪。エメラルドの瞳。
そして金の刺繍を施した純白のシスター服にを纏った少女……インデックスは、呟く。
彼女には、特殊な能力がある。
───完全記憶能力。
一瞬でも見たものなら永久に忘れない、その頭脳である。
問題なのは、その中身。
常人なら一目見るだけで発狂するほどの代物───魔導書の中身を記憶しているのだ。
一冊や二冊ではない。
その数、10万3000冊。
その情報量は、魔術の殆どに至る。
一部の特殊な魔術こそ知らないものの、それ以外ならば彼女は全てを網羅しているのだ。
だからこそ、彼女はこの東京にてムーンセルの異変を察することができた。
「……とうま」
だが、それだけ。
察することができただけ。
彼女自身を守る防御機構『自動書記』に全魔力を回しているため、彼女は魔術を使えないのだ。
できるとすれば、魔力の流れを探知するか相手の魔術詠唱に介入し魔術を誤作動を誘発させるか。
どちらも、戦力とは言い難い。
「とうまぁ……」
だからこそ彼女は皆に狙われ、皆に守られていた。
必要悪の教会。学園都市の友達。
───そして、上条当麻。
異能を打ち消す右手だけを武器に、襲いかかるもの全てと戦ってきた1人の男。
「とうまぁ……っ!!」
───だが、しかし。
彼は、もういない。
第三次世界大戦。
ロシアにて、その戦争の中心にいた彼は『ベツレヘムの星』へ特攻したのだ。
そして、彼は英雄となった。
戦争を終わらせた英雄。
───その名誉と引き換えに、彼は彼女の元へ戻ってくることはなかったが。
行方不明。大海原に墜落した『ベツレヘムの星』周辺からは、上条当麻の肉体はおろか手掛かりすら見つからなかったのだ。
彼女を地獄から救い上げ。
そして世界を守った上条当麻は、跡形もなく姿を消した。
「とうまぁ……っ」
彼女の瞳から涙が溢れる。
大きな瞳から溢れる大粒の涙。
未知の場所に連れてこられた不安から、耐えていた感情が流れ出したのだ。
わんわんと。
他人の目も気にせず彼女は泣き喚き───そして、異常に気づく。
「痛っ……?」
指先からの、小さな痛み。
涙に濡れた瞳で己の指を見ると。
「え、何、これ」
その指は、黒く染まっていた。
ムーンセルによるデリート。
マスターとしてこの場に呼ばれたはずの彼女は、サーヴァントとすら出会えずに消滅が始まっていた。
何故か。
───それは、彼女の脳内の魔導書にあった。
10万3000冊の魔導書。その知識量。
当然、その知識はこのムーンセルの東京にてアバターとして構築された彼女の肉体にも備わっている。
魔導書図書館とも呼ばれる、その膨大な知識量が。
その膨大な知識量は1人間のアバターに付加される情報量を遥かに超えていて───だから、ムーンセルはインデックスを『バグ』と判断した。
これは、マスターではないと。
ただ一人の人間を再現するのにこんなにソースを回さなければいけないのはあり得ない───だから、これはただの『バグ』だと。
故に、彼女の身体は消滅が始まっていた。
マスターであるはずの彼女は、バグとして処理されかけていた。
「あ、嫌───」
小さく呟くインデックス。
それは、とても小さな声だった。
消えたくない気持ちはある。
行方不明の上条当麻を探すまでは死ねない───だというのに、蓄えられている知識が、消滅は避けられないことを主張する。
ムーンセルにおける肉体の消滅の特徴として、消える寸前まで意識が鮮明なことが挙げられる。
だからこそ。
インデックスはまだ消える訳にはいかないと、黒く染まり消えていく感覚を無視して、それでも足掻く。
(とうまは、痛くても辛くても頑張ってくれたんだよ)
脳内に浮かぶのは、ツンツン頭の少年。
彼が決死の覚悟で助けてくれたのだ。
その命を、こんなところで捨てる訳にはいかない。
「───今度は、私の番なんだよ」
このムーンセルから帰還し、上条当麻の捜索を。
いつも助けてくれた少年を───今度は私が助けるのだと。
……しかし、現実は非情である。
消滅は止まらない。
不正なマスターとして消される彼女には、彼女自身の力で消滅を避ける方法などない。
……そう、彼女自身の力では。
『……メだ……気づ…てく……!』
叫ぶような、懇願するような。
小さな声が脳内に響いた。
もはや肩まで黒く侵食したその重い体を無理矢理動かし見渡すが、辺りには人の気配すらしない。
誰、と聞こうとしたが。
もはや喉の機能すら失われかけているらしい、掠れた空気の音しか発せなかった。
『私達…名前は───だ……!
くそ、届かな…月……ムーンセルめ、そこまでして私達を戦場に向かわせないつも…か…!』
届く声が、鮮明になっていく。
声は二つ。
今届いたのが低い大人の声で───もう一つ届いたのは、少年の声だった。
『空を───空を見上げてくれ』
その声は。
とても、暖かさに包まれていた。
うつ伏せで消えかける体をゴロンと転がし、空を見上げる。
そこには、あるはずのない紅い月と。
夜空に見えるはずのない───眩い何かが存在していた。
『明けない夜はない。それと一緒で、月が支配し続ける世界もないんだ!
必ず───必ず、明日もまた陽は昇るんだ!
だから、お願い……諦めないでくれ、君が一つ名前を呼んでくれるだけでボクらはそちらに行けるんだ』
黒く染まった腕を、夜空に浮かぶ眩い『ソレ』へと手を伸ばす。
重い。動かすことすら一苦労だ。
それでも、インデックスは手を伸ばし続ける。
「た……う」
『そうだ……後一言だけ、それでボクらは君の力になれるんだ……!」
上手く機能しない喉を必死に動かし、一言だけ。
インデックスは、叫んだ。
「───太陽」
その、瞬間。
バリンと、何が割れる音がした。
『太陽ぉーーーーーーー!!!!!』
そして。
戻りつつある感覚の中インデックスが見たのは。
神々しい向日葵と───深紅のマフラーを巻いた、暖かい光を放つ少年だった。
そして。
サーヴァントと契約を結んだことにより───ムーンセルから『マスターである』と認識されたインデックスの消滅は、止まった。
黒い肌は元の白い肌に。
失われた感覚も、その身体に戻っていく。
そして、インデックスは現れた彼らに向かい、一言。
「貴方達は……」
「───ボクはジャンゴ。太陽少年ジャンゴ。
今回の聖杯戦争じゃアーチャー、って呼んだ方が正しいのかもしれない」
「私はおてんこ」
マフラーの少年───ジャンゴと、向日葵・おてんこが喋る。
体力が少しずつ戻るインデックスに手を差し伸べ。
彼は、こう言った。
「君のサーヴァントとして現界した───宜しくね、マスター」
ゆっくりと差し伸べられた手を、インデックスは掴む。
その手は、太陽のように暖かかった。
「君の願いは通じた。
ボクは、君を絶対に此処から地上に返そう。
絶望も悲しみもいらない───『いつも心に太陽を』、だよ」
優しく微笑むジャンゴの笑みに、インデックスは感じ取った。
ツンツン頭の少年と、同じ暖かさを。
ああ、この人ならば。
「───うん、お願いするんだよ、アーチャー」
共に、戦っていけるかもしれない。
【クラス】
アーチャー
【真名】
ジャンゴ@ボクらの太陽シリーズ
【パラメーター】
筋力D 耐久C 敏捷A 魔力B 幸運B 宝具A+
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
単独行動:B
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
現界可能な時間は二日程度。
【保有スキル】
太陽少年:A
太陽少年としての彼の在り方がスキルになったもの。
太陽の光が当たっている場所ならば自動的に魔力がどんどん回復する。
騎乗:B
生前彼が乗り回した棺桶バイクの逸話故に手に入れたスキル。
乗り物を乗りこなすスキル。
Bランクならば聖獣・魔獣以外を乗りこなす。
吸血鬼の血:C
彼の中に眠る力の一つ。
太陽少年でありながら月の力を得る。
月光の下ならば気配を隠すことができ、また相手に気づかれにくくなる。
太陽の加護があらんことを:B
太陽の恵みを多く貰い成長した果実を食すと様々な効果を得られる。
青リンゴ、リンゴならHP回復・マンゴーなら魔力回復・バナナなら筋力上昇・レモンなら俊敏上昇などなど。
【宝具】
『その身に宿し吸血鬼(ダークジャンゴ)』
ランク:C 種別:- レンジ:- 最大補足:-
彼の中に眠る吸血鬼の力を使い、半ヴァンパイア化する。
ダークジャンゴになった場合筋力A、耐久B、俊敏Aへと強化される。
しかしこの宝具は月の下でしか使えない。
噛みつくことで相手の魔力を喰らうことが可能。
そして再生:Bのスキルが付加され、傷が自動的に回復していく。
また鼠や蝙蝠、狼などへの変身も可能。
太陽少年でありながら闇の力を手に入れた代償か───この宝具を日光の下で発動した場合、己がダメージを受ける。
『おてんこさま』
ランク:A+ 種別:- レンジ:- 最大補足:-
太陽少年を導く太陽の精霊。
その姿は太陽意思ソルが降臨したもの。
彼の戦いを支え続けた相棒であり、その膨大な知識でサポートする。
おてんこさまと合体することで、太陽少年の姿は太陽の化身───ソルジャンゴへと姿を変えることができる。
ソルジャンゴになった場合筋力A、耐久A、俊敏Bへと強化される。
更にAランクの魔力放出(炎)のスキルを取得することができる。
おてんこさま自体に戦闘能力はない。
『浄化せし太陽の拘束(パイルドライバー)』
ランク:A+ 種別:対イモータル宝具 レンジ:1 最大補足:1
対象を棺桶に封印し、四つの台から発射される太陽光を圧縮した極大の熱量で焼き尽くす。
この宝具に打ち勝つ方法はただ一つ。
この宝具の出力を、己の力で上回るのみである。
不定形の存在、吸血鬼などに追加補正がかかり追加ダメージを与える。
数多の吸血鬼を屠ったこの宝具が太陽少年にアーチャーとしての適正を与えた。
太陽の力を借りた至高の一撃である。
【weapon】
『太陽銃”ガン・デル・ソル”』
太陽少年が使用する武器。
その場でパーツを変えることにより様々な用途に使用できる。
連射に爆弾に放射に属性変化、万能武器のなんでもござれ。
【人物背景】
太陽少年ジャンゴはヴァンパイアハンターである。
太陽少年という称号を持ち、太陽銃「ガン・デル・ソル」の後継者。
最強のヴァンパイアハンターだった父・リンゴから太陽を操る術と「紅のマフラー」を受け継いだ。顔に白いフェイスペイントをしており、夏でも長袖・マフラーを外さず、また冬でも半ズボンである。父・リンゴの太陽と母・マーニの月の血を併せ持つ。父親の仇を追うため、イストラカンに行き、そこで大地の巫女リタや生き別れの兄サバタと出会う。
『ゾクタイ』の劇中で半ヴァンパイア化してしまうが、浄化された結果太陽と暗黒の力を使い分けられるようになる。『シンボク』では、冒頭地下牢獄に封印されていたが、ヴァンパイアの血の力によって復活する。だが、その影響で軽い記憶喪失に陥った。
『ゾクタイ』では太陽銃の他に剣・槍・槌を使いこなす。
素手での攻撃も難なくこなす。
『シンボク』では剣が残り、「直剣」「長剣」「刀」「曲刀」「大剣」の5種類に細分化された。
しかしこの場ではアーチャーのクラスで呼ばれたため剣の類の武器は持ってこれなかったようだ。
紅い月に魅せられた者が集まる聖杯戦争にて、彼は召喚された。
本来は『月に仇なす存在』としてムーンセルに危険視され、英雄王同じくムーンセルの裏に封印されていたが、インデックスの願いを聞き届け再臨。
太陽少年は、再び夜の世界───月の光の下で再び戦うこととなる。
【マスター】
インデックス@とある魔術の禁書目録
【マスターとしての願い】
行方不明の上条当麻を探す。
そのための帰還。
【weapon】
なし
【能力・技能】
「10万3000冊の魔導書」
彼女の脳内に記憶されている膨大な魔術知識。
常人なら一目見ただけで発狂するレベルのものを余すことなく記憶し、その膨大な知識が彼女の武器である。
相手の魔術詠唱に割り込み魔術の誤作動を起こさせる「強制詠唱(スペルインターセフト)」などを使用できる。
しかし魔力は自動書記に全て回しているため、ジャンゴに送る魔力はごく僅かで魔術は一切使えない。
【人物背景】
「必要悪の教会(ネセサリウス)」に所属するシスターにして魔術師の少女。
10万3000冊の魔道書を記憶する「禁書目録」という過酷な役割を担っている。
魔法名は「Dedicatus545(献身的な子羊は強者の知識を守る)」。
本名、年齢等のパーソナルデータは一切不明であり、作中では未だそのことについて言及されていない。
外見年齢の割に幼い性格で、わがままな言動が目立つ。しかし根幹の部分では誰かが傷付くのを嫌い、人を守るためなら自分の身を顧みず、「禁書目録」という凄絶な宿命を笑って受け入れる芯の強さと優しさ、献身の心を持っている。
姫神曰く「誰かに助けてもらうべき特別な才能も知識も兼ね備え、側にいるだけで他人を幸せに出来る心の持ち主」で、ステイルも「(インデックスの)傍若無人に見える振る舞いは全て誰かの為」であると語っている。普段はシスターらしからぬ能天気な振る舞いが多いが、時折篤い信仰を見せる。
今回は上条当麻が決戦の果てに行方不明になった新約前より参戦。
【方針】
帰還の為の方法探し。
襲われたら応戦。
最終更新:2014年12月27日 00:28