インベーダー ◆HQRzDweJVY
――俺たちが最強の力手に入れたとして
その後にこの目にはどんな世界映るのか?
* * *
――ヒトフタマルマル、■■■■■ノ召喚ヲ感知セリ。
――ヒトフタマルニイ、■■■■■ノ脱落ヲ感知セリ。
――該当サーヴァントノクラス名不明。
――所持技能不明。
――宝具名及ビ効果不明。
――マスター不明。
――聖杯ヘノ影響ハ軽微、重要度ハ低ト判定。
――『伍百十弐號案件』トシテ記録後、残■■騎ニヨリ聖杯戦争ヲ続行ス。
(第玖百玖十玖號聖杯・第七起動記録より抜粋)
* * *
人々が行き交う大通りに面する雑多な建物郡。
少ないスペースに押し合いへし合い、様々な雑居ビルが乱立している。
だがいくら密接しているといっても、それらが同一の建物でない限り、その間に必ずスペースは存在する。
ビルとビルの間。都会の喧騒も届かない、薄汚れた路地裏。
陽の光も滅多に入り込まないそんな場所でも逞しく生きている者達がいる。
昆虫、小動物、そして多種多様な雑草が独自の生態系を築いている。
――だが今やその生態系は完膚なきまでに破壊されていた。
その原因となっているのは"ある植物"だった。
一見するとそれはツタ属の植物によく似ている。
だがその植物には一つだけ、あからさまに奇妙な点があった。
蔦が伸びている先に、まるでファスナーのような割れ目(クラック)が開いているのだ。
そしてその異常な路地裏に来客があった。
生存競争に敗れたのだろう。やせ細った小さな野良猫が弱々しい足取りで路地裏に逃げ込んできた。
全身に傷を負い、数時間もすれば誰に知られることもなく命を落とすだろうか弱い生命。
だがその眼がカッと開かれる。
その瞳が見つめるのは毒々しい色の果実。
飢えた野良猫は吸い寄せられるように近づき、その果実を口にした。
そしてそのまま何かに取り憑かれたように果実を貪り食らう。
するとどうか。
ひざ下にも届かなかったはずの野良猫の体躯が二倍に、三倍に、数十倍に膨れ上がっていく。
否、体躯だけではない。
その顔は眼窩の落ち窪んだ髑髏を思わせる顔に。
その毛並みは新緑を思わせる緑色の皮膚に。
地球上のどの動物とも似ていない異形そのものの姿へ変化していく。
それは成長などという生易しいものではない。
身体の中からまったく別のものへと変質していく――言わば、"変身"だった。
「シャギャアアアアアアアアアアアアアアア!!」
誰もいない路地裏で怪物が身を震わせながら、誕生の産声を上げた。
その怪物は、ある次元ではこう呼ばれていた。
――侵略(インベス)、と。
* * *
聖杯戦争開始直後、聖杯はあるサーヴァントの脱落を記録した。
いや、正確には"観測できなくなった"のだ。
聖杯が"観測できない"から"脱落した"と判断した――それは通常ならば正しい認識だ。
だが物事には常に例外がつきまとう。
例えば――観測したサーヴァントが『あまりにも巨大すぎて観測できなくなった』のだとしたら。
籠の中から出たことのない小鳥が広大な空を知らぬように、あまりにも巨大すぎるその概念を認識できないのだとしたら。
それは聖杯さえも感知できない巨大すぎる異分子(イレギュラー)。
その異分子の名は"ヘルヘイムの森"。
幾多の文明を滅ぼし、数多の文明を高次に無理やり押し上げた強制進化の宇宙意思そのもの。
だがどんな形であれ『サーヴァント』という枠に収められた以上、その力には大きな制限がかかっている。
大量い割れ目(クラック)を開くことも、割れ目(クラック)を通じて次元を超えることも不可能。
それどころか路地裏の割れ目(クラック)は瞬時に閉じ、蔦状の植物はすぐに枯れ落ちる。
一介のサーヴァントである『ヘルヘイムの森』に許されたのは実を付け、怪物(インベス)を作り続けることのみ。
だがその行為は緩やかに、だが確実に聖杯戦争を侵略していく。
故にそのクラス名は――侵略者(インベーダー)。
どんな形であれ、世界を侵食し、染め上げることしか知らぬ異端のサーヴァント。
【クラス】
インベーダー
【真名】
ヘルヘイムの森@仮面ライダー鎧武
【パラメーター】
筋力- 耐久- 敏捷- 魔力- 幸運- 宝具EX
【属性】
中庸・中立
【クラススキル】
他者を、周囲の世界を己自身で塗りつぶすスキル。
本来ならば複数個の世界を侵食してきたインベーダーのスキルはEXランク相当であるが、本聖杯戦争で発生したスキル「外部接続」によって最低ランクまで劣化している。Eランクともなれば、ほとんど成長性を持たない。
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
EXランクのインベーダーはマスターを持たずとも活動できる。
【保有スキル】
このスキルを保有する限り、聖杯そのものに存在を認識されない。
過去、多数の世界を侵食してきたヘルヘイムの森はあまりにも巨大な概念であり、第玖百玖十玖號聖杯からの観測は不可能である
本スキルの発動までに数秒がかかったため、聖杯は『脱落済みのサーヴァント』として認識している。
このスキルがある限り、インベーダーは決して"勝者"として認識されない。
最後の2騎となった場合、聖杯はインベーダーではない方を『最後の一騎』と認識する。
本聖杯戦争においてのみ発生した特殊スキル。
聖杯の内部と外部を繋ぐ事ができる特殊な能力・技能の持ち主であることを指し示す。
Eランクは"辛うじて外部と接触している"程度の微弱な繋がり。
極めて脆弱な繋がりのため、『クラックを通じてヘルヘイムの森に行く』ことは不可能であり、
更には聖杯が認識すれば(または魔人アーチャーがそう望めば)その時点で、一切の聖杯内部への干渉は不可能となる。
【宝具】
ランク:-(本来はEXランクに相当) 種別:対文明宝具 レンジ:∞ 最大補足:∞
時空・距離・次元の壁を乗り越え、侵食する森そのもの。
干渉先の文明を森で包み込み、"ヘルヘイムの森"という概念のうちに取り込んでしまう。
ただしスキル「外部接続」によってこの宝具は使用不可となっている。
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
ヘルヘイムの森に自生する極彩色の不気味な果実。
この果実を口にした生命体を『インベス』と呼ばれるモンスターへと変質させる。
生命体を惹きつける性質があるらしく、劇中でも数名の人間が魅入られたようにその身を。
戦極ドライバーを装着してもぎ取れば錠前型の宝具・挑むべき禁断の果実(ロックシード)となる。
ランク:-(本来はBランクに相当) 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
ヘルヘイムの森が持つインターフェース的存在。
接触先の文明に溶け込み、時に助言し、時にそそのかし、事態の変革を図る。
ただしスキル「外部接続」によってこの宝具は使用不可となっている。
【背景】
仮面ライダー鎧武に登場する現象および異世界の名称。
幾多の世界を侵食してきた植物のような存在であり、文明を強制的に進化、もしくは滅亡させてきた。
英霊というよりただの現象であり、カテゴリ的には神霊に近い。
本来ならば召喚されるはずのない存在だが、正式ではない聖杯のためか特殊な形で召喚された。
何から何まで極めてイレギュラーに近い存在。
【マスター】
本サーヴァントにマスターは存在しない。
最終更新:2014年12月27日 00:25