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園田海未&アーチャー ◆4SSSSSSSS6



「う~ん、今日もパンがうまい!」
「全く、太っても知りませんよ?」
「まぁまぁ、ちょっとくらいはいいんじゃないかな?今くらいは」

私の隣には、高坂穂乃果南ことり
幼い頃よりずっと共にいた幼馴染の二人がいます。

もう少し前だったなら、ここに他の皆がいたのかもしれません。
小泉花陽が、星空凛が、西木野真姫が、矢澤にこが、絢瀬絵里が、東條希が。
しかしμ’sの練習に明け暮れる日々は、つい先日をもって終わりを告げました。

ラブライブ優勝という、大きな名声をもって。

後は三年生の皆の卒業をもって、μ'sを解散として終わらせるだけ。
音ノ木坂学院の廃校もなくなり、ラブライブの優勝も果たした。

全ての目的を終え、今はほんの一時の休息の時間。
無論、アイドル部もアイドル活動も残ったメンバーで続けていくつもりです。
現一年生、そして穂乃果とことりの二人に加えて、来年入部するであろう新入生達と一緒に。

「それじゃあ海未ちゃん、この辺で。また明日ね~」
「はい、また明日」
「さよなら~」

家も近づき、別れ道で二人と別れて一人帰路につきます。

一人になるとたまに思います。
きっと来年、新入生が入って続いていく生活もまた素晴らしいものになるでしょう。
μ'sが解散しても、私達の活動は続いていく。

ただ、それでも。
あの9人で過ごした日々は、とても名残惜しいものでした。

永遠に、とは言いません。
せめてあと一年、いえ、数ヶ月であってもあの日々が続いてくれればどれほど素晴らしいものなのだろう、と。
そんな思いがふと心に浮かび上がってくることもありました。
目的が、全てをやり遂げた後の空白を埋めようとする自分の弱い部分がそう思っているだけであることは自分がよく分かっていましたが、それでもそれを思うことは止められませんでした。

そして、今日もまたそんなことを考えてしまう日でした。

二人と別れ、一人家に向かう私はふと空を見上げていました。

「…そういえば、今日は新月でしたね」

普段から色んなものに意識を向けることが多く、それがμ'sでの歌詞作りに役立ってきました。
当然、夜空を見上げて月や星を見ることも多く、気がつけば自然と今日がどの月の日かも頭に入っていたのです。

今日は新月、月が見えるはずもない真っ暗な空。

そのはずだったのに。

「あれ…?月が……」

空に見えた、真っ赤な丸。
新月の日に見えるはずのない満月がそこにはありました。
白ではなく紅に輝く丸い月が。

もしラブライブに向けて練習していた数週間前であればそれを見て何か歌詞を思いつくことができたかもしれません。
しかし、今の私にはその月が妙に不気味なものに見えました。

―――――月のない夜に出てくる紅い月が、夢を叶えてくれる

近頃学校で話されている都市伝説、というよりまるでお伽話のような噂。
女子高生にありがちな話だと思っており、穂乃果やことり達はともかく私はそう興味をもってはいませんでした。

そんな、大して興味も持っていなかったはずの話が脳裏をよぎり、心の中に少しずつ不安と恐怖が沸き上がってきました。

そのまま一心不乱に家まで走って帰り、自室にこもります。
一眠りすれば忘れているだろう。明日からはまた今日と同じ平穏な日常を過ごしていくだけだろう。
そうであって欲しいと、私は思っていました。

だから気付いていませんでした。
その紅い月を見たその時から、既にそんな日常から離れた場所に攫われていたことに。


早朝。
檜の板が敷き詰められた静寂な空間に園田海未はいた。
そこは弓道場。彼女が日頃の朝練に使用している場所。
普段も朝のアイドル活動の練習の前にこの場で弓道の鍛錬をするのが彼女の日課であり。
それはその活動が一旦の終わりを遂げた今日であっても変わらない。

心を無にし、精神を極限まで研ぎ澄ませ。
的の中心を狙い、矢を引き絞り。

パシッ

外した。
的から3cmほど逸れた場所に矢は刺さっていた。

「………」

かつてもこのようなことがあった気がする。
しかし、今外した事実はその時と比べてあまりに心に重くのしかかってくるように感じた。

「珍しいわね、あなたが外すなんて」

ふとそんな声が聞こえ、チラリと後ろに視線を向ける海未。
自分と同じように弓道着を纏った女性が一人佇んでいた。
その存在に気が付かなかったのは弓道に集中していたからだろう。

「…いえ、たまたまです。今度こそは―――――」

そんな彼女の存在を意識の外に追いやり、再度弓に意識を集中させる。
しかし。

放たれた弓は今度は的から5cmほど離れた場所に刺さった。

「…っ!今度こそは………!」

こんなことはあってはいけない。
今自分の中にあるものを受け入れてはいけない。
そんなものはないと、そう言い切れるように矢を当てなければならない。

「もういいわ」

それでも震える手で矢を射ろうとする海未の傍に女は寄り、構える海未の腕を解かせる。

「離してください…!まだ、私は……」
「弓道は射手の精神状態が現れやすい。
 いくら集中しても、心の奥に生まれた恐怖を打ち消すことはできないの。
 今のあなたでは、あの的に当てることすら難しいわ」

まるで海未の心を見透かしたかのように女は続ける。
今、海未が直視することを恐れている一つの感情に向き合わせるかのように。

「怖いのね?」
「……夢ならいいなと、そう思ってました。昨日紅い月を見たことも、私自身の弱さ故に持っていた願いのことも」

聖杯戦争。
自分の願いのために他者を殺める儀式。

そう、願いを叶えるためには、生き残るためには自分と同じように願いのために戦う者を殺さねばならない。
その事実が海未の心を恐怖で縛って離さない。

「私には…そんな勇気なんて……!他の人を殺してまで叶えたい願いなんて……!」
「…………」
「こんな私のサーヴァントになってしまったあなたには、とても申し訳ないと思っています…。
 でも、私、怖いんです……」

既に弓も取り落としている。
こんな心境で、弓を引くことなどできなかった。それでもいつも通りにしていれば夢は覚めてくれると思っていたから続けて。
結局自分の弱さを露呈させただけだった。

「一つだけ聞かせて。あなたには願いはある?あるいは、死にたくない?」
「…願いは、ありません。人を殺めてまで叶えたい願いなんて。
 それでも、死にたくもありません……。身勝手なのは分かってますけど、それでも死ぬのは怖いです……」
「そう……」

女は小さくその言葉に頷き、海未の落とした弓と矢を拾い上げる。

「なら、それが私の願いでいい。あなたを死なせないために、私は戦う」

海未の目の前で静かに構えるその姿は弓道有段者である彼女すらも惚れ惚れするものだった。

「…いいの、ですか?」
「私に願いなんてない。強いてあるとするなら、あなたのような戦えない者達の平穏のために戦うこと、それが昔から私の役割だったから。
 だから、あなたの代わりに弓を引き敵を射抜くのは私の仕事。
 あなたは、この私が必ず守りぬくわ」

気がつけばその女、園田海未のサーヴァントの左肩には板のような何かが装着されていた。
その表面には、空港の滑走路のようなもようが見える。

そして彼女は引き絞った矢から指を離し。

「一航戦の誇りにかけて」

海未を守るという意志と共に放たれた矢は、寸分違わず的の中心を射抜いていた。
海未には当てることが叶わなかった的の中心を、正確に。


【クラス】
アーチャー

【真名】
加賀@艦隊これくしょん

【パラメーター】
筋力C 耐久B+ 敏捷D 魔力B 幸運D 宝具C

【属性】
秩序・中庸

【クラススキル】
対魔力C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

単独行動B
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
マスターを失っても2日は現界可能。


【保有スキル】
心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す。

慢心:B
生前に轟沈することになったと言われるきっかけによる呪い。
勝利や有利状況が長期間続くと幸運ランクが下がり心眼スキルや宝具による恩恵が受けにくくなる。
これは本人の注意力や心境に影響されず発動するが、発動を意識した場合時間経過で軽減される。


【宝具】
『天翔けるは栄光の一航戦』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:2人
空母として健在だった時代の加賀が所属する部隊、一航戦の戦歴が宝具に昇華したもの。
第二次世界大戦初期から数々の戦いに身を投じてきた彼女の部隊の搭乗員は当時世界最強クラスとまで言われるほどだった。
加賀の搭載する艦載機が所有しており、射出と同時に発動する。
艦載機による攻撃の際には「矢避けの加護」のような無効化系のスキルを無視して最善の状態で攻撃することが可能。
盾や鎧などの武装や防御系宝具には効果が無いが概念宝具による無効化においても効果を発揮し、Cランク以下のものは貫通することが可能。

しかし艦載機が発進するまでは発動せず、またスキル・慢心が発動した場合発動が無効化される場合がある。


【weapon】
『零式艦上戦闘機』『九九式艦上爆撃機』『九七式艦上攻撃機』
加賀が生前搭載した艦載機であり、合計90機が搭載されている。
普段は矢の形で装備されており、弓で射ることで戦闘機の形態へと姿を変え攻撃する。
艦載機には妖精たちが搭乗しており、アーチャーの意志と一航戦として刻まれた記憶、経験から操縦されている。
零式艦上戦闘機は敏捷性に優れ、敵の撹乱や障害物の排除などを得意とする。
九九式艦上爆撃機はそこそのの耐久性と爆撃性能を持ち、敵との直接交戦においては最も有用な艦載機となる。
九七式艦上攻撃機は耐久性は低いが最高速度が高く、不意打ちによるヒット&アウェイを得意とする。
これらは加賀の宝具によるステータス底上げにより性能以上の能力を発揮することができる。

基本的に艦載機は全て矢の形で搭載されており、戦闘中には矢が尽きない限りは魔力による補充を必要としない。
しかし補充にはある程度の時間と少なくない魔力消費が発生するため、戦闘中に尽きた場合は致命的な隙を晒すことになる。
また、アーチャー自身の受けたダメージによっては発艦することができなくなる場合もある。


『20cm砲』
空母としての運用が確定していないために搭載された兵装。
筋力ランクにしてC+ほどの砲撃を行うことができる。
しかし生前は空母としての運用に重点を置かれたため発砲経験がほとんどなく、本人も存在を忘れている可能性がある。


【サーヴァントとしての願い】
聖杯にかける望みはない。今はサーヴァントとしてマスターの命を守り抜く。

【人物背景】
旧日本海軍において主力として活躍した航空母艦。
元々は戦艦として作られる予定であったが軍縮会議により廃艦が決定。しかし実装予定の同型艦・天城が震災により破損したことで空母として改装されることになる。
当初は空母として様々な問題を抱えていたが、海軍史上一、二を争う大改修の果てに空母の一つとして完成する。

速度は日本空母史上最低であったが艦載機搭載数は最大であり、圧倒的な航空攻撃力をもって日本海軍の主力となる。
その後は一航戦として初陣の第一次上海事変をはじめ日華事変、真珠湾攻撃など数々の戦いにおいて高い戦果を上げていく。
それらの中での実戦と猛訓練により、加賀を含む一航戦の擁する航空隊の技量は神域に達していたとさえ言われている。
しかし連勝続きによる軍の慢心のまま乗り込んだミッドウェー海戦において出撃準備中に米機動部隊の爆撃を受ける。
それにより艦橋の前においてあった爆薬や魚雷に誘爆を引き起こしたことで艦橋が爆発。
甲鈑、ガソリン庫へも引火していき消火の甲斐なく沈没することになった。
この戦いで一、二航戦の他空母も轟沈しており、第二次大戦における転落の第一歩となっていく。

艦隊これくしょんにおける艦娘としての彼女は空母においても最大の性能を誇ると言われている。
性格面では基本的に真面目でありクールで物静か。感情を表に出すことはあまりない一方で感情的になりやすい。
なお鉄皮面にも見える無感情さは生前の自身の艦内における風紀の悪さに対する悔恨からくるものとも言われている。



【マスター】
園田海未@ラブライブ!(アニメ)

【マスターとしての願い】
楽しかったあの日々をもう少しだけ続けたい。
が、他者を殺めてまで叶えたい願いなどではない。

【能力・技能】
日舞の家の跡継ぎとして剣道や弓道などの武術を習う有段者であり、一般人としては戦闘能力は標準以上であると思われる。


【人物背景】
国立音ノ木坂学院2年生であり、スクールアイドルユニット『μ's』に初期から所属しているメンバーの一人。
実家は日舞の家元であり、武術の心得を持っている。チャームポイントは長い黒髪。
意志が強く真面目だが、融通が聞かず恥ずかしがり屋な一面も持つ。

スクールアイドル活動には当初反対していたが、幼馴染の高坂穂乃果、南ことりの説得によって参加を決意、以降作詞やレッスン指導を担当するようになる。
練習や特訓といった行為を娯楽と捉えている節があり、時に他のメンバーがそれによる暴走に巻き込まれることも。
また、高坂穂乃果が生徒会長となって以降は副会長として南ことりと共にその補佐をしている。

ラブライブに優勝しμ'sとしての活動を終えたことで心に生まれた隙間。
そこにほんの少しだけ叶わぬ幻想を夢見て、その瞬間に紅い月を目撃してしまったことで聖杯戦争に巻き込まれる。


【方針】
不明。ただし戦いや死に対する強い忌避感があり。

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最終更新:2015年01月04日 20:39