【寒いぞ!冬のモロッコ旅】
第5話)皮なめし職人地区
《モロッコ旅行記|マラケッシュ|ワルザザード|ラバト》
僕はマラケッシュが面白くてなって結局4連泊してしまった。(まあ他の街に移動して混雑期の宿探しに苦労するのが嫌だったのもあるけれど、、、)
マラケッシュの街は、地図に載りきらない無数の細い道が毛細血管のように張り巡らされている。ガイドブックで見る限り「あっ、すぐ近くじゃん」と思えるところに行くにも、迷路をたどってたどってやっと辿り着ける有様。たいていは土地の子供に道案内され、結局いつも小銭せびられてしまう。
ある日皮なめし職人地区へ向かおうとしたのだが、やはり一向に辿りつけない。ガイドブックにあるとおりに歩いてみるのだが、気づいたらさっきいた所に戻っていたりする。
そうこうしているうちに自称「皮なめし職人地区の門番」に捕まってしまった。
門番:「俺について来い」
ついて行ったら金をせびられるのは分かってる。が、自力で辿り着けないのだから仕方がない。僕は警戒心をいだきつつ自称門番の後に付いていった。暫くすると何度か通りかかったことのある路地に着いた。
門番:「ここが工房だ」
僕 :「えっ、どこ?」
門番:「ここが入り口さ」
皮なめし職人の工房は、民家の入り口のように見えるところから入って行くのであった。これでは通りがかりの旅行者に見つかるわけがない。入り口をくぐると、何十もの風呂桶みたいな池が連なる吹き抜けの工房があった。得体のしれない液体に職人が腰まで漬かりながら羊の皮をジャブジャブ洗っている。工房は物凄く強烈な匂いがすると聞いていたが、市場の匂いに慣れた僕の鼻は意外にタフだった。
自称門番はなにやらいろいろ説明してくれたが、こちらのフランス語力がついてゆかない。ともかく一通りの案内を終えて、そろそろお金をせびるころだろうと思ったら意外にも素直に工房の外に出てゆく。
門番:「じゃ最後にこちらへ」
と連れて行かれたのは革製品の土産物屋。しまった、モロッコ人はそんなに甘くなかった。僕は鋼のように強い意志でバリアを張り、「NON, MERCI!(要りません!)」と言い放つ。何度この「NON, MERCI!」バリアを放出したことかわからない。しかし敵もさるもの。最後にこちらの心をズタズタにする反撃を加えてくれた。
門番:「BON MARCH!(安いよ!)」
僕 :「NON, MERCI!(要りません!)」
門番:「JAPONAIS RICHE POURQUOI?(日本人は金持ちなのに何故?)」
僕 :「JE NE VOUDRAIS PAS.(欲しくありませ~ん。)」
するとこいつ抜かしやがった。
門番:「ビンボー!」(←日本語で)
おっ、お前に「貧乏」と言われる筋合いはな~い。が、思えば人から「貧乏」と声に出して言われたのは初めての経験。なんだか解らないけど、そして感じる必要もないのだけど、でも、精神的に打ちのめされてしまったぁぁ!
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最終更新:2012年11月26日 23:33