【格安で行こう、マチュピチュの旅】
第6話)エグゼクティブの悩み
《ペルー旅行記|クスコ|マチュピチュ|ティポン|リマ|》
マチュピチュ観光を終えてクスコに戻る。また「10km歩き+7時間の車移動」でチープに帰ることもできるが、さすがにこれは片道だけで良い。復路は奮発して鉄道を使ってみた。鉄道はペルーレイルとインカレイルと言う2つの会社が運行してるが購入したのは後者の方だ。現在クスコまでの列車は運行されておらず、途中のオリャンタイタンボまでを鉄道で、残りの区間はバスで戻ることになる。
鉄道に乗っている時間は正味2時間前後で距離にして20km程度であるが、片道54ドルもした!! これが一番安い料金で、一応エグゼクティブクラスとされているチケットだった。
山あいの小さなアグアスカリエンテス駅に止まっている列車
山あいの小さなアグアスカリエンテス駅に止まっている列車を見ると、見た目はあまりパッとしない。ところが乗り込んでみると中がゴージャスなのでびっくり。落ち着いた木目調の内装に、天井には明かり窓まであり雄大な自然が眺められる。
列車はウルバンバ川の渓谷に沿って進んで行った。しばらくすると車掌がメニュースタンドを座席に備え付けのテーブルに配り出した。何かドリンクサービスでもあるのか?
ここで期待と不安が入り混じった。
インカレイルめ、 54ドルも払わせといて、さらにドリンク代を徴収するのか!! どこまで観光客から 搾り取れば気が済むのだ!!
いや待て。54ドルも払ってるのだから、このドリンクはタダなんじゃないか?
飛行機に乗れば機内食などのサービスが付いてくるのは当たり前だが、 生まれてこのかた電車の中でタダで飲み物を提供してもらった経験はない。電車は車内販売で買うもんだという幼い頃からの因習が染み付いている。
そうだ、きっとこれはお金を払わされるんだ。 ペルーも一応チップの国である(これまでのところまだチップを払うような機会には遭遇していないが) 。54ドルも払うエグゼクティブクラスの客は ドリンク代もスマートに払うのが当たり前、 そんな雰囲気が漂っている。あわわ。
車掌がまるで客室乗務員のようにトレーを引きずりながらやってきた
やがて車掌がまるで客室乗務員のように飛行機の機内で見かけるトレーを引きずりながらやってきた。 この光景はまさに機内食の提供だ。こういう様子を見ると「やっぱドリンク、タダなんじゃねぇ」と思ってしまう。
タダなのか? 払うのか? いったいどっちだ!!
ドリンクをサーブされている前の乗客を見ると金を払っている様子は見えない。良かった、ホッ、タダだ。そらそーだよな、54ドルも払ってるんだ。なにしろエグゼクティブクラスだぜ。
せめて「ドリンクサービスはフリーです」って事前告知しといて欲しかったね
本物のエグゼクティブはドリンク代を請求されてもビクともしないが、 おいらみたいな似非エグゼクティブのために、せめて「ドリンクサービスはフリーです」って事前告知しといて欲しかったね。
つかの間のゴージャスな時間とともに 列車はオリャンタイタンボの駅に到着した。
さてここからはまた財布の紐を固くして旅を続けよう。
最終更新:2017年11月01日 00:01