【泰緬鉄道の跡を追う? = タイ・ミャンマー陸路ノービザ国境越えの旅】
第3話)プーナムロン=ティーキー国境超え:Part2
《タイ・ミャンマー旅行記|カンチャナブリー|ダウェイ|モウラミャイン|ノアラボーパヤー》
ミャンマー側国境の村はティーキーという。粗末な平屋建ての入国管理事務所の中には何人もの役人がプラプラと所在なさげに過ごしていた。
僕らがパスポートを提示すると、係員たちはビザのページを入念にチェックする。随分時間がかかるかなぁ、何か問題でも?と思ったら
「オー、ジャパン。ノービザ、OK!」
よ、よかった。ノービザ入国解禁の通達は無事この辺境の地にも届いていたようだ。
ところで、通常入国時はエントリーカードに名前やらパスポート番号やらを書かされるものであるが、ここではその手のものが一切ない。こうした書類が不備で出国時にもめることはままあるので問い質すと、
「ノープロブレム」
と係員は答え、パスポートの顔写真ページをコピー。そこに何やらハンコを押した。なるほど、それがそのまま入国カードとなってファイルされるのだった。なんともシンプルな仕組だ。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
さて、ではダウェイの街に向けバスを探そう、と思ったのであるが、この国境地帯にはバス停らしき場所が見当たらない。一緒に国境越えをすることになったバンコク在住の日本人おじさんに話しかける。
「車をチャーターするしかないですかね」
「そのようだね」
入国管理局近くの道路脇に茶屋が並んでいた。店主の女がどこからか男を連れてきた。どうやらドライバーのようである。ダウェイの街までは一人500バーツ(約¥1800)だと言う。約150km離れているとはいえ、外国人料金でかなりふっかけられていると思うが、これを拒否すると他に何もに交通機関がない。つまりはこのオファーを飲むしかないのだ、トホホ~。
車は熱帯雨林のジャングルの中に作られた未舗装道路を進んでいく。インフラの整ったタイとは大違いで、激しく揺れる。悪路だ。
「周りに人が住んでる気配がしないね」
さすがバンコク在住おじさん。観察力が鋭い。ほとんど誰も住んでいない山奥に、大慌てで国境へと続く道を作ったようだ。
道の悪さと、車の整備が行き届いていないせいで、反対方向をすれ違う車の何台もがパンクやら何やらで、足止めを食らっていた。
そんなスタックした車の一台に知人でもいたのだろうか、運転手は車を止め故障した対向車のところへ工具一式を抱えて駆け寄った。
ジャッキアップした車の下に潜り込み格闘する我らの運ちゃん。困っている人を救うのは美しい話であるが、500バーツという大金を払っている我々は置いてきぼり。だが、この仏教国ではそんなことぐらいで腹を立ててはいけないのだ。仏のような穏やかな心で見守るしかない。
小一時間ほど僕らの運ちゃんが奮闘したおかげで、対向車線の故障車両はなんとか走り出す目処がたった。
「Let's go!!」
僕らの車はダウェイの街を目指して西に向かった。そして埃だらけの悪路を30分ほど進んだ辺りであろうか。運転手は車のスピード緩め、止まってしまった。
「パンクです」
あちゃー、今度は僕らの車がトラブルだ。想像絶するミャンマー側の悪路。果たして日没までにダウェイの街にたどり着くのであろうか?
先が思いやられるミャンマーの旅であった。
最終更新:2019年02月25日 23:27