【東チベット‐幻の僧院都市を目指せ!!】
第2話)どこにあるのだ! 成都(チョントゥ)の民泊。
《東チベット旅行記|成都|丹巴|甘孜|康定|アチェンガルゴンパ|》
東チベットの観光拠点となるのは甘孜(カンヅ)である。成都(チョントゥ)から直通バスで行けなくもないが、高地にあるためいきなり行くと高山病のリスクがある。そこでまずは身体を慣らすため、途中にある丹巴(タンパ)を目指す。
丹巴(タンパ)に行くバスは成都の茶店子(チャティエンツ)バスターミナルから出発する。翌朝発のバスに備え、ターミナル近くのJというホステルをネット予約しておいた。
空港からバスターミナルまでは近代的な地下鉄で快適に移動ができたが、地下鉄駅を出ると途方に暮れてしまった。
目の前には高層団地のビル群が立ち並び、その脇を高架道路が突っ切っていて、どこがどこだか見分けがつかない。中国では某G社のマップ機能が使えないので、自分がどの辺りにいるのかすら、ちんぷんかんぷんである。加えて予約した宿の住所が英語と中国語で異なっている事に気がついた。一体どっちが正しいのだ!!
ともかく周りの人民に場所を聞いてみるしかない。そうなると当然中国語の住所を見せて尋ねることになる。
「それならそこだよ」
と指された場所は、近くにある高層タワービル群であった。意外に近くで助かった。でも一泊1400円の安宿がこんな高層ビルにあるのか?
ともかくそこを訪れてみる。ビルは遠くから見ると非常にハイソに見えたのだが、中に入ってしまうと意外と雑然としていた。そして住所にある11階のとある部屋を尋ねてみると、中年女が困った顔をして出てきた。
ここから互いに下手くそな中国語と英語とそして翻訳アプリの力を借りての格闘が始まった。そして分かった事は、この中国語住所は事務所的な扱いで、英語住所にある所が宿泊場所だ。そしてそちらは彼女の妹が経営している。中年女は妹に電話をかけ僕を迎えに来てもらうことになった。
地下鉄A出口の目の前にタワー団地群があった。敷地内に入るには守衛のいる門の前をICカードかざして入らねばならない。一体どうやって初めての旅行者がこの中に入れるのかは謎である。
たどり着くまでは随分と時間がかかったし、宿のスタッフもほとんど英語はできないが、翻訳アプリを介して何かと世話をかけてくれる。
「明日のバスは何時のどこ行きなの?」
「丹巴(タンパ)行きですが、時間は分かりません」
すると、アプリを使って「9:30発よ」と調べてくれた。
何かと声を掛け面倒を見てくれる宿だったが、いかんせん場所が分かりにくい。
団地内の一棟のある一室が宿なのだが、看板すらない。せめてどの棟のどの部屋かぐらいは住所に記載しくれ。これじゃ郵便局員だって配達できないじゃないか!!
最終更新:2019年05月25日 23:59