【最後の旅行支援で行く沖永良部島】
第1話)第1話)押し寄せる人手不足
《鹿児島|沖永良部島|和泊》
アフターコロナの観光促進として始まった全国旅行支援であるが、2023年後半にはほとんどの地域でキャンペーンは終わってしまった。
だがしかし、しぶとく事業を延命させている自治体があった。鹿児島県である。オイラは最後の観光支援策であるこのキャンペーンをしゃぶり尽くすため、2泊3日で鹿児島の沖永良部島を訪れることにした。
最後の全国旅行支援である「今こそ鹿児島の旅」公式サイト
鹿児島空港で乗り継いだプロペラ機がえらぶゆりの島空港に到着したのは14:00。当然、路線バスも飛行機の発着に合わせてダイヤが組まれているものと思っていた。駅のような小さな空港を出てバス停に向かい時刻表をみる。すると…
空港出発 13:50!!
何だと!! 飛行機が14:00着なのに路線バスの出発は13:50!! これじゃ乗り継げない!! 何で到着の直前に出ちゃうのだ? 次のバスは15:40発で1時間半以上も間がある。離島の空港行きバス路線が飛行機の発着時間に合わせていないなんて一体何を考えているのだ!!
えらぶゆりの島空港とバス亭 - 飛行機と路線バスの時刻がマッチしていない
島の中心地・和泊までは約7km。手ぶらであれば歩いて行けない距離でもないが、荷物を抱えては難しい。さて、どうしたものかと思案していたところに、3人組の旅行者を見かけた。「タクシーをシェアしませんか」と声をかけたら快く応じてくれた。
「全然繋がらりませんね」
3人組の一人がタクシー会社に電話をしてくれたが、なかなかつながらない。タクシー業界の運転手不足はこの島にも及んでいるようだ。
なんとかタクシーが捕まり、和泊まで4人でシェアしたので運賃は500円程度で済んだ。バス代とほぼ変わらない料金になったのはラッキーと言えよう。
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さて、今回泊まったのは47ホステルという宿だ。こちらは宿代を安くするため様々な工夫が施されていたが、その最たるものはスタッフを常駐させていないことだ。
客は宿に到着した旨をオーナーに電話で伝えると、オートロックを解除するためのパスワードが客の携帯のショートメール宛に送られ、それを使って客は部屋に入ることができる。
そして宿代は、宿内に掲示されたQRコードを読み取ってのコード払い。コード払いできない人のみオーナーを電話で呼び出し、どこかのタイミングで料金を払うというシステムだ。
オイラの場合、旅行支援で宿の人からクーポン券を発行してもらう必要があるためオーナーを呼び出したが、それがなければチェックインから一度も人に会わずにチェックアウトできてしまう。
なるほど、これならオーナーは別の仕事をしながら副業で宿を回せるなぁとオイラは感心した。
タクシーにしろ宿にしろ、人手不足の波は確実にこの南の島にも押し寄せていた。そしてその影響と対策が施されていることを感じるのであった。
最終更新:2024年06月27日 19:07