【最後の旅行支援で行く沖永良部島】
第3話)原チャリでドキドキ
《鹿児島|沖永良部島|和泊》
島に到着した翌日、地元のバイクショップで原チャリを借りて丸一日沖永良部の見どころを見て回る。潮吹き洞窟・フーチャ、国頭小学校にある日本一のガジュマルの木、日本最大級の鍾乳洞である昇竜洞、などを巡っていく。
沖永良部島観光名所|国頭小学校にある日本一のガジュマルの木
沖永良部島観光名所|日本最大級の鍾乳洞である昇竜洞
途中ソテツ・ジャングル入口の駐車場でちょっとしたアクシデントに見舞われた。そこは土の駐車場で、そこに原チャリを停めた。でもちょっとだけ前進させたく、手押しの状態で軽くアクセルを捻った。すると土に足を取られ、思っていた以上にスロットルが開いてしまい、一瞬暴走して転倒。すぐに倒れた車体を起こし点検すると、右フロントに僅かな傷がついてしまっていた。
ヤバイ!!
板金修理が必要だとか言われて結構な金額を請求されてしまうかもしれない。
無論黙って返してもこのダメージはすぐには分からない。でもその時は無事に返却できたとしても店に免許証のコピーを取られているから、後で誰がやらかしたかは直ぐに分かってしまう。どうしよう?
夕方、ガソリンを満タンにして店のオバァに原チャリを返す。さすがに黙って返すのは気が引けたので、転倒してキズが付いてしまった事をお詫びすると、
「どれどれ」
とオバァが原チャリを点検しだす。
「右のブレーキレバーの位置も変だね」
あわわ、ただの店番オバァだと思ったら、かなりメカに詳しいぞ。そして整備士のオジィを呼んだ。これはヤバイ。車体のキズに加えてブレーキレバーの修理となったらいくらかかるのだ!! 一日¥2,000で借りた原チャリだったが物凄い出費になってしまいそうだ。
オバァはドライバーを手にするとフロントパネルを外し、中を見ながらオジィと話し込む。嗚呼オイラはどうなるんだ!!
「あぁ、いいよ」
え!! 「いいよ」ってことは、ノ―ファール!! うわ〜 助かったぁ。
これはジジババ経営のお店だから見逃してもらえたのだろう。大手レンタカー会社だったらこうは行くまい。
「ありがとうございます。もし何かあったら連絡してください」
こう告げてとお店を後にしたものの、翌朝に島を離れるときはもちろん、東京に戻ってから何日も、オイラは0997で始まる南の島からの電話が来ることを恐れてビクビクしながら過ごさねばならなかったのであった。
最終更新:2024年06月27日 19:28