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**レンジャー連邦の戦争準備状況1:準備開始
「…なんですって?もう一度、お願いできるかしら」
「はい、ですから、フィーブル藩国にて正体不明の要塞艦が出現したとの情報が入ってきており、にゃんにゃん共和国としては共にこれを撃破すべく藩国全てに動員命令が出されています!」
「そう…これは大変な事態ね。国民全員に緊急通達を!それと、この回線を藩王に繋いでちょうだい。蝶子ちゃんに知らせないと!」
突然の情報に、レンジャー連邦摂政ミサゴは困惑しながらも状況の整理をはじめた。
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「で、資金がない、と」
「はい…」
消え入りそうなミサゴの報告を受けて、藩王の蝶子もうなだれた。
ミサゴの報告は、現状では資金不足により共和国から要求された動員に応じられないと言うものだった。
愛は溢れているがこの国、もともと資源や資産にはあまり恵まれていなかったのである。
だが、しかし。
愛ある限り、諦めない。
そう、決めたのだ。
「と、ともかく何とかしないと。今度はお取り潰しだよ?」
蝶子はこのピンチを自ら茶化すように言う。
私は諦めない。
ミサゴちゃんも、それはわかってくれるはず。
その思いは、言うまでもなくミサゴに届いていた。
「ええ、判っていますとも!幸いにして徴収までには時間があります。その間に、特産品を納めて資金に変換する手段を講じているところです」
「さっすがミサゴちゃん、頼りになるぅ☆」
正直なところ、駆けずり回って集めた情報で何とか資金繰りできそうなところを見つけ、それにすがっただけなのだが、それでもやらずにはいられなかった。
「よーし!じゃあやることは決まったね!みんなにおふれを出そう!」
「はい。ではみんなを招集しますね!」
ミサゴは一礼し、執務室を後にした。
一人残された藩王蝶子も、何かしなければと考え始めた。
「特産品かぁ…何がいいかな?やっぱりメガネかな、ウチの場合。眼鏡、メガネはいいよね。ああ、そういえばこの前新しいメガネが…」
ごそごそとチラシをあさりはじめる蝶子。
…その姿はなんだかメガネ萌えのお姉さんである。
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「…と、言うわけでみんなで国の特産品を集めてきてください。そのとき、宣伝文をつけるのも忘れないようにお願いします。では…」
「はいせんせー、しつもーん!」
質問のある方は?と問いかけようとしていたミサゴをズッコケさせるようなタイミングで、間の抜けた声が響く。
声の主は文族である楠瀬藍だ。
「せ、先生じゃありません!…こほん。で?楠瀬藍さん、何ですか?」
「特産品っていっても、物じゃなきゃダメなんですか?」
「んー…天領中央銀行からは、特産品のほかは伝承などの面白い話、絵画等も許可。とありますね」
天領中央銀行からの文書を読み上げるミサゴ。
「ですので、文族が収集しているお話でもかまいませんし、技族のかたが描かれている設計画だったり風景画でもかまわないと言うことですわ」
「で、期限は何時だい?」
今度は博識で名を知られた青海正輝が質問した。
「これはかなり重要な問題だ。集めるのはかまわないが、期限がわからないんじゃ集める量にも変化が出てくる。作業量の確保も問題だしな」
もっともな意見である。
「作業完了期限は200701092300。もっとも、提出作業完了まで含むのだから、同日の2000までには何とかしたいところね」
正輝の言葉に、蝶子が答える。
さっきまでメガネのことを考えていた人とは思えない、藩王らしい凛とした態度である。
「色々と大変かもしれないけど、みんな頑張ってちょうだい。レンジャー連邦の存亡は今ここにかかっているの。愛に殉じて倒れる前の段階で終わらせたくはないし、終わらせるつもりもないわ。みんなで力を合わせて、このピンチを乗り切りましょう!」
「藩王!」
「藩王バンザイ!」
「蝶子さんバンザイ!」
「愛ある限り!」
「愛のために!」
「藩王かっこいー!」
「藩王ステキ!」
「蝶子さんラヴ!」
「藩王愛してる!」
藩王の言葉に感動し、皆異口同音に藩王の言葉に応える。
こうして、国民全員が一致団結し、みんなのできる範囲で国を救う活動を開始したのだった。
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おまけ
…レンジャー連邦は愛の国なので、基本どうでもいいことだとは思うのですが、私情が混じっている人がいるみたいですね。
そこんところどうなんですか、藩王?
「みんな愛してるー!」
…お後がよろしいようで。
(文責:楠瀬藍)