わーいわーい!
めっがね鍋!
めっがね鍋!
めっがねー鍋!!(くるくるくるくる
~とある文族が目撃した政庁での一場面。
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雑多に詰まれた本。
薄暗い部屋。
机の灯りだけが部屋を照らしている。
西都、大学構内の一室でフェイは台に立つように机の上に置かれたノート大の石碑を食い入るように見つめていた。
「…ふみふみ。」
モノクルを器用ににくきゅうで押さえてフェイは石碑に見入っている。
後ろにはやけに包帯やら絆創膏やらにまみれたアレンと無傷のエル。
ついでに何故かシスティーナまでが並んでいた。
「どうだ…読めそうか?」ぼろぼろのアレンはそれでも爛々と目を輝かせている。
「まあ待つにゃ。どうもそれほど複雑じゃにゃさそうだからまぁあまり時間はかからないと思うのにゃ。」
フェイはモノクルを着ていた白衣の懐にしまう。
「ただいくら単純でもあまりみないタイプの文字だからにゃ。軽く一週間は欲しいところにゃ。」
ぴょんと椅子の上から飛び降りててくてくと歩きだすフェイ。
「お、おい。どこ行くんだ?」
「長丁場になるにゃ。休憩にゃ。」
そのままひらひらと手を振って出ていこうとするフェイ。
「お前達が居たところで約にたたにゃいから。帰ってていいにゃ。」
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大学の構内をうなだれて歩くアレン。
メガネが凄い勢いでずれている。
「…すごい落ち込みようだな。」
エルは珍しいものでも見たような驚いた顔をしている。
アレンが落ち込むことは極端に少ない。
常日頃から自信満々のアレンは人前で落ち込む事はない。
無いはずなのだが。
「そんなに楽しみだったの?」
システィーナがエルの横からひょっこり顔を出していう。
「いや…まぁな。」
このままはいけないと思ったのか背筋を延ばしメガネをなおす。
「何なんだよアレ?」
「人魚だ。」
「「…は?」」
アレンは真顔である。
固まる二人。
「V島で見つけたんだ。」沈黙が辺りを支配する。
二人の脳内で海を泳ぐ石板。
「えっとアレン。」
「ちょっと医務局に行こうか。」
見事なコンビネーションで二人から腕を組まれるアレン。
「は?ちょ…待!」
「疲れてるんだ。」
「打ち所が悪かったのよ。」
捕獲された宇宙人のようにアレンは運ばれていく。
「なんだそりゃああああ!」
アレンの絶叫が大学に響き渡った。


(文責:双樹真)

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最終更新:2007年02月21日 03:05