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暗がりの中、男が二人アタッシュケースを挟んで向き合っている。
存在する光は蝋燭数本のみ。
あまりに暗すぎて男が二人と言う事しか判らない。
「…これを。」
片方の男がもう片方の男へとアタッシュケースを差出す。
「…しかと受け取ったでござる。しかし…何故拙者に?」
アタッシュケースを差出した男は微笑を含む声で言う。
「匂いだ。我らは同族の匂いには聡い」
「…なるほど。件の話、承知したでござるよ」
男はアタッシュケースを掴むと歩きだす。
「戦場で逢おう」
―とある地下室での密談
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レンジャー連邦政庁禄
狩人狩り2~覚醒~
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灼熱の日差しが照り返す砂漠を、高く砂塵を巻き上げて、一人の男が走っていた。
輝く銀髪に浅黒い肌。
赤いネクタイに黒のビキニパンツ。
少し豊満な腹を盛大に揺らしながら走っていた。
「イィ…スゴクイィィィィィイ!」
テンションは上々である。
彼のテンションは、第一の刺客である、砂浜 ミサゴの靴下を手に入れた事でメイデア爆撃機並の速度で上がり始めていた。
テンションが上がれば能力も上がる。
「ふ……そう……そうだ……俺は新世界の神になる!!」
そう叫んで、迫る政庁の壁を駆け上がるように登り天高く舞い上がる。
世界設定や無矛盾規定などテンションの高いハンターにとっては無いに等しいのである。
「URYYYYYYY」
1回転。
2回転。
3回転。
4回転。
着地までの数秒で4回転にひねり迄加える。
5点着地で衝撃を殺すと、赤いネクタイと深紅の鼻血をなびかせて走りだす。
もう誰にも彼を止められない。
「IamはGOOOOD!!」
もうゴッド何だかグッドなんだかわからない発音で彼は叫んだ。
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「そこまでです!」
高らかにすべてを呑むように高らかに。
夜明けを呼ぶような声が辺りに響いた。
声の主を見上げるSBJ。
そこには白と黒のメイド服を可憐に着こなした浅葱 空が、目にも鮮やかな黄色いレミパンを片手に仁王立ちしている。
それは乙女の誇りを護るその為ににれの樹の下から現れたのだ。
「藩王は渡さないんだから!!」
あ、そっち?
「私のだもん!!藩王は私のだもん!!」
じたじた
びしっとレミパンをSBJに突き付ける浅葱。
「覚悟しなさい!ソックスブルージャスティス!」
SBJはにやりと笑うとセクシーポーズ。
妙にねっとりと腰を振る。
彼の目線は浅葱の足元に集中している。
SBJは聞いちゃいなかった。
涙目になる浅葱。
「ぃぃぃぃいいいぃぃ靴下だ…」
息が荒い。
目には暗い輝きが宿っている。
「やはり…メインの前には前菜が必要………」
じりじりと間を詰める。
一歩、二歩と後ずさる浅葱。
常人には纏えないまがまがしいオーラが辺りを埋め尽くす。
だが、浅葱は三歩目を踏み止めた。
自分が引けば藩王に危険が及ぶ。
藩王への愛が浅葱に異常へと立ち向かう勇気を与えていた。
間を詰めるSBJ。
すでに浅葱は冷静さを取り戻していた。
近づけば殺られる。
舞踏子としての戦闘本能がそう告げていた。
間を取らなければ…
浅葱は卵を三つどこからともなく取り出すとSBJに向けて投げ放った。
同時に、バーベキュー用の串が後を追う。
腰を落とすそれだけでSBJは全弾回避する…はずだった。
だが、卵は胡椒と唐辛子を撒き散らし爆散した。
串により衝撃を与え、卵爆弾を起爆したのだ。
爆風に吹き飛ばされるSBJ。
どんなギャグキャラも炎と雷には勝てない。
ギャグキャラ故の弱点を見事に突かれアフロ化するSBJ。
「…これは………!!」
頭をモファモファ触り驚愕に打ち震えるSBJ。
辺りに満ちる沈黙。
息を飲む浅葱。
「…イィ!」
「え…?」
「スゴクイィ!!」
「は…?」
「俺はついに【アフロ】を手に入れた!!」
両手を天に突き上げ叫ぶ。
彼の中に秘められていたブラザーの魂が更なるハイテンションを彼に与える。
がくがくと首を振り始めるSBJ。
もうその光景に浅葱、どん引きである。
「ふ…ふふふふふふふっハーッハッハッハ!!」
「ひぃ!!」
「俺は、何を迷っていたんだか…レンジャーでイカを追いながら、靴下を狩ればいい。ただそれだけじゃないか!!」
ゆらりと手を挙げるSBJ。

【ソックスブルージャスティス・復・活!】

ビシッと決めるセクシーポーズ。
高速グラインドする腰。
にじり寄るSBJ。
後ずさる浅葱。
頭の中では藩王と靴下が死闘を繰り広げていた。
「うわぁぁぁん!」
ぐるぐる浅葱。
レミパンで殴りかかる。
蛇のような動きで華麗にかわすSBJ。
浅葱の靴下にSBJの魔の手が伸びる。
「ファイエル!!」
高らかに響く声。
どこからともなく放たれるレーザー。
貫かれるSBJのネクタイ。
浅葱はここぞとばかりに間合いを取る。
「…楠瀬か」
ゆらりと背後に目を向けるSBJ。
そこにはすらりとした長身に青竜刀を構え、その眼鏡の奥に激しい怒りを隠した楠瀬が立っていた。
「…そこまでだSBJ。お前の身柄は俺たち風紀委員で拘束する」
言い放つ楠瀬。
胸の宝石の首飾りに手をあて叫ぶ。
「じにあ!!目標、前方ハンター。範囲指定、周囲十メートル!」
『了解!』
少しくぐもった声で返事が返る。
「ファイエル!!」
雨のように降り注ぐレーザー群。
右に左に、飛ぶように回避するSBJ。
あ、アフロに引火した。
「ファイエル!!」
吹き飛ぶ壁。
「ファイエル!!」
吹き飛ぶ花壇。
「ファイエル!!」
吹き飛ぶ城と双樹。
中庭でお茶をすすっていたらしい。
「ファイエル!!」
『楠瀬!エネルギー切れだよ!』
じにあからの通信。
「目標は?」
『頭が燃えてる以外は依然健在。ぴんぴんしてるよ!』
舌打ちする楠瀬。
「化け物め」
「あっちゃっちゃっちゃー!!」
頭を豪々燃やしながら走り回るSBJ。
中庭の噴水に飛び込む。
「ちょっとまて!これは拘束というか殺害じゃないのか?」
「虫程度に息があれば拘束だ!死ね!SBJ!!」
「あーっ!今死ねって言った!絶対言ったぞ!」
楠瀬の青竜刀がうなる。
「問答無用!!」
追いかけっこが始まった。
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すでに時は夕暮れ。
追いかけっこも四時間が経過していた。
「いい加減に!」
袈裟掛けの一閃。
切れるアフロ。
「おとなしく!」
そのまま横凪ぎで切り返す。
ジャンプで避けるSBJ。
「斬られ…!!」
切り上げる。
「てたまるかー!!」
加速するSBJ。
「逃がすか!小奴さん!!」
ゴゴゴゴゴ
と砂を押し退けてあらわれる砂漠迷彩を施したアメショー。
「な、I=Dだと!」
驚愕するSBJ。
前門のアメショー、後門の楠瀬である。
しかし、SBJは笑みを浮かべる。
「こんな事もあろうかとぉぉぉ!!」
ビキニパンツからイカナ命と刺繍がされた靴下を取り出し天に掲げる。
「スタンダップ!!イカーナ号!!!」
ゴゴゴゴゴ
と、今度は楠瀬の背後に巨大な影が現れる。
「な…なんだこれは!」
赤いボディに何やらごてごてと触手のような何かが生えたアメショーだった。
『待たせたでござるな!!SBJ殿!!』
楠瀬にパンチを打つイカーナ号。
ぎりぎりで楠瀬は回避する。
しかしその隙をついてSBJは包囲を抜けて居た。
「しまった!!」
狼狽する楠瀬を横ににやりと笑って跳躍するSBJ。
「くそ!藩王が!藩王おぉぉぉ!!」
楠瀬の悲痛な叫びが暗くなり始めた空に響き渡った。
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「あ、ゴメン洗っちゃった!」
藩王の部屋に辿り着いたSBJに掛けられた言葉は残酷な物だった。
「そ…そんな…」
崩れ落ちるSBJ。
「でも、吹っ切れたでしょ?悩み。」
「え、えぇ。まぁ。」
にっこり笑う蝶子。
「最近楠瀬さん淋しそうだったからね~。よかったよかった。」
「まさか藩王その為に俺を?」
SBJの手には黒い紙。
白い文字で【ちょうこのくつしたひきかえけん】と書いてある。
「もちろん!」
いい笑顔である。
「さぁさぁ帰った帰った。今回は見逃してあげるからさ!」
SBJは涙目である。
期待が大きかった分落胆も激しかった。
「く、くそう。覚えていやがれぇぇぇぇぇ!」
窓を打ち破り闇へと消えていくSBJ。
「さて、いくら藩王だからって盗聴はダメだよね。」
イヤホンを外し机の中にある受信機を木槌で壊す。
「明日には物見台の送信機も壊しに行かなくちゃ。ごめんね、青海さん。」



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レンジャー連邦政庁禄外伝
         狩人狩り
~完~

追記
りすきーさんごめんなさい!

(文責:双樹真)
最終更新:2007年02月24日 19:11