「いやー、面白かったー!」
「かんぱーい!」
わいわいと打ち上げムードの中、包帯まみれのパイロット数十名が談笑しあっている。
いやー、いい勝負でしたなあと互いの健闘をたたえあうものあり、次は負けないぜ!と闘志を燃やすものあり、みな一様に楽しそうな顔をしている。やはりゲームとは、楽しくてなんぼ、こうでなくては。みな、主催国のakiharu国ならびに、実況をしていた日口と解説のメカ田中にやんやと喝采拍手を送っている。
「3位かー…思ったより生き延びたなあ」
「ながみ藩国さんのところはベスト3に2人も入りましたねえ」
「いやー」
などなど、最後まで生き延びたメンバーも和やかなムード。
「みんなァ、ちゃんと国に帰ったら休むのよォ」
『はーい!!』
akiharu国逗留のACE、無垢の絢爛舞踏、サーラ・シェーシャの、特有の間延びしたしゃべり方につられて行儀良く小学生みたいに返事をする一同。
「ともあれこれで藩国のみんなにいい土産話ができましたねえ」
「いや、ほんとですねえ」
和気藹々。
akiharu国のファンキーな生態系により、肉食バナナに食われかけたり、プテラノドンに襲われたり、脱出した直後はそれでなくてもボロボロなのに、まったくひどいことになりかけていたが、こうして生き延びた今は、それもいい思い出、笑い話だ。
華一郎はとても満足していた。いや、実際文族的にこれだけネタになるものもそうはない。いや実際はもっとたくさんわんさかここまであったのだが、忙しすぎて着手できなかった。じっくりこうして取材も兼ねて観光も兼ねて、遊び倒してみんなと親睦も深められたのだ、言う事なしの満点である。
「さてさてakiharu国さんとこの
特産品は~…おっ、服かー。こりゃまた珍しいな、みんなにあれこれ買っていってあげようっと…あ、お姉さんお姉さん、領収書はレンジャー連邦でお願いしますねー」
会場に併設されたおみやげ物屋で山ほど買い物をして、郵送手続きを済ませる。ちなみに華一郎、この後自分がこの荷物と一緒に国元へまとめて郵送されることには気付いていない。
「食べ物は、うーん、ワイルド系が多いな。怪鳥の肉ってどんなだ…」
しげしげ並ぶ缶詰を見ながら特に多めにお買い物。今、国元のレンジャー連邦では政府の食糧備蓄が深刻に危機に陥っている。といってもまあこれはある意味慣れっこなので、お金や燃料のように他の資産がたっぷりある今、それほど焦ってはいない。優雅に買い物としゃれ込むだけのことは、あったのだ。(ちなみに当然お土産代が経費で落ちず、自腹を切ったことも併記しておこう)
華一郎は買い物を済ませると、同じようにお土産を選んでいた隣のプレイヤーに、何気なく話し掛ける。楽しい祭りの後、ならではの親しみやすい空気がゆえの、ことである。お互いに、笑顔でなんとなく語り合った。
だが、彼らは知らなかったのだ。
「久しぶりに無邪気に遊べましたねー」
「ほんとほんと、次回もあるといいのに」
その一言がどれだけ不吉なものになるかも知らず……
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…一方その頃、akiharu国のどこかでうごめく謎の生き物(?)…
to be continued...(かもね)
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(文責:城 華一郎)
最終更新:2007年10月26日 17:19