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あらすじ

藩国公認で始まった突発お祭り【大もんじゃ祭り】。
猫の手程度も借りたいと駆り出されたビッテンフェ猫と冴木悠。
メイド服を着た給仕がいると聞き、俄然やる気を出す冴木悠であったが、そこで二人が見たものは【女性物のメイド服】を着た体格の立派な給仕の姿。
いわゆるメイドガイの姿であった。


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「ちくしょー、騙された。メイド服の給仕がいっぱいって聞いたからやる気出したのに。酒持ってこーい」
「いたのは筋骨隆々なマッチョなメイドガイ軍団、詐欺でござるな。うむコリャうまいでござる」
料理にお酒を次々と平らげていく2人のメイドガイ。
この二人猫の手ほどの役にも立っていない。
「まあ、確かにメイド服着た女の子は何人かいるものの、猫士のちんちくりんばっかり・・・って。うん、これはこれでいいかも」
「・・・守備範囲の広さは相変わらずでござるな」
(かちゃり)
「・・・可愛いメイド服・・・萌える?」
冴木悠の背後から気配も無しに現れたのは、レンジャー国民の一人春雨である。
「うお、怖え。いくらメイド服着てても、無表情で拳銃背中に突き立てられて萌えるは無いと思うぞ。しいて言うなら、潜入中のスパイにしか見えん。」
「・・・大丈夫、これおもちゃだから・・・」
銃の引き金引くと、ぴゅーと出てくるのはただの水。
「ああ、いつかの水掛祭りの。そうは言ってもその感じで給仕してもみんな逃げるんじゃないの?いや、これはこれでありなのか」
「あはは、なんとかなるっしょ、私もついているし。お代わり持ってきたよー」
へらりと笑いながらお代わりを持って現れたのは、春雨の友人七周シナモンである。
こちらは物怖じしない正確なのか、様になった給仕ぶりである。
「お久しぶりー」
軽く手をふって挨拶をする冴木悠。
「せっかく持ってきてもらって悪いんだけど、これ何?」
指差したお皿の上には、もんじゃらしきものが盛られて入るのだが、中の具材がびくんびくんと震え妙に生々しい。というか怪しい。
「ふふふ、よくぞ聞いてくれました。これはですねえ、取れたての生きカカオをまぶした特製もんじゃです」
ばーんと手を広げ自信満々に発表する七周。
【生きカカオ。レンジャー連邦に生息する植物。希少性があり、取るのに大変苦労する。】
その後ろでは、なぜか解説の看板をふる春雨の姿。
「あ、うん。凄いね」
どうとでも取れるようなあいまいな返答を返す冴木悠。
この二人も大概変だよな、と口に出すとビッテンフェ猫とコンビのお前の方がよっぽど変だよと突っ込みを受けそうなことを考えている。
食べてーと目を輝かせて、冴木悠を見る視線に負けて生きカカオのもんじゃを口に入れる。
確かにうまい。
(にゅるん、びくびく)
ただ、非常に気分が悪い。
無言で口直しにと隣においてある、見た目普通のもんじゃを頬張る。
「ふむ、意外と美味い。こっちは何もんじゃなの」
「・・・それは私が作ったピンチもんじゃ。ヒントはカエ・・・」
「うわー、それ以上は聞きたくない」
春雨の言葉を、耳を押さえていやいやと声を上げる冴木悠。
声が大きかったのか、冴木たちに注目が集まる。
「たくさんの視線が拙者たちに、メイド服という辱められた服装がこれはまた・・・これはもう脱ぐしか」
黙ることによって、もんじゃ攻撃を避けていたビッテンフェ猫だが注目を浴びなぜか服を脱ぎはじめる。
(ずどん!!)
「あふん」
轟音と共に、微妙な悲鳴を上げて吹っ飛ぶビッテンフェ猫。
音の元を見ると、大きな銃剣から立ち上る煙に息を吹く春雨の姿。
「・・・大丈夫、これもおもちゃ・・・モデルガンよ・・・」
『大丈夫じゃねーよ』
騒ぎを見ていた人たちが一斉に突っ込む。
「・・・だって可愛くないもの」
春雨の指差した方向には、なぜか恍惚とした表情で倒れているビッテンフェ猫の姿。
スカートの下から赤褌がはみ出て見え、非常にやるせない。
「さすがはソックスクロヤ・・・いや、先輩です」
一人だけその光景に感激している人もいたりする。

本当に猫の手ほどの役にも立っていない面々であった。


文:冴木悠