編隊を組んだ4機のアメショーが爆音と共に宙を舞い空を駈けてゆく。
それを見ながら少し微笑んで、双樹真は歩きだした。
「おい、こら、双樹!待つにゃ!。」
双樹の頭で垂れている猫士の夜星が尾で双樹の頭をぺちぺち叩く。
「ん、どうしたんだよ?」
「まだ藩都でやっているとかいうドランジさんいらっしゃいパレードを見ていないのにゃ。戻れにゃ。」
双樹はあからさまに嫌そうな顔をする。
「えー。俺は摂政の挨拶が見たいんだよ。だから反対方向じゃないか。」
夜星は尾を双樹の首に巻き付ける。
「パレードではおっきな金の鰻が泳ぐらしいにゃ。」
ちょっと苦しい。
「…金の龍のこと?」
双樹の脳裏にドランジの金の登り龍が浮かぶ。
そういえばそれを模した張り子の演舞をやるとか言っていた。
「長くてくねくねしてたら全部鰻にゃ。大して変わらんにゃ。」
キュ。
夜星の尾に力が入る。
「…パレードにいこうか。」
祭りはまだ始まったばかりである。

(文責:双樹真)

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最終更新:2007年01月29日 10:14