「にゃふにゃふー」
「にゃああ」
浅葱空はのんびりしていた。
猫士のにゃふにゃふものんびりしていた。
この二人、いや一人と一匹はいつものんびりしている。
それを笑って許しているのは蝶子藩王ならびに国民がおおらかだからだろう。
浅葱空はにゃふにゃふと一緒に夢の中。
レンジャー連邦をのんびり旅している。
一面の砂漠と照りつく日差し。
砂漠は死の海。日差しは拷問?いいえ違う。
夢で、現実でこの国を見るたびに想いはつのる。
砂漠の海は綺麗で、優しく、厳しく包み込んでくれる。
まるでおかあさん。
日差しは強いけれど、痛い時もあるけれど、力強く背中を押してくれる。
まるでおとうさん。
そして何よりも、みんなみんな、愛があった。
苦労を苦労と思わない明るさ。
愛で全てを笑って乗り越える力強さ。
一人と一匹はそんなレンジャー連邦が大好きだった。
大好き故に大地に包まれて眠るのが大好きだった。
つまりはさぼりだ。
風に乗って想いを感じることもある。
ああ、優しい想いが伝わってきた。
ただ一人への真摯な想い。
金色の龍への。
この砂漠の国には珍しい、稀有な緑を連想させる摂政からの。
ああ、愛だ。
この国に相応しい。
楽しい祭りになるといい。お手伝いしよう。
愛を、届けるのだ。
そう思いながら一人と一匹は木陰でうとうとと昼寝を開始した。
いいのか手伝わなくて。
(文責:浅葱空)
最終更新:2007年01月30日 22:00