いつから彼女はそうだろう
どこか皆から浮いている
それもそのはず だって彼女
合成のクラスメイトなのさ
一目じゃ誰にも分からない
歪な科学の申し子よ
低まるバース・レイトの中
ついに叩かれたかその扉
どれほど隠しおおせても
僕には全部お見通し
それもそのはず だって彼女
人並みに外れたその頭脳
その表情ひとつとっても 何もかもを知りたいようで
世界の端から端までの その向こうへと向けている――!
何もかも変わらぬ日常に
全て曖昧な認識に
君というその存在だけが異質な合成品で
“天然”の僕達に
どれほどいっても馴染めない
僕らと同じにはなれない
君だけが独りぼっち
月日は次第にめぐって
それでも彼女は馴染まない
それもそのはず だって彼女
合成のクラスメイトだから
誰をも必要としない
瑕疵を抱えたそのこころ
だから声をかけたとして
合成の笑顔で笑うだけ
差のあることは悪徳と
僕ら何一つ均整で
それだというに だって彼女
その意図わからぬ能力偏差
そうだ自分のいるその意味 世界に探そうとするのは
何もかもが決められている以上に“意味”などあるのかい――?
全て平穏な日常に
疑うことなど何もない
君というその存在だけがただ全て掻き乱す
“天然”の僕達は
何もかもを恐れはしない
僕らと何が違うのだろう
君だけが独りぼっち
君は想う 君は問う
それが合成の心のせいで
何もかもを疑わず 生きていくこともできない
どこまでも どこまでも
君はどうなってしまうのだろう
そんなにも不確かな幸せの理由に縋るようで
なんでもないよな日常に
僕らは何も変えられない
君というその存在だけが全てを壊していく
“天然”の僕らより
天然らしい顔をしている
あるいは全てが逆しまでも
君はずっと独りぼっち――?
――桜の下で笑う君。
その笑顔を見るとき、僕は――。
本当の合成品は――。
もしかしたら僕らの方と、そんな風に思うのだろうか?