真っ暗な道を、男は歩いていた。
そこに俄かに啜泣く少女の声。
何故泣くのですか、男は声をかけた。
私でよければと、差し伸べた手に返る言葉
"謂れのない辱めに、悲しくて泣いているのです。"
"この身に受けた誹りの声
「醜い盗人」と呼ぶのです。"
おお、そんな非道。許されていいのかと。
男の目が怒りに燃える。
その瞳の先で少女はどうしてだか。
どこか怯えたような目を男へとじっと向けていた。
覚束ぬ道を、男は歩いていた。
そこに俄かに喚き散らす少女の声。
何故怒るのですか。男は声をかけた。
私でよければと、差し伸べた手に返る言葉
"謂れのない辱めに、怒りで震えているのです。"
"この身に受けた誹りの声
「卑しい物乞い」と呼ぶのです。"
おお、そんな暴虐。許されるはずもないと。
男の目が怒りに燃える。
その瞳の先で少女はどうしてだか。
どこか冷めたような目を男へとずっと向けていた。
一人一人 少女たちの悲鳴
その全てがかくも痛ましく
"禁じざるをえない遊戯"に途方にくれたものがそこに
__誰ともつかぬ声の曰く__
「浅ましい売女」がそこにいて。
「さもしい踏み台」がそこにいた。
ならばと男は、高らかに愛を謳う
その目の光を靭くして
ああ、救わなければ。そして、護らなければと。そう、愛さなければと。
そうして少女たちに、その手を伸ばしていく、defiler。
その道の先を。
男は歩いていた。
その男の足元には。
愛された、成れの果ての―――屍達。