それはけして とりかえせない
不浄にかけ混ざったひとしずく
けして出られない迷路の中 わたしはいつまでも閉じ込められる
傾きっぱなしの天秤
不治なる病の禁断症状
神聖なる殺意を孕んで
ルールに従う底無しの無情
さながら刻印が如くに
瞼にあかく焼き付いたあの眼
赤くて赫赫くて赫赫赫くて赫赫赫赫赫くて ああ溺れていく
それはひとつの信仰にも似る
刷り込まれた色を 今も忘れない
なにもかも
血濡れの恋人形 両の頬赤らめる
処女にするみたいに乱暴にしてね
肩を揺さぶって
突き飛ばして
壁に強く叩きつけて
そうして"敵"をもう一度
あの眼で射貫くまで
きっとあなた 人間ではない
もっと根本的に違えてる
だからきっとこれも正しくて そしてそれと同時に間違っている
夢という夢の行きつく先
抵抗できない暴力衝動
甘く苦く浸れる惨毒
一度陥れば制御不能
命を無視するが如くに
いまも身芯まで震わせるあの眼
恐怖くて畏怖くて怖気くて怖怖くて ああ溺れていく
悪魔を捉えけして離さない
あなたのその影が悪魔的なまでに
なにもかも
血濡れの恋人形 胸を高鳴らせる
淑女にするみたいに滅茶苦茶にしてね
床に引き倒して
四肢組み伏せて
痣になるくらい殴りつけて
そうして"敵"をもう一度
あの眼で焼殺すまで
あどけなさに笑えよ少女
その心は
枷で繋がれても
歓び揺れる
聞けよ呪いのカプリチオ
がんぜなさに踊れよ少女
その心が
檻に閉じられても
恋路は続く
そのことに狂喜して
なにもかも
血濡れの恋人形 瞳を潤ませる
少女にするみたいにキズモノにしてね
爪を突き立てて
肌引き裂いて
心臓ごと握り潰して
あなた無しではいられないと
素敵に証明して
そうして"敵"をもう一度
あの眼で破壊すまで 嗚呼……