覗き見る
その笑みは怪しくも常闇に裂かれる花
覗かれる
触れ合う筈のない遠く遥かな世界から
瞳を閉じて見つめてみれば
けして照らすことのできない暗闇を見出すまで
どうして残酷なアプリオリ
ただ光に縋りついたその先
ーー’’母’’を見る
死に向かい
歩き出すことが
生あるもののみ出来ること
そしてまた
死者の国を発ち
廻り廻らせると
かくも麗しき母の愛は
在りし日の幻の影として心に巣食うだろう
だから大いなるその呪いに
生まれたものは闇の中に 独り 縛り付けられたまま
おののきまどいふるえるその心
ただ見詰められる闇に怯えて歩き出せない
永遠の壁を隔てた交わり ゆめみるものの原罪
嗚呼
病まれ交わるむげんの果てに
闇に向かうむそうのはてに
けして止まぬげんそうの果てに
そのすべてなにもかもをして無間夢幻無想夢想幻葬・・・・・・
生きても死んでもないまぼろしに
微笑みかける影はなく
大いなるその輪から外れて彷徨えば
きっと永遠という言葉を憎むだろう 悪しく哀しく
顕界でも冥界でもない世界には
縛り付ける影さえもなく
新しきその輪となって廻るなら
きっと楽園という言葉を祝すだろう 填しく愛しく
嗚呼新たなる
世界にもやがて充ちゆく母の声
嗚呼真夜中に
幾許の疑いを為すこともなく
伝え伝わる怪話の侭に
侵すべからざる世界へと恐れを為して話して
けれど何より恐ろしいのは
大いなるその幻をいつしか 葬り去るときのこと
おののきまどいふるえるその心
誰もお前を抱擁くことはないと知るのならば
永遠の壁を越えていくだろうか ゆめみるものたちのように
嗚呼
呪われたる死出を誘って
祝されたる生誕を憎んで
許されざる混淆を選んで
かくて世界は廻り廻るなり
病まれ交わるむげんの果てに
闇に向かうむそうの果てに
けして止まぬげんそうの果てに
そのすべてなにもかもをして無間夢幻無想夢想幻葬・・・・・・